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ミクロネシアの小さな島・ヤップより

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わたしも海に連れてって?

わたしも海に連れてって?_a0043520_7292877.jpgきのうの雨降りから一転、穏やかな良い天気になった。きのうヤップの南西で発生した台風200806号フェンシェン(今回は中国名で字のとおり「風神」さまらしい)は、どんどん西のフィリピン方面に向かっている。そのためヤップの天気は急速に回復したようだ。そして夜空には明るいお月様、そういや今夜は満月だったかも。

わたしも海に連れてって?_a0043520_7295675.jpgところで、本日ダイビング・ボートにご乗船された、ちょっと珍しいお客様をご紹介します(笑)。準備を終えていざ出航!忘れ物はないかな?とゲストと自分のダイビング器材をもう一度確認していたら、わたしのレギュレーター・ホースの上に何かゴミが…?

よく見るとチョウチョ?(この時点ではチョウなのかなのかわからなかった)。あとで気になってググッてみたら、ぷてろんワールドさんのサイトにあたり、そこに蝶と蛾の違いという解説があった:
蝶は昼に飛び、蛾は夜に飛ぶ?
蝶は触角の先がこん棒状だが、蛾はくし状、または先がとがっている?
蝶は羽をたたんでとまるが、蛾は広げてとまる?
蝶はきれいだが、蛾はじみ?
蛾は胴体が太い?
蛾は鱗粉が剥げやすい?
前翅と後翅をつなげる方法
以上のようなポイントで(ただしこれらが完璧というわけではないそうだけど)みると、この子はやっぱりチョウさんかな?

わたしも海に連れてって?_a0043520_7302591.jpgもっとも、「」でwikiを見てみると、
ガ(蛾)とは、節足動物門・昆虫綱・チョウ目(鱗翅目、ガ目とも)に分類される昆虫のうち、アゲハチョウ上科、セセリチョウ上科、シャクガモドキ上科を除いた分類群の総称・・・・世界全体で見ると、ガの種類数はチョウの20~30倍ともいわれている。チョウとガに明確な区別はない
ということだ。いや~ブログを書いてると、いろいろ勉強になりますねえ(笑)。

で、この子の身元(種名)をもっと知りたくなって、ちょこっと検索してみたけれど、なんせチョウに限らず昆虫についてのわたしの知識は…ため息。サイズや形から、なんとなくシジミチョウの仲間のような気がするが、まったく自信なし。教えてください、チョウな方…

ボートが動き出してもしばらくじっとしていたこの子は、受ける風が強まると、やがてどこへともなく飛び去って行った。それにしても、レギュレーターのゴム・ホース(正確にはホース・プロテクターだけど)の上で、彼女(彼?)はいったい何をしてたんだろう?防水プロテクタ入りのカメラを最短20センチまで近づけても平気でじっとしているなんて、チョウにしてはちょっと珍しいでしょ。


(追記)
押しかけTBしたにもかかわらず、Capucci-photoさんから、上のチョウはヤマトシジミPseudozizeeria maha)であることを教えていただきました。ありがとうございました!Capucci-photoさんのきれいなチョウチョの写真はこちら:
今年のチョウチョはこのセットで撮るぞ!!
ヤマトシジミなんていう名前から日本固有種のように思っていましたが、英語ではPale Grass Blueといって、アジアからインドにかけて広く分布しているようですね。わたし自身への覚書として以下を追加しておきます:





ヤマトシジミ(学名:Pseudozizeeria maha、シノニム:Zizeeria maha、英名:Pale Grass Blue):
- オス:翅表の色は黒地の中心に明るい水色を吹いたような色合い。
- メス:黒色のみ。
- 翅裏は薄いグレー地に黒い斑紋。
- 幼虫はカタバミOxalis corniculata)類を食草としている。
- 日当たりのよい場所にカタバミさえあればほとんどどこでも発生。
- 成虫は移動力に劣るため、食草の少ない場所ではあまり見られない。
<参考サイト>
ヤマトシジミ
小さな生き物たちの記録:街の蝶・ヤマトシジミ
なんとも可憐な生き物ですねえ... 知れば知るほど可愛くなる。これからは道端のカタバミをよく見てみることにしよう。

カタバミOxalis corniculata):
- 全草は酢漿草(サクショウソウ)という生薬名で、絞り汁は虫さされに効果がある。
(↑ヤップの伝統薬になってるかどうか、今後チェック!)
- 葉は、シュウ酸を含んでいるため酸っぱい。
(↑から「昔の女は鏡をカタバミの葉で磨いた?」)
- 酢漿草紋・片喰紋(かたばみもん)など、家紋になっている。
(↑繁殖力が強く一度根付くと絶やすことが困難である=家運隆盛・子孫繁栄)
<参考サイト>
カタバミ(Oxalls corniculata
カタバミ(Oxalls corniculata
アカカタバミ(Oxalls corniculata f. rubrifolia
ムラサキカタバミ(Oxalls corymbosa
イモカタバミ(Oxalls articulata
オオキバナカタバミ(Oxalls pes-caprae
オキザリス(Oxalls)園芸種
ベニカタバミ(Oxalls brasiliensis
オッタチカタバミ(Oxalls stricta L.
コミヤマカタバミ
いや~、カタバミの仲間はたくさんありますねー。そのうち何種もヤップにありそう... これから楽しみだわ^^


PS: カメラを近づけても逃げなかったのは、羽化直後で飛び立てなかったのかもしれない。でも、どうしてわたしのレギュレーター・ホースで?ボートがかなり走ってからいなくなったのだけど、無事にカタバミのある陸上にたどり着けただろうか...

追記の追記
ここまで書いておいてなんですが、Mr.Radishから、これはヤマトシジミではなく、シルビアシジミだろうというご指摘をいただきました。

シルビアシジミ
わたしも海に連れてって?_a0043520_6261062.jpg後翅の前縁にほぼ垂直に、黒い斑紋が二つ並んでいる(黄緑の楕円で囲んだ中)。
(図解はMr.Radishさん作製)

ヤマトシジミ
わたしも海に連れてって?_a0043520_62741.jpgシルビアシジミにあるような2つの斑紋の右側のものが、翅の外側にずれている(右の写真で大きめの赤い点で示した位置に斑点があるはず)。
(図解はMr.Radishさん作製)

以上のような違いから、
シルビアシジミであると断定するには、前翅の斑紋も調べないといけませんが、後翅の斑紋だけからするとヤマトシジミトは同定しにくいケースです
ということです。また、
ヤマトシジミの幼虫はカタバミを食べて育ちます。まぁ、カタバミを栽培しているヒトは少ないと思いますし、スターフルーツもカタバミの仲間ですが、ヤマトシジミは食べませんから、農業上の害虫ではありません。一方、シルビアシジミはミヤコグサなどのマメ科植物を食べますから、地域・季節・作物によっては、害虫となります
だそうです。チョウの世界も、奥が深いですね。

Mr.Radishさん、ありがとうございました!

(シルビアシジミが出ているサイト)
シルビアシジミ
山歩き、蝶、花の写真:栃木のシルビアシジミの写真(2007年9月中旬)
小さな生き物たちの記録:猪名川河川敷のシルビアシジミ・2006Ⅰ
シルビアシジミ(26) 


最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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by suyap | 2008-06-19 22:25 | ヤップの自然・陸
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