格差社会だとか新自由主義だとか、ムズカシイ言葉がいっぱい叫ばれている昨今だけど、ヤップのような僻地は、世界情勢の波をよりダイレクトに被りやすい。
この6月15日より、ヤップ行ならびにヤップ発の航空貨物が一切停止された。
ヤップを含めてグアムから先のミクロネシア地域を飛んでいるのは、コンチネンタル航空のみ。そのコンチネンタル航空が、
ヤップだけ、航空貨物、乗客の超過荷物ならびに生鮮食品を受け付けないという方針を実行に移した。
グアムとヤップの間はジェット機でたった1時間半なのに、現在は週1便がダイレクト、あとの2便はヤップの上を飛び越えてパラオに先に行ってヤップに折り返してくる。このフライトだとグアムを出発してから(パラオで4時間の待ち合わせを入れて)7時間半、ヤップ到着は午前2時30分だ。こんな超不便なフライトにも耐えていたところに、この貨物停止措置。まるでヤクザにつかまって両頬をひっぱたかれているようなもんだ。
1997年7月まで、ミクロネシア地域のフライト・スケジュールはわりと安定していた。回数は今と同じ週3回だけど、
明るいうちに離発着してくれた。グアムでの乗り継ぎも今よりよほど便利だった。
それが、1997年8月から急に週2便に減らされ(コンチネンタル航空は最初ヤップには週1便で良いと言っていた)、2001年から夜中の不便な時間帯に移動し、ついにパラオまわりというフライトが出現した。コンチネンタル航空はその理由を、ヤップの燃油給油設備の老朽化のせいにするのだが...
ミクロネシアで唯一大手石油会社はモービル・エクソン(その現地法人モービル・マイクロネシア)、そして、モービル・エクソンとコンチネンタル航空は同じテキサス出身で仲が良い。ヤップの空港で燃油供給設備を受託管理していたのはモービル・マイクロネシアだったが、それが2004年にヤップ州との契約更新をしなかった。ちなみに何事もなければコンチネンタル航空のフライトはヤップで給油をする必要はない。しかし万が一に備えていつも給油できる体勢を維持しなければならないという。-それは当然である。
それでモービル・マイクロネシアが手を引いたとたん、コンチネンタル航空はヤップへの離発着を上り下りあわせて週6本だったものを4本にしたわけだ。しかし給油施設が完備してなれば安全が確保されないというのが本当であれば、4本を残すというのはおかしいではないか?どうも初めからモービル・マイクロネシアが手を引くという前提ありきで、この事態は始まったというふしもある。実際モービル・マイクロネシアはこの9月でヤップから撤退することになっている。一時は「島から油が消えるか!?」と危ぶまれたが、いまは何とかシェル系の石油会社を入れるように政府は懸命に働きかけているようだ。
部外者には話がチンプンカンプンだと思う。申し訳ない。でもこのブログの読者のなかにはヤップな方々もかなりおられるので、いちおう流れを報告しておくことにしました、スミマセン。
それでコンチネンタル航空の燃油供給問題だが、ヤップ州は無理して財源をやりくりし、2つのアイソテイナー(燃油を入れるタンク)とそれを運ぶトラックを買った。アイソテイナーのほうはモービル・エクソン本社で検査する必要があるということでヒューストンに送られたが、それから半年近くそこで野ざらしにされていた。そうしてやっと来た返事が、アイソテイナーのフィッティング(コネクションのようなもの)がモービル・エクソンの規格にあいませ~んってこと。ヤップ州は、だったらモービル・エクソンさんの好きなように直してくださいとお願いして、また数ヶ月野ざらし...こりゃ埒があかんわってことにヤップ州政府もやっと気づいて、グアムにある別の(シェル系の)給油サービス会社に委託し、アイソテイナーはいまグアムに向かいつつあるとのこと。その間に起きたのが、モービル・マイクロネシア自体のヤップ撤退問題。今はもう、ヤップ州政府全体がそのことで頭も手も足もいっぱいだ-って感じのする今日この頃なのだ。
一方、空港エプロンの老朽化も文句の槍玉にあげられていたが、こっちの方もつい最近補修工事が終了した。それについてのコンチネンタル様のお言葉は、「あんねー、問題なのはエプロンだけじゃなかったのよね。エプロンの下に埋めてある(モービル・マイクロネシアが使っていた)給油用のパイプも漏れている恐れがあるから、エプロンの舗装だけしなおしたって、うちはまだ飛行機を牽引しなきゃならんのよ。金も時間もかかるんよねー(だから便数や超過荷物、航空貨物の受付を回復するわけにはいかんわよ)」
なぬ~~~、そんなこたあ、工事前に言え~~~(怒)
トラックと2個のアイソテイナーで緊急の給油に備えるめどがつけば、地下に埋もった旧設備は直さなくて良いと思うのは当たり前だろう。それでヤップ州はエプロンの舗装だけ直した。そんなことは工事が始まる前からコンチネンタル航空だって知っていたはずだ。もうイチャモンとしか思えないけど、コンチネンタルさんとモービルさんとの会話はすべてこの調子のようなのだ。
それでアイソテイナーのほうはグアムで整備が済み次第、早ければ7月中にもヤップに配達されるらしいが、まだまだ前途多難だ。コンチネンタル航空が「保険のかかってない給油体勢は認められない」と言い始めたからだ。いつ使うかもわからない給油施設のために莫大な保険金をかけ続ける財源をどうするか...
