現在フィリピンの北方に向かっている
台風14号Hagupit(Tropical Storm 18W)が、まだヤップの北あたりで雲の固まりを増やし始めた数日前から、ぐずついたお天気が続いている。ときおりまとまった雨になるけど、ずーっと雨続きではない。でも、きのうもきょうも、どんより曇り空の一日だ。
そんなヤップのお天気と裏腹に、ずいぶんノーテンキなニュースを目にしてうなってしまった。日本の航空自衛隊が、
地対空ミサイル・パトリオットPAC3の初試射実験をアメリカで行い、成功したという。
(左上写真は、ヤップに残る日本帝国陸軍高射砲)試射は米軍の協力で、約120キロ離れた場所から弾道ミサイルに見立てた模擬ミサイルを発射。空自部隊がレーダーで探知し、約2分後にPAC3を発射すると、約30秒後に上空で模擬ミサイルをとらえ、迎撃に成功した。(共同通信配信 ソースはこちら)
軍事評論家の神浦元彰さん(
2008年10月以降はこちら)によると:
防衛ハンドブック(朝雲新聞社刊)の平成20年度版によると、パトリオットPAC3の速度は2~4㎞/S(秒速)となっている。発射30秒後で目標を迎撃したのなら、この時にPAC3が30秒間飛翔すれば、飛翔した距離は60㎞~120㎞という計算ができる。
ところが防衛ハンドブックではPAC3の射程は20㎞と記載されている。約20㎞しか飛ばないミサイルが、60㎞以上の遠方で命中したというのは明らかに間違い。
なのだそうだ。数学に弱いわたしにはちと難しい計算だけど、ようするに当たるほうが難しい弾らしい。そんなのが東京首都圏にもすでに配備されているわけですよ、
何のために?
(パトリオットPAC3について書いた過去記事)
キノコの傘、核の傘、ニホンの防衛...?
防衛『省』法案-成立すると桶屋が儲かる
ヤップ伝統建築の素材 & そうだったのね、パトリオット(PAC3)
また、田中宇さんも最近の記事「
米ミサイル防衛システムの茶番劇」で、こう指摘する
(右写真は、ヤップに残る日本帝国海軍高角砲)。
(ちょっと長い引用になります):
米はミサイル防衛システムの開発を50年以上続け、ときどき迎撃実験を実施するが、最近の5回の実験のうち、迎撃に成功したのは2回だけだ。しかも実験の多くは、敵方のミサイルが「おとり」を発射しない前提で行われている。加えて、迎撃ミサイルには、敵方のミサイルがいつどこからどのような軌跡で発射されるかというデータを、あらかじめ入力した上で実験を行っている。本物の戦争では、敵のミサイルがいつどこから飛んでくるかわからず、おとり技術も搭載されているはずだから、米軍の迎撃実験は茶番劇である。
~~中略~~
パトリオットは、1970年代に開発され、91年の湾岸戦争で初めて実戦使用され、命中率は97%だと当時のパパブッシュ大統領が豪語した。だがその後、米MITとテルアビブ大学の専門家らが、パトリオット発射時のビデオ映像を解析したところ、ほとんど当たっていないことがわかり、彼らは92年に米議会で「命中率は10%以下で、もしかするとゼロかもしれない」と証言した。米議会も、米政府が発表した命中率はウソだと断定する報告書を発表した。
~~中略~~
イラク戦争後、パトリオットは、バグダッドの米軍基地に配備されたが、基地に着陸してくる米英の戦闘機を、敵のミサイルと誤認して迎撃してしまう事故を繰り返している。
~~中略~~
バグダッドの誤射の例から考えて、自衛隊の戦闘機が東京の上空で間違ってパトリオットに迎撃される事故が今後起きるかもしれないが、このリスクも日本国民の「安心感」の対価としては安いと考えられているのかもしれない。日本政府にとっては、北朝鮮のミサイルの脅威より、パトリオットを購入しない場合の米政府の怒りの方が怖い。
