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ミクロネシアの小さな島・ヤップより

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沖縄復帰35年-辺野古のジュゴンの未来は日本と地球の未来

沖縄復帰35年-辺野古のジュゴンの未来は日本と地球の未来_a0043520_17405610.jpg1972年5月15日、沖縄は日本に「返還」された。

返還にあたって、日本政府は総額3億2000万ドルに及ぶ特別支出金をアメリカに払い、非核三原則の拡大解釈や核兵器持ち込みに関する秘密協定を結んでいた。この「密約」にもとづいて核搭載米軍艦船は何度も平気でニホンに入港したし、在日米軍基地には当然のように核兵器が隠されている。そして、その在日米軍基地の70%以上は、いまでも沖縄にあるのだ。

アメリカの経済力の衰退と国際戦略の変化にともなって米軍の「再編」が行われることになり、ニホンは「戦争のできる国」(実際はアメリカの戦争を手足となって手伝える国-決して独立して戦争できる国にはさせてくれません)になることをアメリカから要求されている。アベ政権が壊憲(改憲)を急ぐのはそのためなのだ。

そういう流れの中で、沖縄の要塞化が進んでいる。そして、絶滅が危惧されるジュゴンの生息域でもある沖縄本島辺野古地区に、新たな一大軍事施設が建設されようとしているのだ。それにむけた「事前調査」のためと称して、海上自衛隊の掃海母艦「ぶんご」が沖縄にむかっている

ここまでの経緯は、
米軍再編ってどうよ?
に非常に詳しく説明されているので、ぜひ一読をお薦めしたい。

また、現地の緊迫した状況は、
ちゅら海をまもれ!沖縄・辺野古で座り込み中!
辺野古から緊急情報
にアップされているので、頻繁にこれらのサイトをチェックして気持ちだけでも辺野古に送りたい。


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# by suyap | 2007-05-15 17:32 | ヤップでつらつら政治など

[ダイビング]エビと戯れ。

[ダイビング]エビと戯れ。_a0043520_178669.jpgヤップのマリーナには2つのダイビング屋がテナントとして入っていて、お互い小じんまりと仲良く商売をやっている。もちろん、そのひとつはうちだけど、もうひとつのBeyond The Reefのオヤジさんが、先週末、講習中にジンベイザメを見たんだそうだ(名前の上をクリックするとジンベイの写真が見られます)。

場所はコロニアに入る水路の入り口、マリーナの桟橋からボートでたった5分の距離!ここは歴代(笑)の座礁船の残骸がバラバラ転がっていて、いつもサカナが多い場所だ。マンタもよく通りがかるし、ハンマーヘッド・シャークを見ることもあるが、ついにジンベイザメも出現したとは...!東の風の緩まるこれからが、潜りどきだ。

で、同じ場所で2回目のジンベイを狙う(笑)には潮が合わなかったし(水路の入り口なので、上げにかけて入る必要あり)、今日はそのすぐ近くのナマコヘブンで小物とまったり過ごすことにした。写真は、なぜか背中が白くないヒトデヤドリエビ(もどき?)。手持のどの図鑑を見ても、Periclimenes soror, Nobili 1904 の写真はみな背中に太くて白い筋が入っているのだけど、これにはなぜか白線がない。


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# by suyap | 2007-05-14 23:51 | ヤップの自然・海

この子は誰の子?

この子は誰の子?_a0043520_22514194.jpg前回に次いでまた鳥の話になってしまうけど、この小鳥は誰の子でしょう?

2週間ほど前に訪れた、あるヤップ人の家の子供が飼っていた-というか、家の近くの藪の中に「落ちて」いたのを、拾ってきたのだそうだ。サイズはちょうどニワトリのヒヨコくらいだったから、少なくともヤップの固有種Gigiyでないことは確か。それに、小さな箱から子供が取り出したとき、家の中を逃げ回り始めたので(まだ飛べない)、わたしも「捕獲」を手伝ったのだけど、意外に足が長くしっかりしていた。

クチバシの形から、海鳥の仲間かもしれないと思ったりしている。この家の近くにはアジサシの営巣地もあるし... ま、この小鳥がもう少し成長すればわかるかな、と家の人と話していたのだけど、今日電話したら、猫に食べられちゃったという。

コウモリもそうだけど、野生の動物には巣から落ちた子を見捨てる親が多い。ましてニンゲンに助けられてニンゲンの臭いのついた子は、二度と仲間に入れてもらえないのだそうだ。厳しいものだけど、そのかわり多産だから、「強い子」だけが生き残って種が保てるんだろうね。