航空貨物が停止して一番困っているのが、ビンロウジュ輸出業者だ。ビンロウジュはヤップの外貨稼ぎダントツの農産物だった。またDHLなどの運送業もお手上げ。現在コンチネンタル航空が取り扱うのは郵便物だけだ。それも飛行機の重量やスペースがなくなると、平気で郵便袋をグアムに置いてきてしまうから、紛失や痛み(野ざらしの場合スコールがくるとずぶぬれになることもあり)や遅滞のリスクは前にも増して大きくなる。
グアム・ベースのある運送業者は、週1便でも貨物機をチャーターすることをヤップ州に提言しているが、「いま何を言っても政府の人たちはモービル・マイクロネシアの撤退問題で頭一杯みたいね」とのことで、あまり進展してないらしい。
一連のモービル・エクソン(マイクロネシア)やコンチネンタル航空の動きを考えてみると、アメリカの経済状態、アメリカ石油支配の衰退をよく物語っていると思う。「儲からないところに金を使わない」というのが新自由主義経済の鉄則だから、余裕がなくなってくると、まずトカゲのしっぽから切られていくのだ。アメリカの支配下にあるミクロネシアの経済的困窮は、これからもどんどん進行していくだろう。
しかし、脱・石油、脱・新自由主義的経済生活を、いまのヤップなら簡単に取り戻せる。だから、遅くなりすぎるまえに、もっと事態が進んでいってくれたほうが良いような気もしているわたしなのだった。
ポチッ ありがとう!
◆ヤップの旅の情報はこちらでどうぞ
http://www.naturesway.fm/index2.html
ジュゴンの明日はわたしたちの未来!
辺野古の自然とジュゴンと平和のために署名をお願いします。
ジュゴンを守るための環境アセスを!
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辺野古の情勢はこちら:
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参議院選挙>平和な暮らしのためには戦略で!
★アメリカ追従の新自由主義者、今の時点で改憲を主張する者には、政党を問わずNO。
★選挙区での死票を減らすために、勝てないと予想できる候補は(政党や人物が良くても)選ばない。
★反・新自由主義と護憲派の議員を増やすために、比例区では選挙区とは違う選択基準をもつ。
こちらの分析が参考になるかも:
平和への結集ブログ:
民主党へは1人区でだけ投票しても野党は勝てる
http://kaze.fm/wordpress/?p=134
エクソダス2005《脱米救国》国民運動:
護憲派候補者リストの見直し:社民党推薦候補は必ずしも全員9条堅持ではないのではないか?
http://exodus.exblog.jp/5945521
きまぐれな日々:
「AbEnd」のための参院選投票パターン
http://caprice.blog63.fc2.com/blog-entry-377.html
喜八ブログ:
前原誠司・長島昭久の「裏切り」に備えよう
http://kihachin.net/klog/archives/2007/06/kobayakawa.html
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わたしは日本共産党員でもシンパでもありませんが、今回はこの戦略が有効だと思います。
日本共産党への不支持を広めて現執行部を辞任に追い込むという作戦も考えられますが、一政党の党内問題を今回のように重大な国政選挙の議席をかけて行うのは間違いだと思います。
日本共産党には比例代表でもう一議席とらせて自公政権への縛りとし、そのかわり選挙区ではぜったいに共産党候補には投票しない!これでいきたいと思います。
参考になりそうな記事をリンクしました:
日本共産党を日本共生党に!
http://blogblues.exblog.jp/5149573
護憲といえば共産党
http://blogblues.exblog.jp/5589503
だからこの際「比例区は共産党」宣言
http://blogblues.exblog.jp/5735666/
(↑バナーはBLOG BLUESさんからお借りしました)
AbEndフォーラム http://atbb.jp/abend/ にもどうぞ!
安倍晋三に関する話題の情報収集掲示板です(閲覧自由)。
もし、世界貿易センターに激突したのは民間航空機ではなかったら?世界貿易センターが爆破解体されていたら?ペンタゴンにボーイング757型機は激突していなかったら?93便が撃ち落とされていたら?
911攻撃とアメリカ政府との直接的な関連を暴露。証拠はニュース映像、科学的事実そしてもっとも重要なあの悲劇を経験した者たちからの証言である。だれもがこの映画を観る義務がある!
『911の嘘をくずせ ルース・チェンジ・セカンド・エディション』
日本語版 by Google Video:
http://video.google.com/videoplay?docid=
4377032998245988095&q=Loose+Change+2nd+Edition
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http://store.globalpeace.jp/index.php?main_page=
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