米政界の方も、日本は徹頭徹尾の対米従属だから、巨額だが無能なシステムを売りつけても文句は言わないだろうと、馬鹿にしているのだろう。わが祖国ながら、日本はあまりに情けない。米の同盟国の中でも、カナダはすでに2005年に、米のミサイル防衛システムの能力を疑問視し、米との共同開発を断っている。
(左の写真は、ヤップに残る入り口を爆弾で破壊された防空壕)
なんだかわたしも、わが祖国ながら、現在の対米従属日本が心底なさけないですねえ。
そんな金があったら、国内で広がる社会格差の是正に使いなさい!(怒)。
PAC3のいかがわしさを、
イサオプロダクトワールドさんが、わかりやすい図解で説明してくださった:
「自衛隊ミサイル迎撃の茶番劇!」
ところで海上自衛隊イージス護衛艦「あたご」が、高知県沖の領海内で潜望鏡を出して潜航している国籍不明の潜水艦を発見したという。先ほどの
神浦元彰さんをはじめ日本のメディアの多くが潜水艦は中国籍としているところへ、中国政府は中国艦による侵犯ではないとの立場を示しす抗議を行うも、日中両国とも抗議自体を公表しておらず、日本側は引き続き真相究明を急ぐ構え-だそうだ。(
ソースはこちら)。
はてさて、あの「あたご」にどれくらい策敵能力があるのか、わたしには計り知れないのでここでは問わないけど... 何か情報が出てないかと訪れた
海軍海上自衛隊のウエブサイト、そのトップ・ページをみて仰天。これを喜ぶべきなのか、嘆くべきなのか?:
新着情報
2008/09/19 本日のレシピ(海自カレー はつゆき風)を更新しました。
2008/09/12 本日のレシピ(焼ビーフン カレー風味)を更新しました。
2008/09/09 本日のレシピ(鶏もも肉の青じそ炒め)を更新しました。
2008/09/05 本日のレシピ(ビーフカレー)を更新しました。
わたしは軍隊推進派でもなんでもないけれど、なんだか猛烈にわが祖国が心配になり、あわてて英語のページへ飛んでみたら:
Japan Maritime Self Defense Force
ふ~うっ、さすがに英語ページには、お料理ページは載ってなかったよ。
ちゅうことは、いったい、なんやねん?
海軍海自は、日本国民をなめとんかあ~~~(怒)
それにしても、どれもこれもマズそうなレシピだなあ...
(料理の写真が素人なのは確かだけど)。こんな飯でも、食えないよりマシと思って応募する若者が、今後増えないことを祈る。
こんなことじゃ、将来、東京上空で
航空自衛隊のパトリオットPAC3が
陸上自衛隊の輸送機かなにかを撃ち落し、それにあわててた陸上自衛隊が東京湾沿岸にクラスター爆弾をぶちまけ、そんな折にも海上自衛隊は黙々と
本日のレシピを更新してるけど危なくて接岸できず...なんて漫画のような悲劇が、ほんとうに起きるかもね。
(右上写真は、ヤップ島の海中に眠る、帝国陸軍守備隊に撃たれた帝国海軍梓特攻隊・銀河の部品)
と、ここへきて...
足摺岬沖の潜水艦はクジラ? 高知県・足摺岬沖で国籍不明の潜水艦が領海侵犯したとされる問題で、防衛省・自衛隊はクジラを潜水艦と見誤った公算が大きいとの見方を固めた。ただクジラと断定できる「証拠」もなく、結論は迷宮入りになりそうだ。防衛省は、中国などの潜水艦に関する情報を収集、米軍にも協力を要請した。その結果、この海域に潜水艦がいた可能性はほとんどなく、クジラのヒレなどを誤認したのではないかとの判断に傾いた。(ロイター2008年09月21日07:51 JST)
はあ...やっぱり、あの「あたご」ですから...(脱力)
(参考)
田中宇の国際ニュース解説:米ミサイル防衛システムの茶番劇
日本軍事情報センター最新情報(
2008年10月以降はこちら)
JANJAN 藤島利久:きみは潜水艦を見たか 国家的情報戦略の裏を読む
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