新しく発足した駐ミクロネシア連邦日本大使館から、日本国内閣の紋章入りのこんな招待状が届いた。
明日7月18日に、この国の首都
ポンペイでレセプションするから来いという。
投函は7月1日、
ヤップ州出身の初代副大統領・故ペトルス・トゥン氏の切手を使っているのは、ヤップに向けた敬意だろうか(たぶん、たまたまだろうけどね)。送料は
42セントなり。
この招待状は在住日本人だけでなく、おそらくこちらの政府関係者にも送ってると思うけど、これだけをポロリと受け取ると、
何考えとるんだ?と思うよ。だって
ポンペイに行くには、航空券1000ドル以上も払って、一度米領
グアムを通過して飛行機を乗り換えて...だもの。
ヤップからこの国の「首都」に行くのは、日本に行くより時間かかるし高い。
ポンペイと隣あっている
チュークや
コスラエ在住者にしたって、誰が高い飛行機代と宿代を払って、大使着任のレセプションに駆けつけるかっての。全在留邦人に招待状を発送するのは良いとしても、その前に「
ワタクシ、この度ミクロネシア連邦に着任いたしまして...」というような仁義を切るのがフツーじゃないかい?
太平洋の小さな島国は、これまで南太平洋の
フィジー共和国に着任した日本大使が管轄しており、その他の国に大使館はあっても、駐在するのは臨時代理大使であった。「大使」と「臨時代理」では、すさまじい階級社会の日本国外務省内の格付け(+大使館職員の敬意の払い方)は、えらく違うらしい。それが、この世界情勢激変のご時世に、何を血迷ったか、日本政府は北太平洋の中でももっともスローな(笑)、ミクロネシア連邦(FSM)に「大使」を送ることにした。去年からこの国の大統領が
チューク州出身の日系になったこと、その人の名前がたまたま、
ノミの心臓ネズミの脳みそ〇〇〇〇だけがゾウアザラシという噂で有名な元日本国総理大臣シンキロー氏と同じであることを、シンキロー氏のほうが(ODA利権などで)利用しまくっているようなので、そのせいもあるかもしれない。たとえば:
KPress:FSM President Emanuel Mori Meets with Japan’s Top LeadersPresident Mori thanked the Government of Japan for hosting the meetings. He particularly thanked the former Prime Minister of Japan, Honorable Yoshiro Mori who is the President of the Asia Pacific Water Forum.
(下線はsuyap)
この記事は、シンキロー氏がうごめいて立ち上げた日本政府のFSMへの
飴と鞭外交を物語る情報がてんこ盛りだ。暇があったら読み解いてみてください。
ちなみにミクロネシア諸国の日系人の数は、元南洋庁のあった
パラオがやはりダントツで多い。ほとんどの島が母系制のミクロネシアで唯一父系制の
ヤップは、いちばん少ない(
ヤップでは日本人の血を引いていることはプライドたりえない)。在住邦人や日系人がもっとも多く経済成長も高い
パラオを差し置いて、
ポンペイに日本大使を置くことに何の意義があるのか、まったく見えてこない...
まあそれはともかく、わたしがトップに掲げた招待状を受け取ったのは先週の話だが、そのちょっと前に、
ポンペイの日本大使館から、レセプションの時間を変更するというぶっきらぼうな通知を英文で受けた。そのときも
何やってんだ~?と思ったけどね。それが一昨日の朝、今度は大使館の(おそらくフィリピン人)職員から(英語で)、
あなたは〇〇さんに間違いないですか?招待状は届いてますか?という電話を受けた。どうして大使館は
1分間1ドルも払って他州まで長距離電話をかけ、わざわざ招待状受領の確認をするのかと聞いたら、彼女は
新任大使が確認せよと命令したからと、困ったような声。まったく無駄遣いも良いとこだよねー、メイル・アドレスだって届けているのに-とわたし。
実際、今までは、この手の連絡はメイルで、しかも日本人案件は日本語で、受け取っていた。そこでいろいろと考えているうちに思いついたこと-もしかしたらこれは、
レセプション招待状発送にかこつけた在留邦人住所確認ではなかったか? もしそうだとしたら失礼にも程がある。居住確認の方法は他にいくらでもあるし、ちゃんと趣旨を説明するべきだ。プンプン!
