ヤップの遠く北西にいるヘンテコな雲の塊りのお陰でまだ北西からのうねりが大きいが、きょうのヤップは穏やかに晴れ上がり、リーフの中の海面は鏡のようになめらかだった。残念ながら、
マンタちゃんは
ゴフヌー・チャネルにも
ミル・チャネルにも現れなかったけれどね。やっぱり外海の波が高いときは、マンタは深い海の底ですごしているのかなあ...
それはともかく、気になるのは沖縄の辺野古の海の仲間たち。
別に辺野古の海の仲間たちだけを気遣ってあそこに米軍用滑走路を造ることに反対しているわけではないけれど、海の生き物は正直だから、ニンゲンが少しでもヘンなことをするとすぐに手痛い打撃を受けるので、今回もヤップの海の仲間たちに集まってもらって、沖縄の人たち+海の仲間たちにエールを送ろうと思う。
集まった連中(写真)は上から、マングローブ林、ギルマン・ウォールのサンゴたち、マジック・キングダムのサンゴたち、ヒレシャコ、メガネゴンベ、キイロサンゴハゼ、ジョンストンスズメダイ、ベニハゼ、フタイロハナゴイ他の群れ。
2005年の総選挙でガックリさせられて以来、民主党の岡田サンにはな~んにも期待できなくなってしまったわたしだけど、それにしても今回はやらかしてくれたもんだ。
目取真俊の海鳴りの島からに、「市民との対話集会」の様子が詳しくレポートされている:
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岡田外相と「市民との対話集会」写真
http://blog.goo.ne.jp/awamori777/e/7c6f563fbb74756a950bd7ff08390f4e
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岡田外相の「市民との対話集会」全面公開
http://blog.goo.ne.jp/awamori777/d/20091206
こんなんじゃ、前政権のヤラセ・タウンミーティングと同じ、どっちもどっちだと言われても仕方ないね。岡田サンの人相もどんどん悪くなってきているし、ますます2005年を思い出すなあ、とほほ。5月の代表戦で敗れてくれてて、とりあえず今のところは良かった、良かった?
とはいっても、心もとないのはポッポ鳩山首相も同じこと。ブッシュ政権のやり方をそのまま引き継いで、
日本を米軍の無限のATMマシーンとして使うことにしたオバマ政権が、着任早々化けの皮を脱ぎ捨て、ヒラリー・クリントンを日本に送り込んで「グアム協定」なるものを当時の麻生政権と結び、彼は国会でそれを強行採決した。そのツケが、いま、どーんとポッポ政権の上にのしかかってきているわけだ。
すでに、たくさんのブログが指摘しているけれど、とうやら米軍のほうは、いま普天間にいる海兵隊のほとんどをグアムに移転させるつもりでいるというのが正しい観測のようだ。下の伊波洋一宜野湾市長の報告は、たくさんの人に読まれるべきだと思う:
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「普天間基地のグァム移転の可能性について」 (伊波洋一宜野湾市長)
http://www.city.ginowan.okinawa.jp/2556/2581/2582/37840/37844.html
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「普天間基地のグァム移転の可能性について」配布レジュメ(PDF)
http://www.city.ginowan.okinawa.jp/DAT/LIB/WEB/1/091126_mayor_5.pdf
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「普天間基地のグァム移転の可能性について」プレゼンテーション資料(PDF)
http://www.city.ginowan.okinawa.jp/DAT/LIB/WEB/1/091126_mayor_4.pdf
これを教えてもらったのは
「反戦な家づくり」の明月さんの記事だけど、
「きっこのブログ」のきっこさんも内容をわかりやすく解説してくれている:
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反戦な家づくり:普天間基地はグアムに移転するようだ
http://sensouhantai.blog25.fc2.com/blog-entry-803.html
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きっこのブログ:普天間移設を急ぐ人たち
http://kikko.cocolog-nifty.com/kikko/2009/12/post-d5c1.html
とまあ、米軍のホントの状況はそういうことのようで...
