ボートの船底掃除から帰ってきたPが、桟橋でナイフを研いでいた。それにしてもずいぶんデカイ砥石だなあと何気に注意してみると... あれっ、この砥石、見覚えがあるぞ!
わたし:P、この砥石、どこで手に入れたの?
P:ああ、船底掃除に行ったT島の海の中にたくさん落ちてるさ。
ひゃ~、やっぱり...
これは砥石じゃなくて、19世紀の末から20世紀初めごろにヤップに持ち込まれた、由緒正しいドイツのレンガなのだ。左の写真は、現ヤップ州庁。建物が乗っかってる土台はこのレンガで築かれている。
Pが海中でレンガを拾った場所である小島(T島)にも、そのころの建物の廃墟がある。太平洋戦争中の爆撃で破壊されたその建物のドイツ製レンガ(ジャーマン・ブリックス)は、今ではヤップのあちこちで竈用に重宝されたり、このように砥石になったりしているだろう。現在は無人島のその島へピクニックに行くローカル・ファミリーも多いので、そういった折にでも島の廃墟を探検した子供たちが、レンガを海へ投げて遊んでいるのかもしれない。州でちゃんと管理できれば、立派な歴史的遺構として観光場所になるのに...
ヤップを訪れるドイツ人は、これらのレンガを見て誇らしく思うらしい。なんでもドイツのレンガは吸水率が1%と低く(DIN:ドイツ規格)、水や汚れを受けにくく丈夫だという。
そもそもレンガとは、土(泥)を高温(575度以上)で焼いて化学的変化を起こし全くちがう物質にしたもの。人類がレンガを使うようになって、5000年以上もの歴史があるらしい。時間が経過しても強度の劣化はほとんど無く、時間と共に味わいが出るといわれている。いまどきのセメントのブロックとは、見た目もも強度も比べ物にならないよね。
それを...砥石ですか...(ため息)。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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