なにはともあれ、これをもって離任されるO臨時代理大使さま、ご苦労様でした。ミクロネシア連邦ならびに各州政府関係者からも、その他のローカル民間人からも、もっとも信頼された臨時代理大使でした。ありがとうございました。
それでは
ポンペイで隔週1回発行されている、この国唯一の新聞、
KASELEHLIE PRESSの報道を貼り付けておこう。初代駐ミクロネシア連邦日本大使になるのは、Shoji Satoさんというお方らしい。
天木直人さんのように気概のある方であることを祈ります。
Kolonia, Pohnpei - Mr. Shoji Sato, Ambassador-designate of Japan to the Federated States of Micronesia, arrived in Pohnpei on June 18, 2008.
The arrival of Mr. Sato, Ambassador-designate, is a milestone in the history of the relations between Japan and the FSM because he is the first resident Ambassador of Japan to the FSM since the two governments established diplomatic relations in 1988.
This year is the 20th anniversary of the establishment of diplomatic relations between
(suyap訳)
コロニア-ポンペイ発 ミクロネシア連邦駐在日本大使として指名されたShoji Sato氏が、2008年6月18日ポンペイに到着した。
1988年の日本とミクロネシア連邦の国交樹立以来、初めての駐ミクロネシア連邦大使として着任するSato氏の到着は、両国間の歴史上、記念すべき出来事である。
2国間の外交関係が...
the two countries. Until recently, the Embassy in Pohnpei was under the umbrella of the Embassy in Suva, Fiji. It became an independent and full-fledged Embassy on January 1, 2008.
Prior to being appointed as Ambassador to the FSM, Mr. Sato served as Consul-General in Surabaya, Indonesia. Other previous posts include assignments in Zambia, Pakistan, Australia, and the USA.
The Embassy is pleased that its home government has come to the decision to appoint Mr. Sato as the first resident Ambassador to FSM and is confident that, with this accomplishment, the existing good relationship between the two countries will be further strengthened.
The Embassy extends its appreciation to the Government of the Federated States of Micronesia for supporting the appointment of a resident Japanese Ambassador and wishes to reiterate Japan’s commitment to a close working relationship with FSM Government based on mutual efforts and understanding.
(suyap訳)
...2国間の外交関係が樹立されて、今年で20周年だ。ポンペイの大使館は、最近までフィジー共和国のスバにある大使館の管轄下にあった。それが2008年1月1日をもって、独立した大使館となったのである。
駐ミクロネシア連邦大使として指名を受ける前、Sato氏はインドネシアのスラバヤに領事として着任していた。それ以前の任地には、ザンビア、パキスタン、オーストラリアおよび米国が含まれる。
(ポンペイ日本)大使館は、本国政府が初代駐ミクロネシア連邦大使としてSato氏を任命したことを歓迎し、これによって、いままでの友好的な両国の関係がさらに深まることを確信している。
大使館は、駐在日本大使の指名を支援してくれたミクロネシア連邦政府に感謝し、相互の努力と理解に基づくミクロネシア連邦政府との親密な協力関係へむけた日本の関与が、これからも受け継がれることを願います。
最後のセンテンス:
The Embassy extends its appreciation to the Government of the Federated States of Micronesia for supporting the appointment of a resident Japanese Ambassador and wishes to reiterate Japan’s commitment to a close working relationship with FSM Government based on mutual efforts and understanding.
これが実際にポンペイの日本大使館から出たものであったなら、かなり意味深だと思うのは、わたしだけだろうか...?
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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