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ミクロネシアの小さな島・ヤップより

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[ダイビング]呼び名が変わっても...

[ダイビング]呼び名が変わっても..._a0043520_20233990.jpgうららかな午後、水路際の浅いリーフは明るい日差しに包まれていた。アケボノチョウチョウウオChaetodon melannotus)も連れだって、せっせとお食事中。この辺はサンゴも程よく育っているから、食べ物捜しには困らないだろう。

[ダイビング]呼び名が変わっても..._a0043520_20241570.jpgわたしも水中でボーッと日向ぼっこしていたら、ふと、あるお方と目が合ってしまった。誰だかわかります?わしは石っころじゃなんて、ムリに自己主張するから、見つかっちゃうんだよね~、セムシニライカサゴ殿(Scorpaenopsis diabolus)。英語ではデビル・スコーピオン(Devil scorpionfish)なんて、おっかなそうな名前がついているけど、





[ダイビング]呼び名が変わっても..._a0043520_20244947.jpg性格はそんなに悪くない...と思う(笑)。完璧に近いカモフラージュにすごく自信もってるから、ちょっとやそっとじゃ動かない。けっこう緊張しているはずなのに、そんなことおくびにも出さず、目の先、20センチくらいまでカメラを近づけるわたしに対して、顔色(?)ひとつ変えずに耐えている。(赤い矢印の先に目、黄色の先に口があります。)

[ダイビング]呼び名が変わっても..._a0043520_20252285.jpgこのサカナの名前(標準和名)は、去年の1月末までセムシカサゴだった。それが、日本魚類学界の日本産魚類の差別的標準和名の改名最終勧告により、他の「差別的」名前をもったサカナたちと共に改名を申し渡された。同時に日本のサカナの名前から、メクラオシバカテナシアシナシイザリセッパリミツクチが消えた。

コトバを追放すれば差別が消えるのか?
そんなことはない。差別やイジメを生むような社会のしくみが存続する限り、より隠微な形でそれらは生き残る。あからさまなコトバが無い分、疎外される側にとっても、抗する力がそがれて不利である。

たかがサカナの名前、とはいっても、慣れ親しんだ名前が消えていくのはさびしい。そのうち、ノートルダムのせむし男も、耳なし芳一も、改名される時代が来るのだろうか。と思ったら、リンクしたページによると、ノートルダムのほうは改名したのもあるようですね。やれやれ...


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by suyap | 2008-04-24 20:04 | ヤップの自然・海
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