すでに述べたように、「新型」インフルエンザ・パニックのせいで、ミクロネシア方面の旅行も低調になっていますが、さすがシンキロウ先生肝いり、今年も
9207万円の政府助成金と912万円の参加者負担金=億の金が動く事業となった
ミクロネシア諸島自然体験‐2008年少年少女自然体験交流です。中止なんてとんでもない、
もうすぐ選挙だし(笑)。
ヤップから10人の子供と2人の大人が日本に呼ばれた見返りに、16人の日本の子供と、7人の大人(旅行会社添乗員、ディレクター、コーディネーター、通訳、看護士、チームリーダー2人)がやってきました。去年より1チーム8人の子供とチームリーダー1人の数が減っていますが、動く金は去年より増えている...この不思議さについては、次回の記事で触れることにします。
さて、コーディネーターと旅行会社の担当者は1週間も前にヤップ入りしているのですが、いったい何をやってたんでしょう、芸が無いですねえ、スケジュールもメニューも今までとほぼ同じ。お陰様で、わたしのおっかけは楽ですけど(笑)。
ホテルで午前8時の朝食のあと、予定では、コロニアのコミュニティー・センターで、午前10時からオープニング・セレモニーということでした。日本に行かせてもらった見返りに、日本の子供の接待役で狩りだされたヤップの子供たちは、すでに午前9時半にはコミュニティー・センターに集まっていました。ところが、日本側のご一行がホテルを出たのは午前10時でした。
こういう遅れ方も、去年と全く同じです。
宿泊しているホテルからコミュニティ・センターまで、大人の足でゆっくり歩いて12分くらいです。しかし、日も高くなったこの時間帯に、アスファルトの舗装道路を歩いている人なんて、ヤップじゃまずいませんので、このウォーキングは、毎年、異様に目立っています。
今年も、プログラムに載せた
「ヤップ島内を散策します」というノルマを、なんとしてでも
てっとりばやく消化しなけりゃいけないのでしょう。だったら、もっと涼しい石畳の道を歩けば良いのに。しかし、ひとつ去年より改善したことがあります。それは、ちゃんと左側通行してたこと。でもねえ、道に広がったり、前後が途切れたり、みなさん、かなり自由に歩いておられました。
ま、いまの日本のガッコウ現場から見りゃ、これくらいでも上出来なのでしょうか?
ところで午前9時半にはコミュニティ・センターに集合していたヤップの子供たちが、10時ちょっと前に、州青少年課のピックアップ・トラックで急遽ホテルまで搬送されていきました。日本の子供たちのウォーキングに付き合うためです。ご苦労様なことでした。
それでもって、この建物がコミュニティ・センターと呼ばれている多目的イベント会場です。2千人くらいは収容できる場所なのですけど...。セレモニーやってる最中なのに、いったい人はどこにいるの?上は海から見たところ、下は陸の道路側から見たところですが、↑赤い矢印↓の先になにやら座り込んでいる人影が...見えるでしょうか?
それで、セレモニー観察のために送り込んだ現地スパイの情報(笑)によると、今年スピーチしたのは、伝統リーダー会議からひとり、歴史保存局からひとり、ヤップ観光局からふたり、青少年課からひとり、だったそうです。いずれも各職場のボスではなく、スタッフでした。
そのうち観光局からのひとりと、青少年課のひとりは、JICAシニアで来ている大型観光開発しか頭になさそうな日本人(観光局)と、JOCV青年海外協力隊(青少年課)でした。しかも驚いたことに、なんと彼らは
日本語だけでスピーチしたのだそうです!だからスパイも、
あの人たちが何をしゃべったのかわからな~い、と言ってました。
お断りしておきますが、
スピーチを聞いていたのは、ヤップと日本の子供たち、それにヤップ州関係者です。両国の子供たちは、(たぶん日本側の要請により)ヤップ側に作らせたヤシの葉で編んだゴザに座っていました。ヤップ州関係者の英語のスピーチのときには、同行の通訳が日本語に訳していましたが、
JICAシニアやJOCVが日本語でスピーチしたときには、通訳はそれを英語に訳さなかったそうです。
だいたいヤップの子供や大人もたくさん混じった中で、平気で日本語だけのスピーチをするという神経がわたしには理解できないのですが、JICAやJOCVを含めて日本側関係者は、はなから
ヤップの子供たちやヤップ側関係者を、このプロジェクトの対象として考えていないってことでしょう。
少年少女自然体験交流なんて名打ってても、
彼らの頭には日本のことしかないということが、こんなところからも丸見えですし、それはヤップ側関係者にしっかりと伝わっています。
まあ、そんな
しょぼいセレモニーのあと、ご一行さまは例年どおり、青少年課の用意したランチを食べたわけですが、今年は人数も少ないせいでしょうか、日本の子供たちは、みんな建物の中で食べてました。ほぼ1時間半、シーンと部屋の中にこもりっきり。
その間、小さな空間に閉じ込められるのが大の苦手なヤップの子供たちは、三々五々、みんな外に出てきて、好きなところでランチを食べていました。
右の写真の子もヤップ人ですけど、手に持ってるのは、発砲スチロール製の使い捨て容器に入ったランチとヤシの実です。
ああ、また大量のゴミが出ますなあ...、このゴミは誰が捨てに行くのでしょう?
