長いことなくなったままだった
ダリペビナウ地区
カダイ村の男の家(ヤップ語で
ファルー)の新築工事が続いている。こういう伝統建築は、専門の工事会社が請け負うのではなく、それぞれの村の男衆が週末などに総出で作業するから、完成にはたいへん長い時間がかかる。この家の建築も、木々を集めたり土台の基礎工事が始まったのは去年の今頃だったのではなかったかなあ…
村の公民館にあたる
ペバイと、男の家
ファルーの大きな違いのひとつは、壁の有無だ。20世紀初頭にドイツがやめさせるまで、男の家は未婚の若者の宿泊施設でもあった。男の子は10代になると、夜は女キョウダイのいる親の家を出て、男の家に集まった。したがって、男の家
ファルーには壁がある。
太平洋戦争でほとんど破壊されるまで、ヤップの伝統家屋はみな
ファルーのような造りだった。いや
ファルーのほうが、男の「家」として、民家のような造りだったといったほうが正確かもしれない。
ここ
カダイ村の新しい
ファルーでも、壁の取り付け作業が始まった。この部分の素材には、たいてい組んだ竹が使われる。
現在、建築現場には、ヤップ語で
ンギューと呼ばれるツタ植物が干してある。この植物は、ヤップの伝統建築では屋根の下正面に使われる。壁材の竹にしても、
ンギューにしても、風通しは良いが雨の吹き込みは防げるという、高温多湿なヤップの気候に適した素材だ。
しかし
ンギューの資源量は年々減っており、さらに4年前の台風で、その調達は非常に困難になった。2年前に完成した
カダイ村の公民館
ペバイの正面屋根の下には、
ンギューではなく、
ニッパヤシ(ヤップ語で
アイン)の葉が使用されている。
十分に乾かした
ンギューは、長い三つ編に編みこまれて出番を待つ。
左の写真は、
アドブウェ村の公民館
ペバイだが、
ンギューの三つ編みはこんな感じ(建物正面の屋根の下)で使われる。
さて
ファルーの壁ができ、正面が
ンギューで飾られると、
カダイいよいよ
ファルーもそろそろ完成だ。もっとも、それにもまだ数ヶ月はかかるだろうけれど。
ヤップの建築は、材料の木々と語らいながら行われるという。何事も、ゆっくりと時間をかけてやったほうが、造られる側も造る側も気持ち良いのだろう。そして、それは建物の寿命や使い心地に反映するに違いない。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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