ブログトップ | ログイン

ミクロネシアの小さな島・ヤップより

suyap.exblog.jp

2008年のヤップデイ-あきれた編

2008年のヤップデイ-あきれた編_a0043520_21585053.jpgいきなりですが、わたしもたったの数人にとはいえ給料を払う立場です。 何が言いたいかというと、給料を払う立場と給料をもらう立場の間には、いかに和気あいあいの友達づきあいしてるように見えても浅からぬ溝があるということを、払う側はいつも自覚しておかなければならない-ということ。ざっくばらんに言いたい放題やりたい放題してるように見える従業員でも、これ以上言ったら給料に響くかも、クビになるかもという恐れを大なり小なり持っているのは当然で(わたしが彼らの立場でもそうなる)、その口から出る言葉がそのまま彼らの本音とは限らないことを知り、その言葉の裏にある彼らの葛藤や哀しみ、あるいは狡さなどを、敏感に感じ取る努力を忘れてはいけない-と思っている。それを常に肝に銘じておかないと、わたしは自分に都合の良いことしか見えない聞こえない、ただのジコチュー・オバサンになってしまう(笑)。

2008年のヤップデイ-あきれた編_a0043520_21592690.jpgヤップデイの最後の記事をなんでこんな書き出しから始めたかというと、現在ヤップに派遣されているJICA/JOCV(青年海外協力隊)の面々のあまりのノーテンキさに、あきれかえるを通り越して腹立たしさを禁じえないからだ。彼らが持っているのは民間パスポートではなく、ニホン政府お墨付きの、いわゆる外交パスポート。そしてニホン政府は、ヤップ州を含むミクロネシア連邦に対して、(よけいなお世話も多いのだが)いまだにかなりの援助を行っている。これが何を意味するかというと、雇用者と被雇用者の関係のようなものは援助をする側と援助を受ける側にも成り立ち、外交パスポートによってニホン政府に後ろだてされたJICA/JOCV関係者は、現地政府+住民にとっては援助する側の代理人とみなされるということだ。かくしてニホン国=JICA/JOCV様のなさることには、とりあえず表立ってノーと言えない/言わない-という現地側の対応になる。

以前も書いたように、ヤップデイは:
どんどん変わっていくヤップ人の生活の中で、せめてこの日くらいは自給自足で暮らしていた昔を思い出し、衣服も昔のとおり腰みの・フンドシになり、ヤップの伝統芸能である踊りを思い出し、自給自足の生活術を思い出そう。それは将来きっと役に立つはずだから、途絶えさせないでおこう。
という高邁な理想と情熱をもって始まったものだ。わたしは初代ヤップ州知事の故ジョン・マガフェルさんから直接この話を聞いた。

初回から30年以上を経過して、催しは年々派手になり、食べ物や土産を売る出店も増え、ヤップ人は全員伝統衣装参加が原則だったはずが、その比率は年々減少し(それでも半分以上は伝統姿、腰みのがないからヤップデイに行かなかったという人も多い)、それらは毎年ヤップ人の間で「ヤップデイの本旨を思い出そう」という「反省」を呼び起こす。

出店は事前に届出して出店料を払えば誰でも出せるので、過去にもJOCVはタコ焼きやお好み焼きなどニホン的な食べ物の屋台を出していたこともあった。規模もそんなに大きなものではなかったので、他の食べ物屋台と並んでそんなに奇異には見えなかった。

それがかなり雰囲気が変わってきたのは去年から。何をやってんだかわかんないけど、いつ前を通りかかってもニホン人ばかりたむろしている場所のように見えた前回。そして今回は去年よりも広いスペースにテントを張り、巨大なアルミ缶の壁がおっ立てられた(気持ち悪いので写真は撮っていないけど)。そこでは空き缶を2個持ってきたら投てきをやらせるというアトラクションをやっていたんだそうな(ニホンの縁日じゃないんだってば)。わたしは恥ずかしいのでこの場所だけは避けて通っていた。





2008年のヤップデイ-あきれた編_a0043520_220359.jpgヤップデイの期間中うちにもいろいろなゲストがおられ、それぞれが各々のやり方でヤップデイを楽しんでおられたが、このJOCVの空き缶ブースを評価した人はひとりもおられなかった。それなのに、JOCVの側から聞こえてくるのは自画自讃のジコチュー評価ばかり...
☆いわく、あのブースはニホン国やJOCVをプロモートするためのものだ!(某隊員がわたしの目の前で宣言した)
☆いわく、クリーンアップ活動の一環として空き缶リサイクルに関するブースは、色々な人からお褒めの言葉を頂いた
☆いわく、子供たちがたくさん来てくれて楽しかった
だめだ、こりゃ...(笑)

2008年のヤップデイ-あきれた編_a0043520_2202873.jpgはいはい、JICA/JOCVさんがニホン的なスタンダードで今のヤップのリサイクル状況をお嘆きになるのはわかりますが、そういう状況を作っているのは誰なのでしょう?あなたたちの国からも、適切なゴミ処理施設のないこの小さな島に、たくさんのアルミ缶飲料やプラ製品が入ってきていますね!そういう仕組みを放っておいて、この島に散らかっている空き缶は住民の責任で拾えという態度-わたしにゃ、とてもできません。拾いたかったらせっせと自分で拾いましょう。

2008年のヤップデイ-あきれた編_a0043520_2205998.jpgまして場所はヤップデイ!食べ物を売るブースだってカメ肉やらローカル・ポークやらコウモリやら、できるだけローカルに近いものを並べているのに、そこで空き缶リサイクルの啓蒙ですか?

