ヤップでは2年も前から地上波デジタル放送が始まり、契約料を月25ドル払えばNHKワールドをはじめ20チャネルが24時間ずっと見られるらしいのに、わたしの家にはテレビがない。理由は、テレビに対する自分のだらしなさが怖いからである。
そう、ほんとうはわたし、テレビっ子なんです(爆)
まあ、家でテレビ見るような暇な生活やってないしさ...
台風でアナログ放送設備がぶっ飛んで実質テレビ放送が1年途絶えたあと、地デジが始まったときにはみんな並んで契約してたけど、それからいくらもしないうちに、やっぱりや~めた!というローカルも増えた。どうやら、あまり番組が変わらないらしい(全く見てないので実際はわからないけど)。だから、一時衰退したレンタルDVD屋が、最近また繁盛している。
しかしレンタル屋に置いている映画は、ほとんどがハリウッドB級ドンパチ、アクション、宗教、メロドラマばかり。まあ宗主国-アメリカさまのお家の事情を現しているわけで、ユナイテッド93なんかが並んでるのを見ると腹立たしいから、あまりビデオ屋には出入りしないんだけど、たまに掘り出し物もある。
そうして見つけたのが、去年のトロント映画祭で話題を呼んでいた
Death of A President、ニホンでは邦題をめぐって映倫ともめる経緯があったらしく、やっと「大統領暗殺」というタイトルに落ち着いて、この10月に一般公開されるという。
ホンモノのブッシュ大統領の演説シーンを挿入したりCG合成を駆使して制作され、衝撃的な暗殺シーンの写真が世界を駆け巡ったが、それ以外に何の予備知識もなく観たわたしの感想は、
こらっ、最後の詰めが甘すぎじゃん!
これが問題となった暗殺の瞬間の画。ところが、わたしが見たNewmarket Film版DVDではこのカットは使われていない。このシーンの撮影のためにあちこちの方向からカメラが回っていたはずだが、映画の流れの中では、それぞれ違うアングルから撮った画が、問題のこのカットをはずしながら、すごいスピードでつなぎ合わせられている。
そのはずされたカットとほぼ同じアングルの、やや上から撮った続きのシーンがこれで、撃たれたブッシュがシークレット・サービスによって大統領専用車に押し込められたところ。あまりにコマ送りが速いので、何回もまわさないと何がおきたのか理解できないほどだった。
しかし、これはそれで良い。
監督のGabriel Range(ガブリエル・レンジ)氏が言っているとおり、この映画で描きたかったのはブッシュの暗殺シーンではなく、それに至るまでとその後の事態展開のストーリーなのだから。
この監督は、トロント映画祭プログラムの作品紹介欄で、ブッシュ大統領暗殺シーンをいかにも本物のように作り上げたことについて、「
私たちが日常、メディアを通して遭遇する(いろいろな情報は)こんなものです。それを大げさにやってみただけ」と書いているという。さりげなく鋭いことを言うではないか。
暗殺後、911以降アメリカ国内で起きたイスラムに対する弾圧や「テロとの戦争」への情報操作を彷彿させるストーリー展開となり、(ブッシュの演説でいまだに北朝鮮の脅威を煽っているのは笑っちゃったけど)シリア人が容疑者として逮捕されると、チェイニー「大統領」が新たなテロとの戦争を進めるあたり、
よくわかってるじゃん、と思わせるものがある。それに、アメリカ社会底辺層の代表のような顔をした陪審員たちが、しっかりした証拠もないのにシリア人をクロと判定するなど、情報操作によって安易に操縦される一般大衆の危険性と不条理もよく描かれていた。
それなのに、ああ、それなのに...
犯行後に自殺した、息子をイラクで殺され精神を病んでいた黒人の退役軍人が真犯人...
しかし政府・検察当局はまだシリア人を犯人にしようとしている...これって、いったい何なのさ???
黒幕は、用済みのブッシュが消されて嬉々としているチェイニーとその愉快な仲間たちか?
これは新たな「米国の陰謀」か?
今後の展開と世界情勢は?
などと、いろいろな想像をめぐらせて楽しんでいたのに、それを社会的弱者である一個人の仕業にもっていくとは、辻褄があわないではないか(怒)
それとも、わざとこんなガックリくる落ちにしたのかな?
Death of A Presidentは、陰の支配者のお墨付きという噂もあるし...
ということは...
「もうおまえの出番は終わりだよ」という
用済みブッシュへのメッセージか?
ということは...
ブッシュ以上に用済みなのは、ブッシュ・ポチのコイズミくんと、アベチンゾーくんでちゅよね(笑)
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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