果てさて、ニンゲンの世界でも、アジア大陸の北東のあたりに浮かんでいる小島では、このごろ「強いものは美しく、弱いものは醜い」「勉強のできる子には優先してチャンスを、勉強の嫌いな子には早く労働を」なんてことになっているようだけど、自然界の「強い子を育てる」とは、ぜーんぜん、違うんだよね。

自然界の「不幸」は、本人や親にとっては不可抗力の、いわば超自然存在の判断

ニンゲン界の「不幸」は、どーも本人や親を超えたところで別のニンゲンの意志を感じる、「超」ニンゲン・チックな結果のようだ


そんなことを、あるヤップの小鳥の親が申しておりやした。
ハイ、きょうは手短にこの辺で。


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# by suyap | 2007-05-13 22:49 | ヤップの自然・陸

Giigiy(ギギイ)はヤップの固有種です(追記あり)

Giigiy(ギギイ)はヤップの固有種です(追記あり)_a0043520_23585690.jpgヤップの固有種、Giigiy (ギギイ)のまともな写真がやっと撮れた。といっても、カメラと撮影者はゲストのFUさん。(FUさん、写真のご提供ありがとうございました)

ギギイの学名は Monarcha godeffroyi Hartlaub, 1868となっている。19世紀の後半、外国人としてヤップに初めて支店を置いたドイツ商人Godeffroyの名前を取っているから、彼が「発見」して報告したのかもしれない。それを1868年にHartlaubという学者が新種と同定し登録した-というふうに読める。このHartlaubさんは同じ年(1868年)に5つの新種を登録していて、それにはギギイの他に、パラオ固有種のメジロやメラネシアのツカツクリの仲間などが含まれる。
(追記:参考)
Monarcha godeffroyi
http://www.iucnredlist.org/search/details.php/13677/all
Monarcha godeffroyi Hartlaub, 1868
http://www.itis.gov/servlet/SingleRpt/SingleRpt?search_topic=TSN&search_value=178683
Taxon author(s): Hartlaub, 1868
http://www.itis.gov/servlet/SingleRpt/RefRpt?search_type=author&search_id=author_id&search_id_value=18390
ところでギギイの英名はYap Monarch、和名はカササギビタキと紹介されているサイトを見かけるが(鳥類の場合は日本にいなくても和名がつくみたいだね)、これが果たして正式なものかどうかわたしは知らない。
(追記)
このほかにもギギイの記事を書きました:
クモの巣の巣
http://suyap.exblog.jp/6294899/
Giigiy(ギギイ)はヤップの固有種です(追記あり)_a0043520_002085.jpg国際的にはNear threatenedとなっていて絶滅が危惧されているが、実はここ数年、わたしはギギイの数が増えているような気がしている。ただし、これは学術的な調査の結果ではなく、わたしや、わたしのまわりのヤップ人の感覚的な経験によるものだけど。

ギギイは一時期、ほんとうに少なくなった。絶滅が危惧され、いろいろな方策を政府・非政府団体が模索していたが、90年代後半に州鳥として指定されたのを機会に、ギギイ保護のための予算がついた。そこで各団体協賛でギギイ保護のポスターが作られ、そしてGigiyの歌まで作られた。

やがて、そのギギイの歌はなんとヤップのヒット・チャート上位にのぼり(笑)、大人から子供まで、その歌を知らぬ者はいないまでになった。そして、いまでもよく歌われている。

では、その歌を紹介しよう。
Giigiy (ギギイの歌) (C) Composition & Song by Rudolf Rodol
Qaraay yu waqab ni karimus, ea taqreeb daakuriy u baang
ここヤップの島にだけいる、地上でたったひとつの種類
Daariy u baang ko faeyleng bineey, ni taqa miit ni karimus
世界のどこにもいない、それはここだけにいる種類
Weeniig ngom, gu bea siroeq naag, nga da qayuweeged ea bineey ea yafas
お願いだ、おれの話を聞いてくれ、この生物を助けてやろうじゃないか
Ri bea faan faalngiin yu waqab, ni taqa miit ni karimus
ヤップにしかいない貴重な生物を守るのは、すっごく大事なことなんだ

Gigiy fa qachiigiigiy, ga ba qachiigiig ma ka ga maa taang
ギギイ、アッチギギィ、おまえは小さいくせに、でかい歌声だ
Ri ga maa puw, ri ga maa puw ni taan madaadbiy
いつも夜の明ける前、おまえの歌声はおれを起こす、起こしてくれる

Gigiy fa qachiigiigiy, ga ba weach weach ma ga ba talimar
ギギイ、アッチギギイ、おまえのからだは真っ白と真っ黒だ
Ri ga ba t’uuf, ri ga ba t’uuf ko naam rodaed
おれたちの島では、おまえはだいじなやつ、だいじなやつさ

