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ミクロネシアの小さな島・ヤップより

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ナンヨウリュウビンタイの香り

ナンヨウリュウビンタイの香り_a0043520_2341236.jpgヤップの人は男も女も香りを楽しむのが大好きだ。G嬢の頭に載せているのはナンヨウリュウビンタイAngiopteris palmiformis)というシダの仲間で、ヤップ語ではモンと呼ばれている。こうして頭に載せておくだけで甘くさわやかな香りがするので、グチョル(うこん)とともに、ヤップ人のヌーヌー(レイ)の筆頭格だ。

モンは湿り気の多い樹木の陰になったような場所で、直径が40cmぐらいにもなる塊状の根茎をもち葉の高さは3~4mにもなる大型のシダ類だ。いろいろな伝統薬に使われる大切な薬草のひとつで、消炎、鎮痛、解熱などに効くとされている。根茎や葉などを用途に応じて調合するヒミツの処方のほか、この葉を敷いて寝ると腰痛に効くのだそうだ。こんな素敵な匂いのフトンなら、ぐっすり眠れそうだ。

葉軸を石かなにかでたたいて柔らかくし、2つの葉片を適当な長さに切って結び合わせると、頭や首にかけるレイになる。あるいは小葉片を切り取って、他の香りの良い花と組み合わせてレイに織りこんでも良い。葉が乾燥しても匂いはかなり残るので、体につけて楽しんだあとは部屋の中にかけておいても良い。

この記事を書くために、このシダの和名を捜して検索したのだけれど、ナンヨウリュウビンタイやその他のシダの「匂い」について触れているサイトはなかった。こちらでは、この植物が沖縄ではシシバー(獅子葉)とかンマパイバラピ(馬の蹄)と呼ばれることを知ったが、やはり香りのことは書いてない。こんなマイルドな匂いには気づかないほどニホン人の生活が忙しいのか、ヤップ人の匂いのセンスが格別に繊細なのか...


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by suyap | 2007-10-26 23:39 | ヤップの自然・陸
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