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ミクロネシアの小さな島・ヤップより

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巣立ち

今朝、桟橋のまわりで雑談してるとき、ふと去年の暮れに生まれたウンメル(ミクロネシアミツスイ)の赤ちゃんのことを思い出して、まだ巣にいるのかなー?とわたしが言ったら、チョメが立ち上がって巣のあるゴムノキの枝に手をかけた。そのとたん、

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2つの小さな塊がすごい勢いで飛び出してきて、くんずほぐれつしながら、海の上を数メートル飛び越え、桟橋の上にクラッシュ・ランディングした。もうひとつの赤黒い塊も、すぐそばを跳ねまわっている。

そう、ウンメルの赤ちゃんが、おそらく生まれてはじめての飛行訓練をしたのだろう。まだそんなに長距離を飛ぶ準備ができていなかったのかもしれない。それをチョメが脅かしたものだから、子鳥は思わず飛び上がり、それを見た母鳥が、海に落ちないように体当たりでサポートしながら、なんとか桟橋の上まで飛ばせたのかも。

着陸後、呆然としている子鳥に向かって、親鳥たちは、こっちよ、こっち。はやく身を隠しなさい。もう一度、頑張って飛んでごらん。と言ってるようだった。しかし、ゴムノキの枝にある巣から桟橋の上までは5mくらいの高低差があるだろう。再び巣に戻ることができるのだろうか?

それでもなんとか岸辺の笹の茂みまでたどり着いて、一休み(写真上)。

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カメラを持って子鳥のすぐ側までやってくるわたしに向かって、お父さん鳥は、目一杯からだを大きく膨らませて、抗議の鳴き声を上げる。

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お母さん鳥は、控えめに、それでもなんとか子鳥に近寄ろうと、忙しく飛びまわり、やっと子鳥のいる笹の茂みに潜り込んで身を隠す。

巣立ち_a0043520_23433278.jpg背中と胸が赤くなってるから、G嬢はオスだろうというが、メスの背中も赤いし、首も頭も黒いので、わたしはメスではないかと思っている。

ピーッ、ピーッ、あたち、どうしたらいいの?マミー、ダディー、はやく助けに来て、ピーッ、ピーッ

親鳥たちも、まわりを飛び回って盛んに何か答えているふうだけど、もちろんわたしにはなに言ってるのかわからない。でも、そのままじゃ危ないよ、はやく茂みに隠れなさい、と言ってるんじゃないかなという気がする。

巣立ち_a0043520_23441931.jpgゴムノキの巣からは、もう1羽の子鳥の鳴き声がする。親鳥たちは、そちらにも注意を払わなければならないので、なかなか忙しい。

疲れた様子で弱々しく鳴いている子鳥を見ながら、よほど捕まえて巣に戻してやろうかと思ったけど、やめておいた。以前、巣から落ちたフルーツ・バットを育てている人がいて、その人が、フルーツ・バットは、一度巣から落ちた子供をニンゲンが戻してやっても、すぐに突き落とす-と聞いたからだ。ニンゲンの臭いがついてしまうからじゃないかーとも言っていた。

巣立ち_a0043520_2345414.jpgしばらく、ピーッ、ピーッと悲しそうに鳴いていた子鳥は、ようやく笹の茂みの奥へと移動を始めた。それをお母さん鳥がなんとなく誘導している。こっちよ、そうそう、もっとこっちへおいで、と言ってるのかな?

お父さん鳥は、相変わらず高い木の枝の上からわたしを睨みつけて鳴いている。ああ、またウンメル親子に迷惑かけてしまったなあ、と反省しながら、その場を離れた。

夕方、ゴムノキの枝にある巣を見上げたら、どうやら2羽とも巣立ってしまったようだった。

どうか無事に成長していってね >> 子鳥たち。
またこの巣に戻って卵を産んでね、もうあまり邪魔しないから >> ウンメル母さん&父さん。


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by suyap | 2009-01-06 22:04 | ヤップの自然・陸
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