ところで、
「ジャパンハンドラーズと国際金融情報」アルルの男・ヒロシさんは、
米軍移転にともなう日米協議にも新たに密約があるとして、それを
ロードマップ・ゲイトと呼んで、その密約の存在を広めようと呼びかけている。
〇
日米新安保密約の「ロードマップ・ゲイト」追求の提案 : 岡田外相の無念
http://amesei.exblog.jp/10530009/
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普天間ロードマップ問題は、新しい日米密約ではないか。
http://amesei.exblog.jp/10529862/
ジョセフ・ナイ、リチャード・アーミテージ、マイケル・グリーン、カート・キャンベル、こいつらは札付きの日米安保マフィアだ、気をつけろ!って(笑)。こんなヤツラの発言を載せてるマスゴミなんか信用するな!って(爆)。
また、
マスコミに載らない海外記事さんが少し前に取り上げた
Gavan McCormack氏の記事は、このグアム協定がいかに不正なものかを、よく説明している:
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The Battle of Okinawa 2009: Obama vs Hatoyama
http://japanfocus.org/-Gavan-McCormack/3250
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マスコミに載らない海外記事:オバマ対鳩山: 不平等で、違憲で、違法で、植民地的で、虚偽的な米日協定の素性(上記事の翻訳が読めます)
http://eigokiji.justblog.jp/blog/2009/11/post-1cbf.html
一方で、日本の国土政策/行政、とりわけ沖縄の問題に長くかかわってきた下河辺淳氏のインタビューがウエブ上で読めると、ある読者から教えていただいた:
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下河辺淳氏オーラル・ヒストリー
http://ir.lib.u-ryukyu.ac.jp/handle/123456789/11547
いまだに50kbpsしか出ない電話回線接続というこちとらのネット事情では、それぞれのPDFが重すぎ、残念ながら表紙ページしか見てないのだが、
「雑感」のudonenogureさんが一部内容を紹介してくれている:
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公共事業?日米同盟?県民の意思?
http://udonenogure.iza.ne.jp/blog/entry/1353889/
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平野の馬鹿は、ぜんぜんわかっちゃいない。
http://udonenogure.iza.ne.jp/blog/entry/1356800
さて。以上のような資料から推し量ってみると、
1)軍略的に、米軍は再編されてフロントをグアム-マリアナ諸島中心に移すことになっている。それは日本やアジアのパワー・バランスを脅かすものではなく、むしろ整理し動きやすくなっている。
2)今まで甘い汁を吸ってきた双方の日米安保マフィア勢力が、最後のチャンスとばかりに群がって、不平等で非現実的なグアム移転協定を押し付けようとしている。
3)辺野古に巨大な軍事基地を日本が造ってくれるなら、そりゃ、ラッキー!で、米海兵隊はたまにグアムから飛んできて演習につかうつもり。(だけど、なくても軍事的には何の弊害もない)
4)このグアム移転協定が不平等で国際法的にもごり押しできないことは、アメリカもよく知っている。
5)グアム移転協定を破棄することが、即、日米安保破棄にはつながらないことも、アメリカはよく知っている。
6)つまり日米安保マフィア勢力は、ポッポ鳩山政権の脅しに弱い連中を締め上げ、息のかかったマスゴミを使い、現在のような宣伝にいたっている。
というところだろうか。
一方、沖縄から海兵隊+αの兵員と家族を受け入れる側-グアムの方でも、その準備にたいへんなことは、こちらでも書いた:
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恨みっこなしで、別れましょうね♪
http://suyap.exblog.jp/9256066/
そこでも触れたように、GAO(米国会計検査院)が米軍のグアム移転計画のずさんさを指摘したり、米議会がグアム移転にともなう費用の来年度予算を70%も削減したりしているにもかかわらず、グアムへの米軍移転は海兵隊だけに留まらず、先月公開された環境影響評価書によると、陸軍のミサイル部隊約650人とその家族950人、それに軍属126人も含まれているようだ。また米海軍の原子力空母を受け入れる港湾の整備や、6000人近い乗組員を載せて年間63日くらいの帰港が予定されているという(サイパンMarianas Variety記事原文は文末参照)。
この米軍グアム移転は、グアムのみならず、ミクロネシア中の人々がその成り行きに大きな関心を寄せている。実現すれば(というか、このままいけば規定路線のようだけど)、小豆島くらいのグアム島の三分の一を占める米軍基地が、今以上に拡張されるわけで、その工事には近隣の島の労働力も注ぎ込まれるだろうし(=島からの労働人口移動を意味する)、沖縄が経験しているような、軍隊と一般市民との軋轢も増えるだろう。
1521年マゼラン一行がやってくるまで、グアム、サイパン、ロタなどの島々は、先住民族チャモロ人が住む場所だった。当時は11万人もいたと推定されるチャモロ人たちは、キリスト教の強制を嫌って戦いを挑んだり、また伝染病をもらって次々と死に絶え、瞬く間に、女子供ばかり2000人を切るまでに減ってしまった。生き残った人々のほとんどは、スペイン人に連れ来られた南米やフィリピンからの移住者、それにスペイン人との混血によってファミリーを維持していった。
1898年、米西戦争でスペインが負けると、その戦利品としてプエルトリコ、フィリピンとともにグアムの宗主権はアメリカに移った。その後、太平洋戦争中に日本が軍事占領した3年間を除き、グアムはずっと米国会で議決権のない米国領というステイタスに置かれ続けた。アメリカ統治時代になっても、チャモロ人を増やさないために計画的にフィリピンから人々を移住させたり、近年までチャモロ語の使用を禁止さえする政策が取られていた。そういうところに、国外=グアム移転をただ叫んで、一方的に厄介者=軍隊を押しつければ良いというものではない:
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【転載】普天間基地の閉鎖のための対米交渉を
http://yaplog.jp/sayumibon/archive/313
太平洋戦争ではミクロネシア中の島に日・米の軍隊が押しかけたが、日本の敗戦後、米軍は1993年のクリントン軍縮まで各島に駐留していた。ヤップにもSeaBeesと呼ばれる米海軍の建設工兵隊が駐留しており、彼らと結婚してアメリカに渡った女性たちも多い。
現在ヤップには、米国航空局の「消防署」とされる巨大な建物が、ヤップ空港のすぐそばに完成間際である。7億円オーバーと推定されるその建設費用の多くは米軍から出ているという話が、ジモッチー(地元の人)の間でささやかれている。米軍はこの「FAA消防署」を、いざとなったらいつでも使える施設として用意しているのかもしれない。太平洋の小さな島々は、いつでも大国の意のまま、なのだ。
