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ミクロネシアの小さな島・ヤップより

suyap.exblog.jp

メイド・イン・ヤップ

TBS「世界ふしぎ発見」では、やはりわたしの予想通り、壮大なヤラセ(仕込み、演出というヒトもいますが)をやってたようですね。DVD入手しだい(とはいっても、郵送でヤップに届くまで速くても10日はかかるなあ...)、どこが間違ってるか、やっちゃいけないことしてるか、レポートしますねー!

メイド・イン・ヤップ_a0043520_811351.jpgところで、きょうの話題は、ヤップ製のサカナの燻製(写真右)。ある日、ヤップ人のDさんと話していたら、フィッシャリーズのスモーク・フィッシュを食べてみたか?と聞かれた。えっ、何それ?と知らなかったわたし。

それから、あちこちの店で気にかけて探したけど、ヤップ州漁業公社(Yap Fishing Authority-YFA、通称フィッシャリーズ)謹製のスモーク・フィッシュはなかなか見つからなかった。それに、昨日やっと、お目にかかることができた。

メイド・イン・ヤップ_a0043520_8154236.jpg販売している店によると、なかなか見つからなかった原因は、供給がちゃらんぽらん一定していないからとのこと。ならびに品質にもいい加減さばらつきがあるなあ(笑)。一袋4切れ入って$2.75ナリ。

わたし:だけどさ、こっちの空気が入ったパッケージのも同じ値段なの?

店員:あっ、これね、パッキングがヘタクソねえ。空気をちゃんと抜かなきゃ意味ないじゃん。でもノーディスカウントよ!味は一緒だよ、たぶん(爆)。

この素晴らしいメイド・イン・ヤップ製品を製造しているのは、↓こちらの施設↓でございマス。

メイド・イン・ヤップ_a0043520_8195031.jpg

どんな所だかは、↓こちらの記事で↓だいたいわかるかも(とくに真ん中より後の部分)。
http://suyap.exblog.jp/3864480/
それはともかく、Dさんの言い分は、
日本政府の金で立派な施設をつくって、JICA/OFCFの専門家(日本人)を2人も置いて、それでやってることは、ドラム缶でスモーク・フィッシュを作ってローカル・ストアで売りさばくだけなんて、いったい(専門家+JICA/OFCFは)なに考えてるんだろうか?
ということだった。彼は日本でJICAの研修を受けたこともある、いわばヤップ人の中でもその方面に明るい人のひとりなのだ。





Dさんの話は続く:
フィッシャリーズを作った目的は、ヤップの海産物を国外に売って、外貨を稼ぐためじゃなかったのか?ヤップの人間はみんなサカナを自分で捕りに行けるんだから、ローカル・マーケットを相手にしてペイするわけがない。高い油を使って捕ってきたサカナをローカルの店に卸してチョボチョボ売りさばいて、油代が払えているのだろうか?
だよね~、ごもっとも。それにYFA(フィッシャリーズ)のサカナを置きたがる店もそんなに多くはない。ヤップの人が大好きなのは、マグロやカツオや深海のサカナじゃなくて、目先のリーフで泳いでいるハギやブダイやベラなんだから。

ちなみに、スモーク・フィッシュの作り方は、こちらの記事の真ん中あたりを読んでね:
http://suyap.exblog.jp/5196595/
YFAは現在、余ったサカナがあるとき、3本のドラム缶でせっせと生産に励んでいるそうだ(笑)。

それで、このメイド・イン・ヤップ、ソルド・イン・ヤップのスモーク・フィッシュのお味は...?

やっぱ、自分で作ったほうが、美味しいなあ...。輸出には、まだまだ遠い道のりかも。

♯♯実は1991年頃の一時期、YFAは同じような真空パッケージのドライフィッシュ(当時はそう言っていた)を売り出していた。それにはちゃんとラベルも貼ってあり、サカナのカットも味もしっかりしていて、もちろん空気の入った真空包装ではなかったから、わたは、当時働いていたダイビング・サービスで、日本人ダイバーにけっこうお土産として売りさばいていた。でもヤップの観光客の大半は今も昔も白人だから、彼らには見向きもされなかったけどね。

♯♯問題の本質は、品質管理や味、包装なんかじゃなく、輸送、マーケティング、通関、競争的価格設定...etc. ヤップ産の漁獲物や製品を、国外のマーケットに出すってのは、はっきり言って絶望的なのデス。そんなこと、ちょっと考える人なら初めからわかってたことで、それをわかってて、こんなハコモノをド~ンと造って、次から次へと援助や専門家を送り込む、国際協力機構(JICA)と海外漁業協力財団(OFCF)って、いったい?うっふっふ、臭ってくるでしょう~、ニホンの漁業関連利権の構造が...。だから、派遣されてくる専門家は、マジメな人ほどマジメに悩んで遅々として進まない仕事にイラだつし、マジメじゃない人は、日本向けに格好のつく実績やレポートを適当にでっち上げて(スモーク・フィッシュもそのひとつね)、あとはリゾート気分で遊んでる...。

いまニホンで騒がれている調査捕鯨の仕組みも、だいたい上と同じような構造で成り立っているんだね。この件はカナダde日本語の記事がよくまとまっているので、ぜひ読んでみてください。
調査捕鯨船乗組員による鯨肉横領か、グリーンピースによる盗難か
http://minnie111.blog40.fc2.com/blog-entry-904.html
ヤップやミクロネシアに何の役にも立たない漁業施設がたくさん転がっているのも、南氷洋で世界中のバッシングを受けながら調査捕鯨が続行されているのも、み~んなニホン国民の莫大な血税が使われているわけ。そういう事実に、もっと目を向けて欲しいなあ>>ニホンの納税者の皆さん!


最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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◆◇ヤップの情報はこちらでもどうぞ◇◆
http://www.naturesway.fm/index2.html
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by suyap | 2008-05-17 22:54 | ヤップと恥ずかしいニホン
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