Mu qayuweeg tabnaew roek, yae ngea yog ni ngea yooqoor
あんたもやつらの家を守ってやってくれ、そうしたらやつらも安心して子を増やせる
Daab kun koel, yae raa maath miit, yae taqa miit ni karimus
ぜったいに捕まえたりしないでくれ、そんなことしたらすぐに消えちまうぜ、やつらはここにしかいないんだから
Mu qayuweeg ea naam roem, yae ngea paer ni gilbugwaan
あんたの島を大切にしなよ、そうするとずっとカッコよくいられるんだぜ
Yae naam roem ngea yafas riy, qaram guur ni karimus
あんたの島には他の生物も住んでいるし、あんた自身もここっきりいないんだから

Gigiy fa qachiigiigiy, ga ba qachiigiig ma ka ga maa taang
ギギイ、アッチギギィ、おまえは小さいくせに、でかい歌声だ
Ri ga maa puw, ri ga maa puw ni taan madaadbiy
いつも夜の明ける前、おまえの歌声はおれを起こす、起こしてくれる

Giigiy(ギギイ)はヤップの固有種です(追記あり)_a0043520_053989.jpg今は絶版となった素晴らしいポスターForest and Land Birds of the Federated States of Micronesiaに使われたDouglas Prattさんのギギイのイラストは、ポスターや切手やいろんなマテリアルにつかわれて大活躍だ。今回写真に撮れたのは襟元だけが白いメスの成鳥。オスは胸から腹全体に白が広がり、幼鳥は茶色だ。

ギギイは、繁殖期になると番で木の上に巣をつくり、1回に1~2個の卵を産んで幼鳥が自力で飛べるようになるまで、カップル交代で餌を運ぶ。巣にした場所の環境が良ければ、何年にもわたって同じ場所に巣を作るようだ。

Giigiy(ギギイ)はヤップの固有種です(追記あり)_a0043520_013829.jpg→の写真はsuyap撮影-とほほ(笑)
ギギイの鳴き声はよく通る。特に、まだ夜が明ける前や雨の前に、コッケゥッ、コッケゥッ、と高い声が木の上から聞かれる。そのほかに、ギギギーという注意音や騒ぐ声もよく聞かれる。そんな声を想像しながら、このGigiy (ギギイの歌)を聞いてもらえば、さらに雰囲気がつかめるかもしれない。

この歌がこれだけヤップで流行ったのは、ギギイを通して、ヤップ人は自分らの境遇を見てしまうからかもしれない。taqa miit ni karimusを直訳すると「たったの一種、これっきりで終わり」という意味だが、世界中で1万人にも満たないヤップ語をしゃべりヤップの歴史・文化遺産を引き継ぐヤップ人も、その境遇はギギイと大差ない。

それにしても、風前の灯火なのは、世界に誇る我が日本国憲法も同様。

この憲法の精神と格調を、手遅れになる前に、できるだけ速くできるだけ多くの人に伝えるためには、ギギイの歌のような素晴らしい歌を流行らせるのも大きな戦術ではないか?

どなたか、歌心のある方、作詞・作曲お願いしますよお~~~!
歌・Tシャツ・漫画・映画、こうなったら、何でもありで、ハチャメチャに、ハートで訴えて騒ぐしかありません!



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追記:もしかしてジュリーもこれ読んでくれたの?
沢田研二のわが窮状、出ましたねえ!


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# by suyap | 2007-05-11 23:55 | ヤップの自然・陸

沖縄はグアムにならい、自衛隊はセクハラ米軍にならう...

沖縄はグアムにならい、自衛隊はセクハラ米軍にならう..._a0043520_21291515.jpgことし始めに話題になってたステルス戦闘機F22Aラプターが、あす未明(ということは、これを書いてる時間から数時間後)、3ヶ月間の任務を終え、沖縄の嘉手納基地を離陸するそうだ。
沖縄タイムス(2007年5月9日(水) 夕刊 1・5面):F22離陸、あす未明
琉球新報:F22あす未明離陸 再び強行へ

ぼくの政府・アベシンゾー君はF15の後継機にF22を買いたいようだが、米国の法律ではF22は最新鋭なのでまだ外国に売れないことになっており、中国も反対しているようなので、どうも訪米前の打診段階で断られたらしい。(田中宇の国際ニュース解説「意味がなくなる日本の対米従属」

一方、リーフチェッカー’さめ’さんの報告によると、沖縄ではますます県民から乖離した「観光誘致」=沖縄のグアム化が進んでいるようだ。なんと、すでにDFS(デューティーフリーショッパーズ=名前から免税の安い品が買える店と思っている人が多いけど、実際は世界中にチェーン展開している観光客向け割高土産物店なのよ、これ)まで進出しているという。



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# by suyap | 2007-05-09 21:26 | 戦争はビジネス(怒)