6月7月は、いろんなフルーツが熟れる季節だ。マンゴーしかり、パイナップルしかり、そして近所のマウンテン・アップルの大きな木にも、たくさん実がぶら下がっている。
マウンテン・アップルあるいは
マレーフトモモともいわれるフトモモ科のこの植物(
Syzygium malaccense)は、その名が示すとおりマレーシア原産で、樹高15mにもなる常緑樹だ。そんなに数は多くないけれど、ヤップにもちらりほらりと植わってて、昔に子供だった人々は、どこに
マウンテン・アップルがあるか、みんなよく知っている(笑)。
マウンテン・アップルはヤップ語で
アラファス ニ ンガプチャイ(qarfaath ni ngabchay)と呼ばれるが、それは「白人(ヨーロッパ人)のリンゴ」という意味だ。このことから察するに、
マウンテン・アップルはヨーロッパ人によって初めてヤップにもたらされたのかもしれない。あるいは、もともとヤップにもあったけど、ヨーロッパから来た白人らが好んで食べたり、どんどん植えさせたからかもしれない。
花が終わると、木の状態にもよるが、大きいのはニワトリの卵くらいにもなる洋ナシ型の実が、こうして枝の先からたわわにぶら下がる。はじめ黄緑色をしていた実は、だんだん白っぽくなっていき、熟れてくるとうっすらと甘い香りを発するようになる。
そうなると、こうして→、アリさんたちも寄ってくる。下膨れの下の部分にはがくの名残があって開いており、虫さんたちは、そこから出たり入ったりしているみたい。中のほうでは果肉に囲まれて小さな種子が育っている。
白色になった実にまだら状の赤がまじってくると、酸味がほとんど抜けて食べごろになる。この状態まで熟れた実は雨風にあたると落ちやすいので、早めに収穫したほうが良い...という心配をしなくても、誰か彼かが、熟れるはしから(とくに下のほうの採りやすいところから)、おやつがわりに採っていくので、実がいつまでも木に残っていることはあまりないけれど(笑)。
それでもなんとか実をゲットして、居残りのムシさんがいないかチェックしてから、ガブリと皮ごとかぶりつくと、中身はこんな→感じ。
果肉はサクサクっとしてて、リンゴの果肉を3倍くらい大雑把にした感じ。けっこうジューシーなんだけど、香りも味もリンゴとは似て非なるもの。う~ん、なんと表現すればいいのか... そう鄙びた懐かしい味?
やっぱり、
マウンテン・アップルは野山にあって、遊び疲れた子供たちが、おやつ代わりに採って食べる、というのがいちばん似合うような気がする。こんなのに出会えた旅人は、それこそ
ラッキー!と思って、味わってみてください。
ヤップでも、たぶん樹皮や葉は薬草としていろいろな用途に使われていると思う。たとえば、子供が高熱を出したときは、葉を入れた湯を沸かし、たらいに入れて子供を入浴させる。その湯気を呼吸するのも効くのだそうだ。インフルエンザの高熱にも効くかもしれないね。
<参考>
マウンテン・アップル
http://www1.plala.or.jp/maui/fruits/m-apple.htm
熱帯果樹写真館:マレーフトモモ、マレーローズアップル
http://www.geocities.co.jp/nettaikaju/malayroseapple.html
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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