今年の貿易風のシーズンは、風は強いがそこそこ雨が降ってくれるので、草花もわりと豊富だ。きのうはG嬢が、店番の合間になにやら
ヌーヌー(ヤップ語で花のレイなどのこと)を作っていた。
チョイ(パンダナスの葉)から作った4本の紐で編みこむ本格的なやつだ。
筒状の白い花は、
バラウ(
Guettarda speciosa、和名:ハテルマギリ、英名:Zebrawood)といい、ヤップの海岸近くにたくさん自生している樹高数メートルに達する常緑樹のもの。とても上品な香りを持つが、早朝に咲いて日が高くなる頃には落ちてしまう。左右の写真は午前9時過ぎにとったものだけど、もう花は残りわずかだった。大きな実はフルーツ・バットの好物だ。
どの花とどの葉を組み合わせると良い香りになるか、ヤップの
ヌーヌーづくりには香りあわせみたいなものがある。とくに早朝に摘み取った(あるいは地面に落ちたのを拾った)繊細な
バラウの花にの香りには、
ゴブと呼ばれるシダの仲間(一番上左の写真で、G嬢の膝の上にある葉っぱ)か、
アール(
Premna corymbosa var. obtusifolia、和名:タイワンウオクサギ)のと葉の組み合わせが良いという。
アールの和名を漢字で書くと台湾魚臭木となって、あまり良い香りを想像できないかもしれないが、食物の嗜好と同じく、香りにも地域や民族なりの嗜好があるものだ。
アールの葉は柔らかいので、若い葉っぱを揉んで耳に引っかけて香りを楽しんだりもする。
アールや
ゴブは、
グチョル(
Curcuma longa、ウコン)や
モン(
Angiopteris palmiformis、ナンヨウリュウビンタイ)のように香りが強くないので、同じくかすかな香りの
バラウの花と釣りあうのだろう。
さてG嬢の作業は黙々と進む。この手の作業に不器用なわたしは(自分でも作ったことはあるが)、ひたすら側でおしゃべりをする人(爆)。右の写真でG嬢がつまんでいるのは
ソウル(赤いプルメリアの仲間)、白いプルメリアに比べて香りは弱いが、それがかえって
バラウの
ヌーヌーにはマッチして彩も添える。
ヤップの
ヌーヌー作りも、この10年間で激変してしまった。以前は男も女も日常的にもっと
ヌーヌーを身につけていたものなのに、最近はずいぶん減ったなあ。それに材料がたくさん必要で編むのに時間のかかるこのタイプの
ヌーヌーではなく、簡単にチャカチャカ編めるタイプが主流になった。若い子にはこのタイプを作れないのがどんどん増えている。
そんなヤップの変化もどこ吹く風、読書家で手先の器用なG嬢は、本を読んでないときには、ビーズ編み、バスケット編み、ヌーヌー作りと何かしら手を動かしている。この
ヌーヌーは、ホテルで働いている妹にあげるのだそうだ。
そばでガチャガチャおしゃべりするわたしに付き合いながら、あっという間に20センチくらい編み進んだ。首にかけるヌーヌーなら、ひとつ作るのにG嬢のペースで20分から30分くらいかな。わたしがやると...?2時間かかります、ハイ(とうぜん花も葉もしおれます)。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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