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ミクロネシアの小さな島・ヤップより

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グアム・沖縄・日本の行方

a0043520_0195387.jpgグアムにお出ましの北澤防衛大臣は、なんだか、ご当地の軍・官・メディアにうま~くまるめられちゃったみたいだなあ。グアムのカマチョ知事に、当初予定されていた8000人の海兵隊員と9000人の家族を受け入れるだけでも大変なのに、普天間基地全体の海兵隊員を新たに受け入れるなんて、グアムには負担が大きすぎると言われて、ヘリ基地の移転が決着しなくても海兵隊のグアム移転は計画通りに進むと発言したという(Pacific Dayly News)。なんだか、このオッサンもしゃべり過ぎだにゃ。

a0043520_0202632.jpg同じ記事の最後には、日本軍がグアムを軍事占領していた太平洋戦争中に、兵隊によって被害を蒙った人の年老いた娘さんを含む2人が、日本領事館のある建物の前で静かにデモをしていたとある。いわく、もともと沖縄にいた海兵隊をどうしてグアムが引き受けなきゃならないのよ、日本や沖縄の人が嫌なものは、グアムのあたしたちだって困るのよ!

グアム唯一の新聞であるPacific Dayly Newsの記事はそれ以上つっこまないので、まるで日本や沖縄の人が、米軍は沖縄から出て行け、普天間の海兵隊は全部グアムに行けと言うことが、グアムの人たちの迷惑を考えない、とんでもない主張のようにも受け取れる。

a0043520_021212.jpgでも、ここで、わたしたち(沖縄、日本、ミクロネシアの住民すべて)が、立ち止まってよく考えなければならないのは、こういう対立を煽るような報道や政治家の発言こそが、曲者だということだ。ちょっと前の記事でも取り上げたとおり、米国の「グアム統合軍事開発計画」を知る上で、宜野湾市の伊波市長の資料はたいへん貴重だ:

宜野湾市「普天間基地のグァム移転の可能性について」
http://www.city.ginowan.okinawa.jp/2556/2581/2582/37840/37844.html

田中宇さんの国際ニュース解説、最新記事では、それをより細かに分析している:

官僚が隠す沖縄海兵隊グアム全移転
http://tanakanews.com/091210okinawa.htm

a0043520_021378.jpg以下は田中宇さんの記事の抜粋:
この「グアム統合軍事開発計画」は、グアムを世界でも有数の総合的な軍事拠点として開発する戦略だ。米国は「ユーラシア包囲網」を作っていた冷戦時代には、日本や韓国、フィリピンなどの諸国での米軍駐留を望んだが、冷戦後、各国に駐留する必要はなくなり、日本、韓国、台湾、フィリピン、インドネシアなどから2000海里以下のほぼ等距離にあるグアム島を新たな拠点にして、日韓などから撤退しようと考えてきた。

その具体策として、海兵隊の全構成要素を沖縄から移すだけでなく、海軍と空軍の大拠点としてグアムを開発し、米軍の全部門が連携できる体制を作る計画を打ち出している。沖縄の海兵隊は、小さな出先機能が残存する程度で、残りはすべてグアムに移る方向と考えるのが自然だ。
~~中略~~
日米は、沖縄海兵隊のうち何がグアムに移転し、何が沖縄に残るかを意図的に曖昧にしておくことで、海兵隊が今後もずっと沖縄に駐留し続け、日本政府は「思いやり予算」などの支出を米軍に出し、財政難の米軍はその金をグアム基地の運用費に流用し、日本政府は1日でも長く続けたかった対米従属の構図を残せるという談合をした疑いがある。
~~中略~~
まさに必要なのは、米国と再交渉することではなく、政府の考え方をまとめ、海兵隊員水増しの捏造をやめることである。外務省など官僚機構が了承すれば、日本は「海兵隊は2014年までにグアムに全移転してほしい」という方針で一致し、米軍がすでに進めている移転計画を、ようやく日本も共有することになる。
~~中略~~
米政府も財政難なので、海兵隊グアム移転にかかる費用の増加分を日本が出さない場合、海兵隊がグアムに移らず、普天間に居座る可能性もある。だが、そうなると海兵隊の居座りに対する沖縄県民の反対も強くなり、鳩山政権は、金を出さないで海兵隊に撤退を要求するという、フィリピンなど世界各国の政府がやってきた「ふつうの国」の要求をするかもしれない。最終的に、米軍は日本らか追加の金をもらえずに出て行かざるを得ず、この場合はグアム移転の要員数が縮小され、米本土に戻る人数を増やすことで対応すると思われる。
そう、大切なのは、グアム住民と日本&沖縄の住民の対立することなく、双方で協力して、金のなくなった米軍を兵糧攻めにすること。

もし鳩山政権が、普天間基地の海外(グアム)完全移転のために莫大な思いやり予算を歳出したりすると、それこそがグアムの住民を苦しめることになる。日本の人々も、安易に海兵隊はグアムに行け!と主張するだけでなく、見返りの思いやり予算もつけないよう、わが政府を見張っていただきたい。のらり、くらりでも良いから、できるだけ時間を稼いで、相手の時間切れを待てば良い。米国は、どうせそんなに長くは持たないと思うよ。

ところで、グアム在住の友人から、久しぶりにメイルが来た:
グアムに沖縄の兵隊が移ってくるって話しも今となってはどこまでが本当なんだかって、良く分からない状態ではありますが、それでもグアムはアメリカ人がすんごく増えました。レストランに食べに行っても、今では白人や黒人がたくさんです。私達が、え~?ここどこ?って外国に来た気分になるくらいです。
グアムは、着々と大軍事基地への道を歩み始めているようだ。

ただし、こうして利権だけが先行して軍事開発された小さな島の将来は...近い将来、大幅撤退を余儀なくされる米軍が去ったあと、残るのは荒らされた自然と、バブルに乗って米本土、グアムに加えて近隣諸島から出稼ぎに来て職を失う労働者。日本の方々よ、落ちぶれ行く米国に、これ以上の追い銭は与えないでくれ!

最後に、反戦な家づくりさんの記事から教えていただいた、グアムへの米軍移転に反対する先住民チャモロの人々の意見を加えておこう:

グアムと日本の連帯を(pdf)
http://www.dmzhawaii.org/wp-content/uploads/2009/03/14-lisanatividad_guam_japanese.pdf
(注)上の記事の中、2回出てくる「マーシャル諸島」のうち、最初のは「マリアナ諸島」の訳し間違いと思われます。


(写真説明)
この記事の写真は、いずれもヤップに残る太平洋戦争の残骸。上から順に、日本海軍所属九七式艦上攻撃機のエンジン、米国海軍所属ヘルキャット(1944年撃墜)のエンジン、日本海軍所属一式陸上攻撃機後部機体、米国海兵隊所属コースエア(1944年撃墜)のエンジン部分。


最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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by suyap | 2009-12-10 21:49 | ヤップでつらつら政治など
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