さて明けて7月26日(土)は、このプロジェクトの目玉である<野外生活体験、異文化交流、家庭訪問>を一気にやっちゃおうというわけで、ご一行(子供24人、大人7人の総勢31人。旅行会社添乗員はホテルに居残り)は、例年のプログラム通り、小学校へ移動しました。今年選ばれたのは、ウェロイ地区のバエル小学校、写真は卒業式前に撮られたもので、きれいなデコレーションがなされていますが、もちろん日本のお子様団体を迎えるためにそんなことなどしていしません。なにしろ
タダで泊めろっていう連中ですからね!
男子と女子に分かれて教室に荷物を置いたあと、隣のオカウ村にあるユース・パークに移動して、なんとな~く時間を過ごしました。なんたって異文化交流しなきゃなんないから、前もって日本に
人質にとられた招待された10人のヤップの子供たちが、空港到着以来、とっかえひっかえ、州青少年課や父兄の車で連れてこられるので、たいくつはしません。
お昼はオカウ村婦人会が担当しました(この費用はいまだに支払われていません)。どぎつい人工着色料で染めたライスやタピオカ餅が、日本の子供たちを歓迎しています。
州青少年課はタダで食事を提供しろと言ってきましたが、青少年課を退職したオカウ村出身の人がいます。彼は在職中に、私が言い続けていることを身を持って体験しているので、
このプロジェクトには用心しろという情報を、村の衆にそれとなく伝えているようです。村役たちが青少年課とかけあった結果、旅行会社添乗員のいる間に請求書を上げれば、食事費用だけ支払う、と言われたそうです。しかしご一行様がヤップを去っても、費用はいまだに支払われておりません。
「食事だけ」という条件付なので、こうしてヤシの葉細工を指導にきたオカウ村のご婦人方の日当も、まったく出ないということです。それでも出てきてくれるのは、善意だけというより、上に言われて仕方なく、という気持ちのほうが大きいようです。そんなオバチャンの気持ちも知らず、日本の子供たちは楽しそうですが。
このあと近くの石畳の道を歩き、村の集会場なども見て、バエル小学校に戻ったご一行様は、アティリウ村婦人会が用意した夕食(この費用もまだ支払われていません)を取り、一日の活動を終了しました。
7月27日は、アドブウェ村婦人会の用意した朝食(これもまだ代金を払っていません)を食べたあとは、「ホーム・ビジット」です。つまり、日本の子供が2人ずつヤップの受け入れ家庭に引き取られ、そこで昼食と夕食を振舞われるのです。受け入れ家庭はバエル小学校の校区から選ばれましたが、
謝礼もなにも出ないと知って不満に思っている人も多いそうです。土産もお礼もなしでドカドカ他人の家に上がりこんで飯食わせろ(それも2食!)という見ず知らずの客人が、どこの世界で歓迎されるでしょうか?今回受け入れた家庭の多くは、子供に罪はないのだから仕方ない...とあきらめているのです。中には日本政府はこのプロジェクトでヤップ州に大金を援助しているから、自分らが子供を受け入れるのはそのお返しだ-と本気で信じている人もいるとのことですが、いったい誰がこんなデマを流しているのでしょうか?
それに日曜日は、
ヤップが誇るオリンピック選手マニエル君の壮行デモンストレーションがコロニアであったのに、こんなの引き受けた家庭は見に行けなかったでしょうね。
子供たちを受け入れた家庭は、その日の夕方6時30分までに、バエル小学校に子供を返すことになっています。それから、このプロジェクト恒例のキャンプ・ファイヤーです。キャンプ・ファイヤー用の薪は、
コミュニティが事前に準備すること、と日本側が作製したプログラムに書いてあります。これらも
無料で提供されています。
ヤップにはキャンプファイヤーの習慣などありません。まして子供が火を焚いて騒ぐなど(それも日没後に)、村の中ではとんでもないご法度です。そこでカッコーの歌などをうたって踊って楽しんでいるのは、ヤップの習慣やヤップ人の気持ちを理解しようとしない日本人だけです。その場に
連れてこられた居合わせたわずかばかりのヤップの子供たちも、もの珍しさから楽しんだでしょうが、大人たちは
なんだかなーと眉をしかめていたようです。その場にいた知り合いのヤップ人に聞いたところ、
Some were enjoyed but some were NOT.という答えでした。相手の環境の中に、一方的に自分らの流儀を持ち込んで騒ぐのが、果たして
異文化交流でしょうか?
翌日の7月28日の朝食もアドブウェ村婦人会が用意しました(代金未払い)。その後、すぐ近くのアドブウェ村公民館(伝統建築)に行き、石畳の道を歩いて男の家(伝統建築)を見学しました。それから、村の道のまわりに落ちているゴミ拾いをしました...とはいっても、
村の中はいつもきれいに掃除されていますから、ほとんど拾うゴミは無かったでしょう。しかし、こんなことを堂々とプログラムに入れちゃうと、いかにも「わたしたちはヤップの村の美化に協力しました、ヤップの村は散らかっているので、きれいにすることを教えてあげました」という美談として日本側に伝わりますね、実際は反対なのに。今年は集めたゴミの処理はどうしたのでしょうか?
以前はこんなこともありましたし...
ゴミ拾いのあと、ご一行はマアプ地区オチョラプ村のビレッジビュー・ホテル前のビーチに移動しました。昼食は近くにあるムーンライズ・カフェだったようです。その後、潮の上がるのを待って、小さなボートで沖合いまで行き、伝統カヌーに体験乗船しました。
このカヌー乗船料も、まだ支払われていません。団体ということと小中学生ということで、通常の5分の1以下の料金にまけてもらったにも関わらず、旅行会社添乗員は、あとで金を送るからと言って帰ったそうです。どうやって、誰に送金するのでしょうか??? もっとも前年までは、州青少年課に言われるまま、TNS(伝統航海術協会)では一切料金を請求しなかったのだそうです。
たとえば日本の博物館か何かに、このプロジェクトで招待されたミクロネシアの子供が連れて行かれた場合、そのツアーを扱っている旅行会社は、日本とミクロネシアの親善のためだから無料で入館させてくれ、と要求するでしょうか?学割・団体料金はもらっても、無料で施設を使うことは絶対にないと思います。とうして、ヤップの人々に対して、それと同じ常識を働かせられないのでしょうか?ヤップやミクロネシアの人々と政府を舐めているのでしょうか?こんなことしてて
異文化交流なんて、ヘソが茶を沸かします。
子供をカヌーまで運ぶために調達された小さなボートの持ち主は、6ガロン(21.6リットル)のガソリンだけを州青少年課からもらったそうです。ボートの使用料は支払われておりません。またホテルのビーチを午後いっぱい占領されたビレッジビュー・ホテルのオーナー(ヤップ人)にも、ビーチ使用料は支払われてはおりません。
そんなことは一切知らず、日本のお子様はカヌー・ライドを楽しまれて、夕方コロニアのホテルに帰還され、ホテルで夕食を召し上がりました。
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