きのうやっと晴れたと思ったらまた曇が多くなってきた。それでも幸い日中は雨にはならなかったので、気温28度の水温29度、こんな天気のほうが野外では過ごしやすいのだ。
ダイビングの終わりにボートの下で安全停止しているとき、なんとなく気配を感じてあたりをみまわすと、何か白いものが、
イバラカンザシの穴の入り口で動いていた。
よく見ようと近寄ると、すーっと穴に引っ込んでしまう。遠ざかって見ていると、そーっと出てくる。頭が黒くて口が白い、
なんだなんだなんなんだー、キミ?
イバラカンザシの穴は直径1.5センチくらい。そこに入るのは、たいていギンポやカエルウオの仲間だけれど、うーん、お口が白でボディが黒いやつは...?正体がわからないままだと気持ちが悪いので、遠ざかったり近寄ったり、お互い駆け引きしながら間合いを見ること約5分。
あら、だいぶん慣れてきたのかしら、それともあきらめたのか?ずいぶん大胆に身体を出してくるようになった。それにしても、キミはいったい、誰なのさ?
次の一瞬、ふっと気を抜いて、まわりをチラッと見渡したその隙に...
穴から飛び出したのは、
イナセギンポ(
Plagiotremus laudandus)のキミだった。たいていの図鑑には、
吻部に両目を結ぶ白い線ありと書いてあるけど、ああして穴から口先だけ出してられたら、わからなかったよ。それにしても、ひどい手ぶれ写真だなあ(恥)。
この
イナセギンポは、色合いもサイズも泳ぎ方も一見そっくりな
オウゴンニジギンポ(
Meiacanthus atrodorsalis)に擬態しているといわれている。
オウゴンニジギンポの下あご犬歯に毒腺があるから、擬態によって害敵が寄ってこないようにしてるらしい...(というのは、あくまでニンゲン側の推測でしょうけど)。もっときれいな写真はこちらでどうぞ:
イナセギンポ
オウゴンニジギンポ
クチ白の正体がわかって安心したので、ボートのほうに移動しかけると、今度は目の下で何かがピクピクと動いた。ふと視線を落とすと、
ヒレフリサンカクハゼ(
Fusigobius signipinnis)が、じっとこちらを見ていた。
彼女(彼?)のテリトリーの真上で、ボゴボゴと騒々しい音をたてながらデーンと居座って動かない図々しい物体に、たぶん半ばあきれながら、ため息をついていたのだろう。はいはい、海の先住民のみなさま、たいへんお邪魔しやした。きょうはこれにて、退散いたしやす。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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