隊員が所属する職場でブースを出しているところもあったが、そこにいつ行っても隊員自身はおらず、同僚スタッフに聞くと、JOCVのブースが忙しいんじゃないの?とあきらめ顔。そのJOCV空き缶ブースを遠目で眺めると、確かに子供らや酔っ払いのおっさんなどで投てき場はにぎわっていたが、テントの中はいつもJICA/JOCV関係者らで埋まり、そこだけがニホン人村になっていた。ああ恥ずかしいなあ。(ヤップデイは、ヤップの文化をいろいろな方面から見たり知ったりする良い機会で、わたしにも毎回いろんな発見がある。あちこちの展示や踊りを丹念に見ようとするとけっこう忙しく、一箇所に座り込んでおしゃべりする暇はないのだけど)

極めつけは、ある村の棒踊りを見ていたとき。ビデオを回すわたしの真後ろでニホン語が聞こえた。
あらー、これなら踊ってもいいわね。
うん、エクササイズになるかも。
この会話、ばっちりビデオに録音されて、この踊りを出した村の人に配られてます^^

恥ずかしい、ほんとうに恥ずかしい...
わたしがここで恥ずかしい、という意味すら理解できないであろう、その精神性が、なおさら恥ずかしい。

陰でコソコソわたしを中傷している調整員、
店などでわたしの姿を見かけるとさっと隠れる隊員、
このブログから使える情報だけ持っていく隠れ読者隊員、
言いたいことがあるなら、堂々とコメントするか、鍵コメ寄こすか、面と向かって文句なり言い訳なり訂正なりしてきなさい。何もレスポンスがない、あるいは、わたしへの陰口がこれ以上嵩じるようなら、ヤップ的な方法で対処します。

(おまけ)
今回のもうひとつのサプライズは駐ヤップJOCV調整員の破廉恥な行動。
ヤップのホテルはヤップデイの期間中、どこも満杯になる。そんな中で、この人物はあるホテルに他国隊員のための部屋を予約しておきながら、ヤップデイ開始2日前になってドタキャンし、その隊員はJOCV連絡事務所に泊めた。他の客をキャンセルしてまでJOCV様のためにとってあった部屋は、空室のままでヤップデイを迎えることになった。ほんとうならホテルはキャンセル料を取って良いくらいの状況だ。たまたま他の用件で話をしに行ったとき、ホテル・オーナーがわたしにこぼしたので(例によってJICAだから文句いえないんだけどね-という調子で)、義憤に駆られたわたしは調整員本人や他隊員のいる前で、この行為がいかに非常識か述べた。

調整員氏は、にんまり気持ち悪い笑みを浮かべながらお好きなようにという捨て台詞を残してわたしの前を立ち去ったが、その足でホテル・オーナーのところに駆け込み、スーに恥をかかされたと訴えたそうだ。あとでその話を聞いたわたしは、それでキャンセルの件は、あやまったの?と聞くと、いいや、誤らないさ、スーに恥かかされた話ばかりしていったよだって。

隊員諸君、こんな調整員をもってお悔やみ申し上げますが、昔の隊員は、調整員(+JICAの規制)の目をかいくぐって自由で独創的な活動することに、もっと心血を注いでいましたよ。

JICA/JOCVだけで群れてるのって、傍からみててもチョー気持ち悪い~~~っ!


前の記事を読む<< >>2008年ヤップデイ記事の最初へ戻る


 最後までお読みいただき、ありがとうございました!
よろしかったらブログランキングへクリックもお願いします。


◆◇◆ヤップの情報はこちらでもどうぞ◆◇◆
http://www.naturesway.fm/index2.html
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆


ヤップデイ関連記事:
カヌー・セーリング
http://suyap.exblog.jp/6848207/
2008年のヤップデイ-1日目
http://suyap.exblog.jp/6853042/
2008年のヤップデイ-2日目
http://suyap.exblog.jp/6859793/
2008年のヤップデイ-食べ物編
http://suyap.exblog.jp/6874909/
2008年のヤップデイ-踊り編
http://suyap.exblog.jp/6875261/
2008年のヤップデイ-ちょっと心配編
http://suyap.exblog.jp/6875271/

2007年ヤップデイ・1日目
http://suyap.exblog.jp/5185908/
2007年ヤップデイ・2日目
http://suyap.exblog.jp/5189191/
2007年ヤップデイ続き-男の仕事
http://suyap.exblog.jp/5189280/
2007年ヤップデイ続き-女の仕事①
http://suyap.exblog.jp/5196595/
2007年ヤップデイ続き-女の仕事②
http://suyap.exblog.jp/5197162/

2006年ヤップデイ・初日
http://suyap.exblog.jp/3275793/
2006年ヤップデイ・2日目
http://suyap.exblog.jp/3281540/
by suyap | 2008-03-06 11:39 | ヤップと恥ずかしいニホン
<< 大型クルーズ船入港 2008年のヤップデイ-ちょっ... >>