ヤップの友達んちでちょろっとビールを飲んで、ほんのり良い気分で家に帰り着いたら、大家さんちのワンコ(まだ8ヶ月のオス)が、誰かが捨て置いたコプラ(ココヤシの完熟した実)にしゃぶりついていた。
な~んだ、suyapか。
今夜もずいぶん遅いお帰りだねえ。それにまたご機嫌そうじゃん。家んなかでクサナギくんやらないように、気をつけな!
suyapんちの前は、いつも適度に散らかってて、オイラ、とっても居心地が良いんだよね。
せっかくご機嫌でコプラをしゃぶってんだから、邪魔しないでくれよ。
フガフガ、ムシャムシャ
ヤップのワンコたちは、ほとんど放し飼いである。数年前にいちおう法律ができて、首に赤い紐を巻いてないワンコで悪さするのは、警察署長か地区のチーフが認めたら「安楽な方法で」処分しても良いことになったが、
法律が施行された直後には、勘違いしたオマワリがパトカーで通りすがりざまワンコを射殺したり(しかも2匹でじゃれていたワンコうち、運悪く弾が当たったのは首輪をしていたほうで、もちろんそのイヌのオーナーは激怒)、酔っぱらったオマワリが日頃から折り合いの悪かった家のワンコを撃ち殺したり、いろんな「事件」が発生した。
それからしばらくは、赤いボロ切れを引きちぎって作った即席の首輪を巻いてるワンコが増えたけれど、またいつの間にか、首輪をしたワンコを見つけるほうが難しくなってしまった。もうオマワリさんもワンコ撃ち遊びから脱却したようだし...(笑)。
ヤップでは、どの家でももともとワンコはただの「居候」、なんの役割を与えられるわけでもなく、細々と遠慮がちに、ただし鎖で繋がれることもなく、かなり自由気ままに生きている。
ネコはネズミを取る役割があるし、ニワトリやブタさんはとても大事にされるけど、最終的には食用だ。しかしヤップではイヌを食べる習慣がないので、ワンコだけが純然たるペット-というか、居たければ居ても良いけど、他の動物をいじめると一緒に暮らす資格を失うよ-という感じで飼われているわけだ。
えっ、何かオイラのこと、しゃべってるの?
ヤップのワンコの多くは、餌として何かを特別に用意してもらうことはない。誰かニンゲンが食事を始めると、あちこちからワンコが集まってきて、尻尾を振りながらおとなしく辛抱づよく、おこぼれを待っている。食べているニンゲンのほうでも、まだ少し身が残ってる魚の骨とかを投げ与えながら、適当にワンコと食事を
シェアすることを楽しむわけ。もちろんワンコもそれだけではお腹がいっぱいにはならないから、あとは自由に野山を駆け回って、自分自身でも食料調達して生きている。
くんくん、となりのオバサンがやってくるぞ。彼女、まだ仔犬がいるけど、またそろそろ時期じゃないかな?オイラも相手してくれるかな?チェックしに行ってみよっと。
大家さんちのワンコは、やおらコプラを放り出し、おっぱいをだらりとたれ下げた隣のメスイヌのほうに駆けよった...のだけど、なぜだかちょっと立ち止まり、躊躇してる模様(笑)
ダメダメ、suyapはついて来ないでよっ、ここから先は写真も禁止!
てな具合に、なんとも自由に生きてるヤップのワンコたちなのであった。たとえ栄養失調気味であっても、伝染病もらっちゃっても、それによって短命なヤツが多くても、どっかの国のお座敷犬や鎖犬よりも、よほどワンコらしくて充実した犬生を送ってるように見えるなあ。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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