ヤップ島南西のリーフを、距離・水深ともに広範囲に潜った(下図左下の赤枠の中)。
このあたりは、2年ほどまえから
オニヒトデの姿を見かけるようになっていたが、同時にサンゴも元気に増殖しており、
オニヒトデのアウトブレイクという風にはなかなか進んでいなかった。
潜ったエリアは、ダイブサイト名でいうと
マジック・キングダム、
エンド・オブ・ザ・ウォール、
ギルマン・ウォール、
ヤップ・カバーンズ、そして
サウス・ティップだが、北の
マジック・キングダムではかなりブレイク気味になっており、そこから南へと、
オニヒトデが勢力を伸ばしてきているのが感じられた。
上の写真は
マジック・キングダムだが、とくにリーフ内の水の流出しやすい場所を中心に、帯状にかなりやられた場所がある。いちばんサンゴの被害の大きい水深は10mから15mくらい。浅い場所でも
オニヒトデが折り重なってサンゴに食らいついているのだが、
サンゴの増殖もそれに負けていないのかもしれない。
まだこんなにうっとりするような、生き生きとしたテーブル・サンゴ場が楽しめる場所もたくさんある。
スロープに根が点在する
マジック・キングダムを南に下がると、だんだん急傾斜になり、やがて
エンド・オブ・ザ・ウォールを経て、ドロップ・オフの
ギルマン・ウォールになる。ここら一帯も、サンゴ状況の良い場所と
オニヒトデが広がった場所がまだらに出現する。まだサンゴを完全に食いきれるほどではない感じ。うっかり写真を撮り損ねたのだが、
エンド・オブ・ザ・ウォールの見事な
コモンシコロサンゴ(
Pavona clavus)が、4割がたやられていたのはショックだった。
興味深かったのは、
ヤップ・カバーンズの水深30mオーバーのスロープで、折り重なるようにして乏しいエサ(サンゴ)をあさっている
オニヒトデたち。このポイントは水深20m以浅で壁がえぐれて箱庭的になっており、その中に生息するサンゴや棚上のサンゴの間に、ヒトデやその食害はまだ見られない。深場を食い詰めた
オニヒトデは、これから食い上ってくるのだろうか?
サウス・ティップ棚状のサンゴには、ほぼ食害は見られず、見事なサンゴ場となっている。
オニヒトデに対するわたしの見解は、過去にもたくさん書いてきたけれど、
〇
オニヒトデはいま...
http://suyap.exblog.jp/6939744/
〇
ハマサンゴを食べるオニヒトデ
http://suyap.exblog.jp/5734531/
〇
オニヒトデ対策
http://suyap.exblog.jp/4164089/
わたしは、
無計画で中途半端なオニヒトデ退治(間引き)が、かえってオニヒトデをだらだらと繁殖させるという考えに賛成だから、基本的には海の中でヒトデを見ても何もしない。ある場所で
オニヒトデを間引いても海流にのってすぐに他水域から流れ着くし、
オニヒトデは危害を加えられたときに反射的に放精・放卵するというし、成長の速いサンゴが増えすぎると成長の遅い造礁サンゴの発達が阻害されるので、サンゴの種のバランスをとるために、ある程度の
オニヒトデは必要な存在なのだ...etc.と、理由はたくさん挙げられる。サンゴ礁が回復不能なほど
オニヒトデにやられてしまうのは、ヒトデに問題があるのではなく、必ず人為的な土地や海のいじくりや排水が原因なのだ。
とはいっても、ヤップを代表するダイビング場所にひとつでもある南西のリーフの
オニヒトデ状況が心配になってきたので、このブログでも、新たに
ヤップのオニヒトデというカテゴリーを設けてオニヒトデ・ウォッチの記録を集めておくことにした。よかったら過去記事を参照してください。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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