久しぶりに
Laura Marine(ローラマリン)という沈船に潜った。ここは桟橋から5分と近くて良いのだけど、水路の中の凹んだところに沈めてあるので、透明度はあまり期待できない。今回も視界は15mくらいか。
視界が良くない分、小さなものに目がいきやすい。沈船の近くでちょっと変わったウミウシをみつけた。
ダイアナウミウシ(
Chromodoris dianae)の全身をホワイトにして、その太い黒線を何本にも裂いたような感じ?ただいま写真を
Australian Museum Sea Slug Forumに送って返事を待っているところです。そうそう、日本にもいるウミウシなら
小野にぃにぃが詳しいので、TB送らせてもらいました。
さて
Laura Marine、先に「沈めてある」と書いたけど、そう、この船はダイバーのアトラクションにするため、1994年に沈められたのだ。下の写真は舳先(左)と船尾の舵とスクリュー(右)。
Laura Marineは、もともと
ブルーノ・サーカス(今は名前を
The Magic Circus of Samoaに変えているらしい)のものだったという。1980年代後半から、
Bruno Loyaleというアメリカ人(?)が、最初はサーカスの動物や一切合財を船に積み込んで、太平洋の島々を回っていた。初期のころヤップにも来たことがあり、30代以上のヤップ人なら、はたいてい
ブルーノ・サーカスを覚えているだろう。それが、今では荷物はコンテナで運ぶようになったが、彼の船がなぜヤップで生涯を閉じることになったのか、詳しい事情を知らない。
それにしても、この船で、かつてはゾウやおサルさんがサーカスと一緒に太平洋中を旅していたと思うと、なんだか楽しいではないか。そして、かつて大活躍した船が、水中でだんだん朽ちていく姿を見るのは哀愁をさそう。右の写真はブリッジを外から眺めたところ。
ブリッジを内側から見るとこんな感じ。といっても船内には入らないで、小さな隙間から手だけ突っ込んで撮りました。船はかなり老朽化しており、泥が積み重なっているので、むやみに船内に入るのはやめたほうが良い。
沈めてから14年も経つというのに、いまだにハード・コーラルもソフト・コーラルが育たない。ホヤやカイメン類ですら、うっすら表面を覆う程度だ。場所が悪かったのか、それとも塗料やメタルに問題があるのか... 船は水深20mの海底に、右舷を下にして静かに横たわっている。
ほんとうはストレートに沈めるつもりだったのに、バランスを崩して傾いてしまい、船尾を浅いほうに向けて横倒しとなった。
デッキ上の艤装にもかなり腐食が進んでおり、船首のマストも折れてしまった。それでも、沈船は画になりますなあ。あまりサカナはついていないけれど、潮加減によっては大きなものも入っているし、近くの岩場ではウミウシやカメもよく見られるので、ここを基点に、まわりをじっくり潜ると、けっこう面白いダイビングができると思う。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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