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ミクロネシアの小さな島・ヤップより

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2009年のヤップデイ-伝統料理編

a0043520_8304823.jpg食べることには目がないわたしのこと、ことしもYINEC(Yap Inter-agency Nutrition Education Council=訳すとヤップ州栄養教育共同会議かな?)が伝統料理の展示試食ブースを開くというので、会場内をあちこち捜したけどなかなか見つからなかった。そのうちポンペイ・バナナの品種を紹介するポスターが置いてある一角を見つけて近寄ってみると、なんとそこがYINECのブースだった。そこでは例年通り、伝統料理のレシピをきれいなカラー印刷にして配布していたが、メニューは5種類載っているのに、実演試食させているのは、なんと3種類だけ!(笑)。ここも資金難で人手が減ったのかなあ...

a0043520_8321621.jpgYINECのブースでは、現在のヤップでも忘れ去られつつある食材の料理法を再現して見せてくれるので毎年楽しみにしているのだが、今年もひとつ、わたしにとっては貴重な食べ物の発見があった。(過去のレシピについては、2007年ヤップデイ続き-女の仕事①2007年ヤップデイ続き-女の仕事②2008年のヤップデイ-食べ物編などをご覧ください。)

a0043520_8333281.jpg右上写真の女性がつきつぶしているのがその食べ物で、ヤップ語ではワチャという木の実だ。

調べてみると、日本ではギランイヌビワFicus variegata var. sycomoides)というクワ科イチジク属の植物で、ガジュマルインドゴムノキと近い親戚のようだ。

ギランイヌビワ10m以上になる常緑高木で、花は灰白色の幹や枝に直接つき、そのまま直径1~2センチくらいの実をつける。

a0043520_8332756.jpgその実は熟すと淡紅色になり食用できる。ヤップのジャングルを歩いていると、ときどきこの実をつけた木を見かけていたし、それが食用になることも聞いてはいたけれど、今まで試したことはなかった。

さて、ワチャレシピの手順はいたって簡単で、
1)まず熟した実を1~2時間水につけてあくを抜き、柔らかくなるまで煮る。

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↑左が煮あがったワチャの実。
2)それを搗き鉢(ヤップ語でドゥビイ)に入れてよく搗き、
3)コプラ(完熟したココヤシの果肉)を削ったものとすり下ろした生うこん(↑写真右)を入れて混ぜ、

a0043520_8365798.jpg4)それを小さなボール状に丸めて、別途に混ぜておいたコプラと下ろしうこんの中で転がしまぶして、出来上がり。
削ったコプラだけでなく、少しココナツ・ミルクを加えても良いかも(その場合は少し柔らかくなるので量を加減すること)。

このように搗きつぶした料理のことをヨギルというので、料理の名前はワチャ 二 ヨギル、ちょっとクセのある味だけど、素朴なおやつとしてなら十分いける。ビタミンもミネラルも繊維もたくさん摂取できそうだし、こういう食のバリエーションを広げることも大切なのだ。

a0043520_838082.jpgもうひとつの素朴な料理紹介は、ブオイInocarpus fagifer,タイヘイヨウグルミ)のココナツ・ミルク煮。

右の写真がそのブオイの実。7~8センチくらいある緑色の実を強火でゴーッと1時間くらい煮ると、茶色くなる。それを蛮刀をエイヤッと振って、硬いからを打ち破ると、中から栗のような味のする実が出てくる。

a0043520_840974.jpgクルミと名がついているけど、実はブオイはマメ科の植物なので、中身もマメのように2つに割れている。それをもう一度ココナツ・ミルクを加えて煮たものだが左の写真。(ブオイ 二 ティップチグ

このブースではやってなかったけれど、こまめな人なら今でも作っている、もうひと手間かけたレシピがブオイにはある。それは、強火で炊いた実を削りおろし、コプラの削ったものと合わせて葉にくるみ、もういちど茹で上げるというもの(ブオイ 二 ユイム)で、ヤップ版チマキのような感じ。

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実演試食していた3つのレシピの最後は、アース・オーブンで蒸し焼きにしたバナナ。アース・オーブンとはヤップ語ではウムと言われ、昔はご馳走料理を大量に作るのに一般的だったようだが、今はまったく廃れている。

a0043520_8443367.jpgそういうわけだから、今回も離島の女性陣がこのレシピを担当していた。その方法は地面に焼いた石を置き、その上に葉っぱでくるんだ食べ物を置いて、蒸し焼きにするというもの。今回はすりおろしたバナナとココナツ・ミルクを合えたものを、バナナの葉にくるんで蒸し焼きしてあった。

去年もアース・オーブンを見るタイミングを合わせるのに苦労したが、今回もはずしまくりで作っている最中は見られなかった。だから詳しい説明は、去年の記事でどうぞ、というわけで、←ことしの写真は料理を取り出したあとの焼け石のみです(笑)。

a0043520_8453753.jpgその側では黙々とココナツ・オイルを作っている人たちがいた。コプラ(完熟したココヤシの実)の果肉を削りおろして少量のココナッツ・ジュースを加えて絞り(これがココナツ・ミルク)、それを煮つめると、ある時点で水と油(ココナツ・オイル)に分かれる。油づくりには手間暇かかるから、どんな油でも貴重品なのです、ホントは。

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上の写真は別の出店で見つけたココナツ・キャンディ。上記のココナツ・ミルクやオイルを作るために絞りとったココナツの果肉部分(カス)、これにヤシ蜜を加えて煮かため、バナナの葉でラッピングしてある。そのバナナの葉をはがすと、きれいに丸まったキャンディが出てくる。常温ですごく長持ちするので、長期の航海にはもってこい、今でいうところの、エナージー・バーかな?

a0043520_8483683.jpg最後にこれも別のブースで見つけたサカナの干物ミクロネシア版。ブダイがきれいに3枚に下ろしてあって、半端じゃない量の塩を使って干してあった。昔は日本の干物や塩サケもかなり塩辛かったけど、冷蔵施設の無かった頃は、塩漬けには長期保存という目的があったので、これくらいの辛さは必要だったのだろう。たぶん、これをちょっぴりオカズにして、大量のイモ(日本だとご飯)を食べて重労働してたから、高血圧の心配はなかったんだろうね。



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by suyap | 2009-03-09 15:07 | ヤップの伝統文化
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