日本では値下げブームだそうである。ところがヤップでは物価がどんどん上昇している。たとえば、ツナ缶。
ツナ・ツナ・ツナ
http://suyap.exblog.jp/6810424
この記事を書いたのはたった1年ちょっと前で、当時のツナ缶1個の値段は85セントから95セントだった。それがなんと今では1ドル60セントから1ドル80セントもする。1年でほぼ倍になったわけだ。
これには米ドルの世界的な値下がりと、燃油高騰のおりの輸送料の値上がりが大きく尾を引いているわけで、先行き不安なままの経済を見越して、ヤップのような僻地に値下げの波は及びそうもない。
成田からヤップに戻ってくるコンチネンタル航空BO767は予想以上に混みあっていた。春休みも終わってるのに不思議だなあと思っていたら、なんと、グアムのホテルに3泊4日と航空券込みのパッケージが3万円台どころか、曜日によっては2万円台で出回っているからだという。旅行会社や航空会社の取り分をのぞくと、いったいホテルにいくら支払われるのだろう?それにヤップ-成田間を8万5千円も払って飛んでいるわたしの隣に、距離は3/4にしても、たったの1万程度で飛んでいる人がいるのかと思うと、メチャ気分わるいよなあ。
挙句の果てにグアムの入国審査では長蛇の列、通貨に1時間近くもかかってしまった。作業を遅くしているのは、もちろん
ESTA導入のせいもあるけど、入国書類にちゃんと記入していない日本人の多さも原因らしい。航空会社も係員を置いているが、とてもさばききれる人数ではない。わたしの前後でも若い人たちや、そんなに若くない人たちまで、
査証ってなに?とか、
国籍ってなに?とか、しまいには、
わかんないのはテキトーでいいでしょとかやっていたので、聞き捨てられず手伝ってあげたり... 前のほうでは書類不備でつきもどされてる人が何人も出ている。ちなみに皆さんが手にしておられたのは、
日本語で書かれた入国書式でしたよっ!(怒)。
グアム空港でそういう今どきの日本人を相手に働いている友人によると、彼らにはグアムが外国であるという緊張感が感じられないという。入国審査で要求されるものとか、他所の国に入ることがどういうことなのかとか、それらを初めは知らないにしてもそういうことがらの意味を知ろうっていう心構えすら、感じられないのだと。だから国籍を聞かれても答えられないものが続出する。日本国内のメディア操作された「常識」だけで世界がまわっていると思ってるのだろうか?
待ち時間が長くなると誰でもイライラする。前のほうで指紋や虹彩写真撮られてるのがわかると、
日本じゃこんなことしないのにねーという非難が聞こえた。ご愁傷様、あなたが世間知らずの日本人だから知らないだけで、日本に入国する外国人は、みな同じことを
要求されてますってば(怒)。
こうして安いパッケージで人数を呼び込んでも、グアムには結局ほとんどお金は落ちやしない。ホテルでカップ・ラーメンをすすりながら、タモン湾のホテル街をそぞろ歩き、夜遅くなって人通りのなくなった通りでしゃがみこんでるニホンの若者にギョッとさせられるのが落ち。いい加減でグアムの人たちも気づかないと...。
ところでスーパーの西友が298円の弁当を出すんだそうだ。ゴンベイさんから教えていただいたサイトで
やまけんさんがいたくお怒りだ。
(写真はヤップのローカルフード・ランチ!完全無農薬でミネラル・繊維満点です)
〇
やまけんの出張食い倒れ日記:食べ物の安売りは、世の中を佳くはしない。小売業者のやり方には、憤りを覚える。
http://www.yamaken.org/mt/kuidaore/archives/2009/04/post_1302.html「美味しくて、新鮮で、栄養があって、安全で、、、そういう食べものを、安くちょうだい!」
などというわがままな消費者と、その消費者におもねって、とにかく「消費者がこの価格じゃないと買ってくれないんだから」という理由で、価格を押しつける小売業者。これが続くと、常識はずれの安値にするために、劣悪な材料や、膨大な添加物や、偽装といったことをする業者が現れる。それは、本当は消費者と小売業者自身がつくり出したものなのに、一方的に非難・糾弾され、退場を迫られる。
そして、この国には大手のメーカー数社しか残らない、寡占状態になる、、、この状況が長く続けば、そうなってしまう。おそらく想像力のない人は「それでいいじゃん、何が悪いの?」と言うだろうが、、、
西友の298円弁当、怖くて僕は食えない。イオン、イトーヨーカドー店頭でも、安売りしているモノは買いたくない。僕は生産者・流通業者叩きに荷担したくないからだ。
(文中の色太字はsuyapによる)
しごく、こもっともな説だと思います。
どんな売りモノにもそれが生産される過程でかかったコストがあり、それがどのようなものであるかを想像しながらモノの良し悪しを見比べるのは、購入者の権利のひとつでもある。そして良いものには生産者に継続した生産をさせるに足る利益を含んだコストが支払われて当然である。
わたしは、どうしてこんなものが100円で売れるのだろうと想像し始めると心が痛み疲れるから、日本の
100均なるものが苦手だ。また、グアムやハワイ、あるいは東南アジアの格安ツアーに慣れている人から、どうしてヤップはそんなに高いツアーしかないの?と聞かれるのも困る。航空券にしたって、グアムまで2万台で飛べても、競合路線が飛んでいないそれから先の島々へは3倍以上の値段に跳ね上がるし、物価にしてもグアムから先へは別チャージがかかるし...。
世界で2大政党制だなんて威張ってる国より、いろんな政党がたくさん林立して政権交代が頻繁に行われる国のほうがよほど多様で柔軟性のある民主的な社会なのと同じで、食べ物でも旅行でもその他の業種でも、
大手だけしか生き残れないような商売環境からは、決して良い製品は産まれてこない。それによって結果的に悲惨な目にあうのは、消費者なんだけどなあ。
ひとつ、ひとつのモノを購入するときに、生産者のことを思い浮かべながら、じっくり選べたら良いね。わたしはそんな消費者でありたいし、生産者でもありたい。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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