数日前の新月の大潮の前日、スノーケリング中に海面に漂うウミショウブ(Enhalus acoroides)の雄花を大量に見かけたので、翌日(8月20日)の大潮当日、スノーケリング・ツアーのランチ休憩に、
ウミショウブが生えている入り江へ行ってみた。
前日ほどではないけれど、ポツリ、ポツリと雄花が浮き始めたではないか。な~んだ、1日だけ一斉に開花するんじゃなくて、早まったり、出遅れたりするヤツもいるんだね(笑)。
早速マスクとスノーケルをつけ、腹を砂泥でこすりながら這うようにして
ウミショウブ場へ行ってみると、
いたいた!これが
ウミショウブの雌花です!
まわりを見回すと、2枚の包葉を開いた様々なステージの雌花が、あちこちで見つかった。時間帯は最干潮の直前で、雌花は水面下10から15センチくらいに没していた。包葉に包まれた3枚の花弁をこれから開こうとしているようにも見えるけれど、きょうの潮の下げ具合で、果たしてこの花たちが水面に出られるのだろうか?
ウミショウブの受粉は、花粉だけではなく、雄花が雌花に到達するという形式を取るのだそうだ。たとえば、
カボチャの雄花が柄で切れて雌花まで移動するような形。それを想像するとオモシロイよね。
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ウミショウブ:花のつくり・受粉
http://www.irumutiian.biz/seagrass/Enhalus.html
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ウミショウブ雄花写真
http://www.irumutiian.biz/seagrass/Photoexhibition.html
水面に出て3枚の花弁を開いた雌花に、それより少し早めに浮き上がった雄花が水面を漂ってたどりつくという仕組みらしい。
水中で開きかけの雌花のまわりには、実のようなものもたくさん見かけた。それらは前回や前々回のの大潮のときに受粉した雌花が実をつけたものだろう。ということは、6月から8月の一番潮の引く時間帯に、けっこう個体によるペース、あるいは感(笑)で、開花しているってことかしら?ということは、出遅れたり早まったものには受粉のチャンスが減るというわけで、自然界もなかなか厳しいものだ。
それにしても、
雄花が見当たらないなあ!
あちこち腹ばいで移動しながら探し回ったあげく、やっと、開いた2枚の抱葉の中から、気泡とともにポツリ、ポツリと浮き上がっている雄花を見つけたら...
カメラのバッテリーが切れた!(涙)。というわけなので、雄花の様子は、こちらのサイトでどうぞ:
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沖縄植物図鑑 ウミショウブ
http://qjy.web.infoseek.co.jp/okinawaplants/tochikagamika/umishobu.htm
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神秘のウミショウブ(-1 雄花が走る)
http://qjy5.hp.infoseek.co.jp/2006-itsudemo/0710/umishoubu1.htm
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神秘のウミショウブ(-2 雌花が待ち構える)
http://qjy5.hp.infoseek.co.jp/2006-itsudemo/0710/umishoubu2.htm
来年こそ、ちゃんと時間をとって、
ウミショウブの開花・受粉のドラマを完全に観察したいものだ...
ウミショウブはヤップ語で
レム(Leem)と呼ばれ、かつては、その葉の両端に走る太い繊維から魚網を作ったそうだ。それらは親子何代にも使えるほどの丈夫さだったといわれており、その利用も、一株の
ウミショウブから収穫する葉は1枚ずつとか作法があって、資源を大事に使っていたという。
ヤップの海岸線を取りまく広大な藻場は、サンゴ場に比べてつい粗雑に歩いたりしてしまいがちだが、自然から与えられる限られた資源をひとつひとつ大切に生きた先人の知恵を忘れないようにしなければと、あらためて思った。
<関連記事>
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ウミショウブの開花!
http://suyap.exblog.jp/7271311
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まったりのスノーケリング
http://suyap.exblog.jp/8834504/
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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