島内観光で
マキ村のカヌー建造現場に行ってきた。石積みの桟橋も整備されて、カヌーへの乗下船も楽にできるようになっている。
きょうはカヌー乗船はなく、建造現場の見学だけだったのだけど、去年から建造を始めたでっかいカヌーが、すでにペイントされていたのには驚いた。ここにきて(お金の下りる期限の関係か)、すごいスピードで作業が進んでいるようだ。
来る8月23日(土)に、このカヌーの進水式をやるという。この日のあたりにヤップに来る予定の人は、進水式のセレモニーが見られます(K先生もラッキー!)
カヌー建造場が
マキ村に移ってから、行くたびに自分のポケデジでもちょこちょこ写真を撮っていたので、このカヌーの建造の様子をちょっと振り返ってみよう。まず下は2月中ごろ↓の様子から。まだそれぞれのパーツを削っているところ。
3月初めのヤップデイが終わってから、作業はどんどん進んでいった。
カヌーの建造風景でも紹介しているけれど、↓は3月末の状態。パーツが組みあがって仮留めされ、チョウナで表面を滑らかにする作業が行われていた。
↓は5月末の段階。3月末からたいして変化がないように見えるが、船べりとアウトリガーの腕木がついている。カヌーの表面はスムーズに削りあがっている。
↓こちらは7月初めの様子。それぞれのパートの合わせ目をパンノキ樹脂でシールしている。
それで7月24日に見たのが、船体のペイントも終わって最後の仕上げ段階というところ。水に浸かってしまうとわかりにくいが、両側の舳先部分が、微妙な角度で水を切りやすくしてあるのがよくわかる。
棟梁の指導で、アウトリガーが腕木に取り付けられていた。クギなど一切使わず、すべてロープだけでくくっていく。
こうして見ると、やはりデカイなあ。アウトリガーのサイズは、カヌーのサイズから自ずと決まってくるのだそうだ。伝統的にちゃんと計算方法があるようだ。
こちらは、アウトリガーの反対側にある「桟敷」。こっちも、やはりデカイなあ... 8月23日の進水式のあと、このカヌーはパラオに向けて処女航海する予定らしい。
長年途絶えていた
ヤップ島様式のでっかいカヌーが、ほんとうに久しぶりに完成しつつあるわけだが、日ごろ見慣れた
ヤップ州離島様式のカヌーとは、やはり
違うなというのがわかる。
まず大きな違いのひとつが、カヌーの舳先についている
プルーと呼ばれる部分だ。このV字の間に星を入れて、カヌーの位置を測ったりするのに使う。下の写真はヤップ州サタワル島で建造されたカヌーで、ヤップ-パラオ間を何度も往復しているシメヨン・ホクレア号だが、
いま建造中のヤップ島式カヌーのプルー(写真下)と比べてみると、確かにヤップのは丈が高く大きいことがわかる。
この他にも、ヤップ式のカヌーは船底のVがきつく(喫水が深く)、離島のは船体が太く丸い感じ、すなわち、ヤップ式のは逆風を切り昇るにも強くスピードが出るが、離島のは荷物や人員の運搬に優れる、などという違いがあるようだ。ただし、これらの違いは、よく気をつけて見てようやく
なるほどという程度で、全体のスタイルや塗装は、ほぼ同じに見える。それぞれの使用目的に応じた工夫と改良を経ながら、1枚帆のシングル・アウトリガー・カヌーは、ミクロネシア全域に広がっている。
まだあまり内情を書けないけれど、ヤップ島と州内の離島をミックスして始まったNPOのTraditional Navigation Societyは、いまでは、なんとなくヤップ島の伝統カヌー術の復興に傾いているようだけど、それはそれで良いことだと思う。TNSの今後の方向性を見守っておくのは、おもしろいかもしれない。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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