そんなことを考えながら見ておりますと、突如、日本の子供たちが室内からワラワラと出てきて、みんないっせいに海に向かってやってきました。
それで、日本の子供たちが海に向かって何をおっぱじめたかというと...
みんな一斉に、飲み残したヤシの実のジュースを、ドボドボと海に捨てていたのです!
ちょっと、ちょっと、ちょ~っとお~~~!
いや、子供だけじゃありません。この方は少し歳がいってそうですけど、ドボドボドボ~、あっちでも、こっちでも、子供も、大人も、ドボドボドボ~!
ちなみにヤップでは、ヤシの実は、日本で誰かのおうちにお邪魔してふるまわれるお茶のような役割を持ちます。それに、ジュースも果肉も殻も丸ごと役に立つヤシの実は、伝統的にたいへん貴重な食料です。
それなのに、ああ、それなのに... この状況を日本の方にわかりやすくいうと、誰かの家にお邪魔して出されたお茶を、その家の人の目の前で、バシャッと庭に投げ捨てるようなものです。飲みきれないなら、あとで飲めるように栓をしてもらって(口を開けるときに切り落とした部分で簡単に作れます)、ペットボトル代わりに持ち歩けば良いのです。それでも飲みきれなければ、くれた人の見ていないところで、そおっと捨てましょう。
このブログを長いことお読みいただいている読者の方々にはおなじみの風景でしょうけど、ヤップ州青少年課は、うちの桟橋の目の前にあります。わたしは、これらの写真を、
自分のボートの上から撮っていたわけです。わたしに目撃されるのがイヤなら、わざわざコミュニティ・センターでセレモニーやったり、青少年課でランチ食べなきゃ良いのです(笑)。
あまりにも驚いたので、コンパクト・デジカメでバシャバシャ写真を撮っていたら、日本人コーディネーターが、なにやら青少年課長に耳打ちしているのが見えました。そうしたら、青少年課長はうちの桟橋に吹っ飛んできて、わたしからカメラをもぎ取ろうという実力行使に出たので、わたしは海に飛びこみました。もちろん服着たままですけど、そんなのすぐ乾くから、どーっちゅうことありません(笑)。
過去8年間にわたり、
ときにはオリに入れられながらも頑張ったお陰で、かなりのヤップ人が、この団体のイカガワシサに気づいています。この青少年課長のように、この団体の窓口となり、ヤップ州側の協力者に支払われるべき金の授受まで代行していると(これは本来、ヤップ州では違法行為、あらゆる州政府機関は、州会計課を通さずに金銭の授受はできないことになっています)、
奴が大金をネコババしとると思われても仕方ありません。まあ、そう思われても仕方のないような経歴を持つオッサンでもあるんですけど。
それだもんだから、彼はわたしのやってることが憎くて仕方がないのでしょう。そこでイミジクモ言い放ちました:
You've been bothering my project. I can beat you up, I will finish you. Fa** You!
オメエがオレの仕事の邪魔してんだ、ぶん殴ったるぞ、シメたるぞ、ファッ〇・ユー!