ところで
最終決断は自分で、という鳩山首相の真意は測り知れないが、ひとつの希望的観測として、彼がノラリクラリとすることで各方面の圧力をかわしているうちに、アメリカも無視できないくらいに沖縄の人々がヒートアップし、それを口実にグアム移転協定にノーを言うチャンスを待っているのか?とも考えられる。そして、沖縄を炊きつけるために今回の岡田外相の行動があったのなら、それなりの演技賞をあげても良いけどね(爆)。
ところが万一、ほんとうに鳩山もどうして良いかわからない状態で結論を先延ばしにしているだけなら、もうこれは、政権再編-Ctrl+Alt+Del-やり直し~しかあるまい、もちろん
民意で。ともかく現政権の思惑がいずれの場合にせよ、今できることは、ここで述べた現実を少しでも多くの人に知ってもらい、
グアム移転協定にノーと言っても、日本の安全保障には何の差障りもないことを知ってもらうことが、より良い日本の将来につながっていくだろうと思う。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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ARMY DETACHMENT TO BOLSTER GUAM BUILDUP
Nearly 1,600 soldiers and family to tend missile defense system
HAGÅTÑA, Guam (Marianas Variety, Nov. 24, 2009) - The Marines aren’t the only ones coming to Guam. The draft environmental impact statement indicated that army soldiers and their dependents will also be relocated to Guam. Approximately 630 Army soldiers and 950 of their dependents are expected to arrive by 2015, along with an additional 126 civilian personnel. The army personnel are part of the planned Army Air and Missile Defense Task Force, which is anticipated to occupy about 28 acres of military land. This will entail an investment of about US$242 million set aside by the U.S. Army for funding in fiscal years 2014 and 2015 with which to build the required facilities for the task force. The task force will oversee the operations of three defense missile components comprised of the Terminal High Altitude Area Defense, or THAAD system, a long-range, land-based air defense designed to intercept ballistic missiles in late mid-course or the final stage of flight. The more recognizable patriot missile system targets cruise missiles and any other types of threats that could threaten the THAAD or other civilian and military assets on Guam. The task force will assume responsibility for Surface-Launched Advanced Medium-Range Air-to-Air Missiles, which targets air threats, whether unmanned aerial vehicles or cruise missiles.
U.S. NAVY SCOPES GUAM FOR CARRIER PORT
Polaris Point identified as best site
HAGÅTÑA, Guam (Marianas Variety, Nov. 24, 2009) - The Navy has determined that Polaris Point is an ideal location for building a port capable of hosting visiting aircraft carriers. It is preferred over utilization of the former ship repair facility at Apra Harbor, according to a draft environmental impact statement. [PIR editor’s note: Polaris Point is at the entrance to Apra Harbor, the main commercial port and military reserve on Guam under the jurisdiction of the U.S. Navy.] Increased carrier operations in the Western Pacific and Indian Oceans mean aircraft carriers could visit Guam 63 days a year. With carrier crew capacity of nearly 6,000 men and women, port of call visits pump millions of dollars into the local economy as crew members can spend upwards of $200 to $300 a day on rental cars, hotel rooms, at restaurants and local shops. Kilo Wharf has been used in the past, but as the military realignment progresses, but visits by carriers longer than a week would disrupt existing munitions operations at that wharf necessitating a more suitable location for the nuclear-powered floating airfields which need almost 50 feet of depth to safely come into port.