一昨日、
3ヶ月ぶりで出航したヤップ州連絡船「ハピルモホル」に続いて、ミクロネシア連邦の連絡船「カロライン・ボヤジャー」が今夕出航した。
この船は日本の援助でミクロネシア連邦政府がもらったもので、したがって連邦政府によって運行されており、ヤップ州にやって来るのは不定期に年数回程度というところか。必要に応じて馳せ参ずるって感じのようだ。
今回はハピルモホルのトラブルによって溜まりに溜まった物資や人々を、ヤップ州の離島に運ぶ手伝いで来たので、ヤップ島を出たあとは主だったヤップ州の島々を経由して、最終的には母港のポンペイまで帰る。だから、希望すればポンペイまで乗船も可能なのだ。しかもデッキ・パッセンジャー(船室ではなく、写真では緑色のホロの下や後部甲板に陣取る人々)なら、どこまで乗っても一律20ドルらしい。もちろん食料は持参だけど、米を持っていけばギャレー(厨房)で炊いてくれるそうだ。おかずは缶詰で大丈夫だし、トビウオが飛び込むこともあるし(笑)。ああ、わたしにも時間さえあったらなあ…(ただし、帰りは片道航空券を購入することになるから、結局たいして安くはならないかもね)。
さあ、いよいよ出航時間がきた。船主に陣取った
兄ちゃんクルーが、フェンダーを吊り下げているが、どうやら守る主体は碇のようだ。右上の写真でご覧いただけるように、カロライン・ボヤジャーのすぐ後ろには、ぎっちんぎっちんで
マイクロ・スピリットが直角に停泊している。桟橋の短いヤップではこんなことはしょっちゅうなのだけど、普通、こんなとにきには、出船はサイド・スライスター(舷側から水流を噴出させて船を真横にスライドさせる仕組み)を目いっぱいきかせてから、おしりを振るなり、前進するなり、するものだけど…
なんか様子が変だなあ…もやい綱があがってもなかなか動かない。
あっ、やっとおしり(船尾)が離れ始めたけど、船首はぜんぜん離れてない…
わ~、船首がどんどんこっちに迫ってくる!フェンダー下げてるクルーは、位置を微妙に変えながら、やはり碇だけを守っている。
オイオイ、岸壁は大丈夫?船首は大丈夫?
ひょえ~~~!これって、船首は完璧に岸壁に(笑)、押し付けられてるんじゃない?いちおう日本のODAで造ってもらった岸壁には、日本郵船の飛鳥が壊した部分を除いて、立派で頑丈なフェンダーがついておりますが…
そうやって船首を岸壁に押し付けながら、おしりを120度振ったところが、←の写真。後ろのマイクロスピリット号がよく見えるでしょ。この後しっかり後進がかかって、カロライン・ボヤジャーは無事に離岸していった。ほっ。
それにしてもなあ…、真横から風を受ける貿易風のシーズンにはこんな芸当はできないだろうに。船首側のサイド・スライスターに問題があったんだろうか…?それに、ハピルモホルが出た後に、どうしてボヤジャーをマイクロスピリットとぎっちんぎっちんの場所に泊めたんだろうか。もう少し離しておけば楽だったろうに。
それでも、こんな芸当を
ネバマイン。ネバマインとちゃっちゃっとやってしまうところが、いかにもミクロネシア的!なんでも規則規制にがんじがらめになってる日本より大らかというか、順応性が高いというか、いや、それでこなしてしまえる技量があるってことで…
隣に立ってたPさんに、
ちょっと早いけど○○島の友人にクリスマス・ギフトのつもりで荷物を送ったんだと言うと、
グッド・アイディアだ、次の連絡船がクリスマス前に出る保障はないからな、と彼は言って、ふたりで笑った。Pさんの息子さんは、おじさんを頼ってポンペイまで行くのだそうだ。3ヶ月にわたって離島から来た親戚縁者で人だらけだった彼の家も、これで静かな暮らしに戻ることだろう。
やれやれ、これでやっとふ~っだよとして見せた彼の深呼吸には、とても実感がこもっていた。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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