ヤップのあちこちで、こんなポスターを目にするようになった。
THE MOST DANGEROUS SPECIES OF OUR COASTS AND LAGOONS - わたしたちの海(正確には礁湖だけど)や海岸のもっとも危険な生物種
なにやら、新種っぽいサカナやらエビやらヒトデやらクラゲやら...に見えるけど、実はこれ、みな海の中を漂ってたり海岸に流れ着いたりしたゴミ!それぞれについている説明を見ると、そのゴミが環境やまわりの生物に与える悪影響や、自然に還るまでに要する時間が書いてある:
(ポスター上から下へ、左から右へ)
ガロン・プラボトル→400~600年
電池→1000年
コンドーム→30年
炭酸飲料プラボトル→300年~500年
ダンボール箱→25年~50年
紙袋→4週間
ブリキ缶→200~500年
タバコのフィルター→10年
6缶パックのプラ紐→450年
ビンの蓋→300年
ディーゼル油/機械油→量次第
プラ製レジ袋→35~60年
ガラス瓶→1000年
アルミフォイル容器→10年
プラ製食品包装→20~30年
アルミフォイル→5年
紙おむつ→25年
このポスターに載ってるものの中には、ヤップの海岸や海の中でもよく見かけるものもある。どこか遠くの海で投棄されたものもあれば、ヤップの陸から流れ出たもの、海に投げ捨てられたものもある。マンタを見ているゲストに気づかれないように、そおっと水中の空き缶やラーメン袋、ときに紙おむつまで!を拾うのは悲しいことだ...(紙おむつがないと子供が育てられないと考えている若い母親がヤップでも増えている)。
それに海の中では、ほんとうにポスターのような形に見えるから、カメやイルカや他の生物が、ほんとうにこれらのゴミを「エサ」と勘違いして食べてしまい、胃潰瘍や他の重い病気になっている。
しかしローカルの反応といえば、これがイマイチ...。まだみんな、
外から来た便利なもの=良いものという発想から変われない人が多い。
ところでこのポスターの出所は、
SPC(Secretariat of the Pacific Community)という機関。太平洋戦争が終わってすぐ、太平洋の戦勝側植民地宗主国(イギリス、オランダ、フランス、アメリカ)に、オーストラリア、ニュージーランドが加わってできた機関だけど、現在は22の太平洋島嶼諸国/地域がメンバーとなって、主に資源管理や技術などの情報を提供/シェアする機関となっている。
さらに下のほうを読んでみると、なんとまあ、このポスターのオリジナルは、スペインの
Generalitat de Catalunya(カタルーニャ州自治政府)のために作られたものらしい。
海のゴミ問題も、全世界的なのである。
よく考えてみたら、上のゴミを出すものをすべて使わなくても、ヒトは生きていけるのだ。とくにヤップのような島では...。でも、島に来てゴミの多さに嘆き、島の人々を責めるまえに、それらを持ちこみ売っている側と、それらを買う金をばら撒いた側の責任とその構造の否を、問うていただきたい。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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