先週の記事
YCA創立記念KIKKOMANプロモーションに「どこ製のKIKKOMANか?」というコメントをいただいたので、今までちゃんと確認したことがなかったヤップで売られている醤油の「身元」を調査してみた。
まずは
KIKKOMAN。正面ラベルにドーンと
300 YEARS OF EXCELLENCEと書いているのは、
1645年創業をうたう
YAMASAへの対抗意識からか?KIKKOMANの創業は1917年なので、Sinceとは書けず意味不明のEXCELLENCE(エクセレンス)、なかなか宣伝うまいなあ(笑)。
ところでヤップで売られているKIKKOMANのルーツには、現在2とおりあることが、3つの商店を回った結果わかった。写真のは米国
ワイオミングウィスコンシン州WalworthのKIKKOMAN FOODS製。もうひとつのは、オーストラリアのディストリビューターを経由したシンガポール製。今までよく調べもせず買ったり使ったりしていたけど、さすが世界のKIKKOMAN!だけど、お味は果たして同じだろうか?ビールだって、ヤップのキリンビールはアメリカ製、日本のバドワイザーは日本製で、両方とも日本製のキリンビールやアメリカ製のバドワイザーとは、かなり味が違うのだけど。
こちらは控えめながら
SINCE 1645の文字が輝く
YAMASA。
PRODUCT OF JAPAN
Choshi, Chiba JAPAN
が示すとおり、ヤップで売られているYAMASAはすべて日本製で、Choshi, Chiba JAPANのローカル・ネームがなかなか格好いいじゃないっすか!製造は日本国内だけど、輸出用は英語ラベルにしているみたい。
ところで最近、もうひとつの日本製醤油が、KIKKOMANとYAMASAのマーケットに殴り込み?(笑)をかけてきた。それは群馬県館林市の
正田醤油。オリジナルのラベルはすべて日本語だから、輸出業者によって英語で書いた輸出用のラベルが貼られている。
ちょっと興味をそそられて、この正田醤油を買ってきて、キッコーマン、ヤマサと味比べをしてみた。すると、やはりヤマサが一番しょっぱくてサラッとした味、正田は円やかで濃厚な味、キッコーマンは...ウーン、KIKKOMANなお味でした(笑)。
もうひとつ興味をもったのは、各社のIngredients(原材料)の表示:
KIKKOMAN
WATER, WHEAT, SOYBEANS, SALT, SODIUM BENZOATE;LESS THAN 1/10 OF 1% AS A PRESERVATIVE
水、小麦、大豆、塩、安息香酸ナトリウム(1%の1/10以下)
YAMASA
WATER, SOYBEANS, WHEAT AND SALT
ALCOHOL CONTAINED
NO PRESERVATIVE ADDED
水、大豆、小麦、塩
アルコール含有
添加物不使用
SYODA(正田)
Water, Soybeans, Wheat, Salt
水、大豆、小麦、塩
ただし日本語のラベルには、脱脂加工大豆(遺伝子組換えでない)、大豆(遺伝子組換えでない)、小麦、食塩、アルコール
なんと世界の
KIKKOMANだけが、いまだに
安息香酸ナトリウムという防腐剤を添加しているわけだね。
YAMASAはALCOHOL CONTAINED(アルコール含有)なんて堂々と書いちゃって、海外では別の意味で営業的に心配にもなるけど、
安息香酸ナトリウムよりずーっと安全だ。
安息香酸ナトリウム添加については、こういう記事がある。
Q 醤油の原料表示にアルコールとあった。アルコールを使わないメーカーもあるが、 なぜか。
A 醤油は、もともと発酵等の製造過程を経ることにより、アルコール分を1から2%含むものになりますが、その量のアルコールだけでは、開封後、カビを生じさせる微生物の繁殖を防ぐことはできません。このため、保存料などの添加物を使わないで、雑菌を防ぐためにアルコールを添加しています。
また、業務用等で調理場が高温になるような場所に置かれるものは、安息香酸ソーダを入れてカビの防止をすることが多いです。
(平成13年5月回答)
農林水産省「消費者の部屋」
http://www.maff.go.jp/soshiki/syokuhin/heya/qa/alt/altqa010515.htm
確かに
安息香酸ナトリウムは防腐剤としてジャムやマーガリンなどに多様されているが、アルコール(もとは酒精と書いていた)で代用できるものを、何でまた醤油に入れなきゃならないの?>KIKKOMANさん。アルコール含有と書くと海外で売りにくい?防腐効果を高めておかないと、醤油が本来ナマモノであることを知らない海外の消費者は心配?
わたしの手元にある日本から買ってきた「ヤマサ特選有機しょうゆ」や「海の精・生しぼり醤油」には、アルコールすら添加していない。本来の方法でじっくりと時間をかけて作られた醤油は、保存料をわざわざ添加する必要などないからだ。しかしホンモノの醤油には白いカビのようなものが表面に浮くことがある。でも、これはいたって健全なホンモノのシルシ、その部分を除いて食べ続けて平気です。そういう知識や事実を消費者が受け入れることも、良い食品をメーカーに作り続けさせるために必要なわけだ。
実はあれからもう一度、
KIKKOMANシャツをもらいに行ったので(爆)、弊社のツアー・ランチに添えて出すKIKKOMANのストックは数ヶ月先まで出来ちゃったのだけど、こうして
安息香酸ナトリウム入りってのを読んでしまった以上、これを平気でゲストに出すのもなあ...捨てちゃおうかなあ...今まで出してたんだものなあ...と悩んでいる。
ちなみに、ヤップにはもう2種のSoy Souceが入っている。その名は
生抽王と
Super、両方とも中国製だが、生抽王はロサンジェルスのディストリビューターを通して、Superはなんとミクロネシア連邦はポンペイのディストリビューターを通して販売されている。ヤップ在住中国人はこっちを選んでいるのだろうか。
ヤップ在住ながら醤油の話題にかなり熱くなってしまったが、
日本には安心できる材料と良心的な製法で美味しい醤油や味噌を作っている小さな醸造所が、まだまだたくさんあることがわかって、ちょっと安心もした。
日本の賢い消費者の皆さん、値段が高くても、基本調味料はそういうところから買ってあげてください!というのは、
水と塩(+味噌&醤油)は人間の命に次ぐ大切なものです。
身体に良いもので基本ができてくれば、自然に偏ったものを必要としなくなります。
ということは、肉や高価な食材を欲しくなくなるので、結果的に食費は安くなる。食生活を改善するには、まず
台所の基本調味料を変えること-これが第一歩なのだ。いろんなダイエット食品に走る前にね^^
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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