
浅い海の中でひときわ目を引くのが、左の写真のような蛍光ブルーに輝くサンゴたち。たぶんこれは
ハナガサミドリイシ(
Acropora nasuta)だと思うけど、同じ種類のサンゴでも、褐色や黄色になるものもいるのに、この群体がこんなに派手になったのは何の加減なのだろう。ヤップの浅瀬では、最近とくに蛍光ブルーのサンゴが多くなっているような気がしている。なんの根拠もない、あくまで「わたしの感じ」だけど。

こちらも
ツツミドリイシ(
Acropora humilis)か、
オヤユビミドリイシ(
Acropora gemmifera)か、
サンカクミドリイシ(
Acropora cf. monticulosa)か、
コユビミドリイシ(
Acropora digitifera)か、迷うところ。だけど、あちこちの欠けたあとが、まるで蛍光ブルーの軟膏を塗ったようになっている。欠けた理由は、ボートのアンカーだったり、上から物を落とされたり、踏んづけられたり...という人為的なものだと思う。親指の先ほどもあるようなサンゴの先を、ガブリとやるようなサカナがいるとも思えないし...
ところで、欠けたあとが、どうして蛍光ブルーになるのだろう...


接写してみると、ほら、なんだかサンゴが蛍光ブルーの「血」を流して、それが
かさぶたみたいになってるようでしょ。サンゴの
かさぶたはキレイでいいなあ(なんて言ってる場合じゃないかもしれないけれど)。

おそらくボート・アンカーを引きずったあとだろうと思われる、こんなダメージを受けたサンゴもいる。そして、その「傷口」をよく見ると、やはり蛍光ブルーになっているのがわかる。
このタイプのミドリイシは、ダメージを受けると「傷口」に蛍光ブルーの
かさぶたができる-というわたしの仮説(珍説?)を説明してくださる人がおられたらありがたいです。
(追記)
こんな記事が出たようです:
光るサンゴ、蛍光発光は癒しのサイン
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20091105-00000000-natiogeop-int.view-000
11月5日13時58分配信 ナショナルジオグラフィック 公式日本語サイト
傷ついたサンゴは、自らの傷を癒すために色鮮やかに光る“かさぶた”を作るということが、新たな研究で明らかになった。
サンゴは、表面が割れたり傷ついたりしたとき、その傷口をふさぐために“フリーラジカル”と呼ばれる非常に反応性の高い酸素原子を放出する。しかしフリーラジカルの性質は強力すぎるため、本来の目的と違ってサンゴの健康な細胞の一部を破壊してしまうこともある。例えば過酸化水素はサンゴの中に普通に存在するフリーラジカルだが、DNAから各種のタンパク質まで細胞のあらゆる部分を傷つけることがある。
研究を率いた免疫学者キャロライン・パーマー氏によると、傷ついたサンゴが色鮮やかに輝くことは今までにも知られていた。例えば、ハイマツミドリイシ(Acropora millepora)というサンゴについた傷は青くなり、ハマサンゴ属のサンゴは組織に傷がつくと写真の盛り上がった部分のように強烈なピンク色に変化する。
傷ついたサンゴが光る原因を解明するためにパーマー氏の研究チームは、カリブ海から健康な野生のサンゴ7種類の小片を、またオーストラリアのグレートバリアリーフのサンゴ群体から傷ついた組織と健康な組織のサンプルをそれぞれ採取した。そして健康なサンゴと傷ついたサンゴが発する光の強度を分析した結果、強い光を発するサンゴの健康な細胞ほどフリーラジカルに傷つけられていないということがわかった。
この光はいわゆる蛍光タンパク質の働きによるもので、サンゴの体内でフリーラジカルの作用を食い止める抗酸化物質として機能していると研究チームは見ている。
オーストラリアのジェームズクック大学とイギリスのニューカッスル大学でサンゴの免疫機能を研究しているパルマー氏によれば、サンゴが自らの免疫力を高めるために蛍光発光を利用していることを示す研究はこれが初めてだという。「サンゴは、ミミズやカタツムリなどと同じようにそれほど複雑な構造を持たない無脊椎動物であり、ごく単純な免疫システムしか持たないと考えられていたが、かなり多様な防衛反応を示すことが次第に明らかになってきた」。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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