mixiで知り合ったヤマボウシさんの日記で、
JanJanに掲載されたC・ダグラス・ラミスさんの講演会報告を教えていただいた。
「護憲運動の重要性と限界」
http://www.news.janjan.jp/area/0711/0711055229/1.php
お恥ずかしいことに、わたしは今まで
ダグラス・ラミス(C. Douglas Lammis)さんのことは何も(
「世界がもし100人の村だったら」という本の著者のひとりだということすら)、知らなかった。だから、この米海兵隊あがりでニホン>沖縄在住の政治学者の言ってることのマトモさと明快さに、マジ、ぶっ飛んだ。そして気分が良くなった。
あまりにも感動したので、庭先になる元気の素ノニの写真も添えながら、一部をここに書き留めておきたい。JanJanさん、許してネ。(文中の一部を太線や下線で強調した)
「われら」が政府に憲法を押し付けた
今の憲法は「押し付け憲法」だという言い方がされています。それに対して、憲法草案を作る過程で日本国民が参加した、日本のアイデアを取り入れたから「押し付け」ではないという反論があります。しかし、私から言えば「押し付け」を完全に否定するものではないと思います。というよりも、主権在民の憲法はすべて押し付けで、政府の権力を制限するものです。
さすが、主語を省略しない論理言語の国の人だ。法律とは本来こういう論理で考えなければならないもの。「われら=(日本)国民」と「(日本)政府」は対立するものであって、そこを混同してはいけない。
憲法を改正したい人はアメリカが日本に押し付けたと言っています。そう言われればいやな気持になりますが、この言い方は乱暴すぎで、実際はもっと複雑でした。戦争直後、GHQは日本国民を仲間と考えていて、憲法はGHQと国民とが一緒に政府に押し付けたのです。政府は押し付けられたと思って当然です。当時、GHQと国民のほとんどはこの政府は権力が大きすぎる、減らさなければと思っていました。両者の結論は同じでした、だから非常に珍しい立派な憲法ができたのです。
~中略~
憲法改正草案要綱ができたのは1946年3月6日、その2ヵ月後の5月には、冷戦による「逆コース」が始まり、GHQ=アメリカ政府は考えが変わりました。もし、GHQだけに押し付けられたものだったならば、数ヶ月間でなくなったはずです。どうしてなくならなかったのか? アメリカが「変えたい」と言っているのに、どうしていまだにできないのか? その答えは護憲運動があったからです。「われら」は押し付け続けている。今日も押し付けに参加している、そう考えると元気が出ますね。
自民党はどういう日本を作りたいか
95条に1つの地方公共団体のみに適用される特別法は、その地方公共団体の住民の過半数の同意を得なければ、国会は制定できないとありますが、これが削除されています。どの地域に特別法を作りたいんだろうと考えると、答えは沖縄です。ご存じだと思いますが、沖縄には今も外務省の代表である沖縄大使がいます。沖縄は歴史的に植民地なのです。
そういえば、ニホンのODAの構図は沖縄から始まったという。いまも「新基地」利権をめぐって政府・企業・地元が醜くうごめいている。
闘って闘って憲法を自分のものにした沖縄
日本国憲法の「われら」に沖縄は入っていませんでした。~中略~
沖縄はだから、その後、闘って闘ってやっと自分のものにしたのです。つまり復帰運動によって。闘って憲法を自分のものにしたのは日本中で沖縄だけです。沖縄は大和民族が大好きというよりは憲法がほしかったのです。復帰の日、憲法全文が新聞に載りました。だから、もしこの憲法がなくなったら、沖縄は日本と付き合い続ける理由があるでしょうか?
ごもっとも、です。沖縄だけでなく、もしこの憲法がなくなったら、日本国民を続ける理由があるでしょうか?
護憲運動の限界は安保条約に触れないこと
(30、40年前なら)平和運動をする際の最初の言葉が安保反対でした。デモがあれば安保粉砕でした。日本の政治を理解しようと思えば、必ず最初が安保だったのです。ベ平連の雑誌も「週刊アンポ」でした。現在、9条の運動はかなりさかんで、安倍政権がつぶれたのもそれだけじゃないが、それも影響があったと思います。勝っているかもしれません。9条の運動はさまざまあります。しかし、安保反対運動はどうでしょう? 存在はしていますが、あまりありません。9条を語る中で安保を口にしないことが多いと思います。
~中略~
多くの人にとって米軍基地は遠い沖縄にあり、その問題を「沖縄問題」と名づけ、ここは平和憲法の日本だと思っているのです。そういう構造ができているのではないでしょうか?
安保体制があるからこそ、いまの基地問題があり、インド洋無料ガソリン・スタンドなぞを開設する言い訳を政府に許してしまう。かつての
アンポ反対の意思表示はいま、ささやかに
反・対米従属として生きながらえてはいるが、ダグラス・ラミスさんのいうとおり、このままでは「安保」の存在も知らない護憲な人が増えていくかもしれない。ただ「護憲」を叫ぶだけではなく、いかに対米従属から抜け出すか、はっきりしたロードマップをひとりひとりが持たなければ。
9条と基地は表裏一体
世界の中でなんでもかんでもアメリカ支持は日本だけです。それでうまくいっていると思っているようですが、アメリカのことを理解していません。理解していないからずっと付き合っているとも言えると思います。アメリカは人類の歴史上最高の軍隊を持っています。アメリカを除く世界全体の軍隊よりも大きいのです。そのような軍事力を持ってして、なぜ戦争に勝てないのかを考えた方がいいでしょう。
~中略~
日本国憲法は1、2年かけて書こうと思えば、冷戦が始まり、今の憲法はできませんでした。戦争が終わった瞬間にできた未来への贈り物なのです。
ここに挙げた抜粋だけでなく、ぜひこちらの全文をじっくりどうぞ。読後はアタマの中がすっきりサワヤカになって、じわじわ元気も出てくることでしょう:
「護憲運動の重要性と限界」
http://www.news.janjan.jp/area/0711/0711055229/1.php
(参考)
沖縄と9条と日米安保
http://www.magazine9.jp/interv/lummis/lummis1.php
「無関心」が許されない時代がくる
http://www.magazine9.jp/interv/lummis/lummis2.php
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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