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ミクロネシアの小さな島・ヤップより

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深層の美女

クリスマス休暇が日本のお正月のような感じのヤップでは、先週の金曜日が終わったあたりから、なんとなくお休みモード、今週に入ると、あちこちの商店でクリスマス・セールが始まり、陸上の人が集まるところでは浮き足立った雰囲気が漂っている。いっぽう海の中では… あいかわらずマンタさんは、よそよそしい雰囲気だ。まあ、そうっとしておいてあげましょう^^
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べつにマンタがそっけないからというわけでもないけれど、久々に深層の美女に会いに行ってきた。彼女の名はシコンハタタテハゼ、あるいは日本のダイバーの間では学名からヘルフリッチとも呼ばれている、可憐で美しいハゼだ。

このサカナが生息する場所は、ダイバーなら誰でもご案内できるという水深ではないので、このブログでも今まで取り上げたことが無かった。それでも今回の場所は、エンリッチド・エア32%O2でギリギリOKの水深(酸素分圧があ~たらこ~たらで水深が出ますネ)…ということで、ちょこっと登場してもらうことにした。ちなみに今回はフツーのエアで潜ったけどね。

深層の美女_a0043520_10195665.jpgところで、左の写真はシコンハタタテハゼの親戚筋にあたるハタタテハゼなのだが、こっちのサカナは、あまりにもどこにでもいすぎて、慣れたダイバーからはほとんど見向きもされないという可愛そうな境遇なのだ(笑)。

左上の写真ではよく色が出てないけれど、ハタタテハゼだって、シコンハタタテハゼに負けないくらい、シックな色合いの美しいサカナなのに、沖縄以南の暖かい海には、浅いところから深いところまで、どこにでもたくさんいるので、わ~、きれいと感動してくれるのは、ダイビング初心者か南の海が初めてのダイバーくらいで、彼らも、そのうち見向きもしなくなるという悪循環。もしこのハタタテハゼが、もっと深いところだけにいて、数もう~んと少なければ、きっと今以上にダイバーにもてはやされるのになあって、いつも思っているわたしでさえ、写真をほとんど撮ってなかったという体たらく…。ごめんね、ハタタテハゼちゃん。

深層の美女_a0043520_1020465.jpg今回のシコンハタタテハゼの写真については、ポケデジの内臓フラッシュ反射板をつけ忘れるという大ドジを踏み、いかに太陽光の少ない水深といえども、オーバー・ライティングになってしまったのが悔しい。ま、手ぶれもブレブレだし、どっちみち、わたしの腕は下手なスナップ写真の域を出ないのだから、あまり落ち込むこともないか(笑)。

世界もいろいろで、場所によっては、アドバンス・レベルの推奨最大深度でシコンハタタテハゼを見られるところもあるようだけれど、ヤップの場合は、どうしても上のような深度から以深になる。それでも2004年の大きな台風が来る直前まで、ヤップ・カバーンズには、30mちょい過ぎくらいから見られるペアの個体がいた。残念なことに、彼らはたぶん台風で吹っ飛んじゃったらしく、その巣穴は現在にいたるまで無人無魚状態が続いている。

深く潜れば、いる場所にはいる魚で、とくに珍しいというわけではないが、こういう深層の美女に会いに行くには、連れの厳選は大切である。マイルールとしては、毎潜水後、1)自分の身体を駆けめぐっているサイレント・バブルのぱっきゅ~ん、ぱっきゅ~んという音が聞こえ、2)心地よいけだるさ加減からビールを飲むタイミングと量を測れること、などが必須条件かな。えっ、何のことだかわからない?そういうヒトは、もっと浅いところでたくさんダイビングを楽しみながら、おいおい、ぱっきゅ~ん、ぱっきゅ~んに耳を澄ませるようになりませう(笑)。


最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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by suyap | 2009-12-22 16:14 | ヤップの自然・海
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