それに対して、わたしの答えは、
あたいのボートに触ってみな、ケーサツ呼ぶぞ、ホレ、触れるもんなら来てみろよ、ドッボーン(笑)。それで、大声で叫んだわけです、
このオッサンがあたいを犯すって言ってるよ、ファッ〇ユーって言ってるよ!ってね。あっはっは、今年も華々しい展開になったもんです。子供たちの前で、州青少年課長がファッ〇ユーとのたまったのですから。まあ、その程度のオツムの人なんですが。
たまたま今回は泳げるカメラを携行していたもんで(だから飛び込んだのですけど)、お陰さまでこうして無事に写真をお届けできるわけです。さすがオリンパスのμシリーズ、たいしたもんです(色画素には不服がありますけど)^^
まあ、きょうのブログ・ネタは十分すぎるほど集まったし金曜日だし(笑)、昼間の騒動をサカナに友人とバドワイザーで盛り上がって、9時過ぎに家路についたとき、真っ暗な道をやってくる団体さんに目を疑いました。
これは今回から始めた新しい活動でしょうか、
夜の散策? ヤップ側の同行者はおらず、日本人だけで歩いていました。
あの昼間の騒動のあと、子供たちは州議会を見学してから、カダイ村の海岸に泳ぎに行っています。あいにく午後は曇り勝ちで、ときおり小雨もパラつくお天気でした。こんな日に海に入るのは寒いだろうなと思っていたのですが、
まさか昼間に発散できなかったエネルギーを、夜こんな時間に歩かせて消耗させ、子供らを早く寝せるって魂胆か?いやいや、そんなこと考えるアタマはないだろーなあ...?それにしても、懐中電灯を振り回して夜の道を行く集団は、とても異様でありました。
さて本日の総括をしておきますと、まず、今年はヤップ州側の関与がかな~り軽いってことを感じました。オープニング・セレモニーに出てきた数少ない州職員はみなスタッフ・クラスで、正副州知事も、青少年課が所属する市民部長すら、来ていませんでした。それに、あれだけの騒ぎをしたら、昔はすぐにオマワリが出てきたものですが、まったくその気配もなし、わたしは好きに泳がせてもらってます(笑)。まあ、その分、青少年課長がじれて、直々のファッ〇ユーになったんでしょうけど。
ヤップ州政府は、月曜から金曜まで希望者にメルマガ・ニュースを配信しています。州政府、州議会、連邦政府・議会の決定や、州内や連邦内のイベントをよりすぐって、かなり長い文章が毎日届くのですが、本日配信されたニュースにも、この日本からのお子様団体のことは一切触れていませんでした。まあ、この団体のことが島ではまったくニュースにならないのは毎年のことです。
それにしても、ヤップ州のこの団体に対するピリピリ感が今年はとくに少ないように感じるのは、ミクロネシア連邦やヤップ州内の政府高官には、日本の政権交代=森喜朗のパワーのかげりが、すでに現実のものとして見えているからなのでしょう。どこの世界でも、金の切れ目が縁の切れ目ですから(笑)。
それと対称的なのが、JICAやJOCVで来ている日本人の一部の、異様な舞い上がりかた(笑)。親方日の丸で日本人の日本人による日本人のためのヤップしか見ようとせず、世界におかれた日本の現実がまったく理解できてないってのは、かなり恥ずかしいことなんですがねえ。
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過去記事もご参照ください:
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いきなり、ぶっちまけ
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ミクロネシア諸島自然体験‐2006年少年少女自然体験交流-その壱
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ミクロネシア諸島自然体験‐2006年少年少女自然体験交流-その弐-(財)モラロジー研究所との絡みは何だ?
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ミクロネシア諸島自然体験‐2006年少年少女自然体験交流-その五-やっぱり・・・
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ミクロネシア諸島自然体験‐2007年少年少女自然体験交流-その壱
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ミクロネシア諸島自然体験‐2008年少年少女自然体験交流-幕開け
http://suyap.exblog.jp/7354074/
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ミクロネシア諸島自然体験‐2008年少年少女自然体験交流-島内散策
http://suyap.exblog.jp/7354154/
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ミクロネシア諸島自然体験‐2008年少年少女自然体験交流-異文化交流
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ミクロネシア諸島自然体験‐2008年少年少女自然体験交流-現地州政府はツアー・オペレーターか?
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ミクロネシア諸島自然体験‐2008年少年少女自然体験交流-ヤップでの(推定)支出額
http://suyap.exblog.jp/7357817/
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新型インフルエンザもなんのその、今年もやってきたミクロネシア諸島自然体験‐2009年少年少女自然体験交流
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最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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