1972年5月15日、沖縄は日本に「返還」された。
返還にあたって、日本政府は総額3億2000万ドルに及ぶ特別支出金をアメリカに払い、非核三原則の拡大解釈や
核兵器持ち込みに関する秘密協定を結んでいた。この
「密約」にもとづいて核搭載米軍艦船は何度も平気でニホンに入港したし、
在日米軍基地には当然のように核兵器が隠されている。そして、その在日米軍基地の70%以上は、いまでも沖縄にあるのだ。
アメリカの経済力の衰退と国際戦略の変化にともなって米軍の「再編」が行われることになり、ニホンは「戦争のできる国」(
実際はアメリカの戦争を手足となって手伝える国-決して独立して戦争できる国にはさせてくれません)になることをアメリカから要求されている。アベ政権が壊憲(改憲)を急ぐのはそのためなのだ。
そういう流れの中で、沖縄の要塞化が進んでいる。そして、絶滅が危惧されるジュゴンの生息域でもある沖縄本島辺野古地区に、新たな一大軍事施設が建設されようとしているのだ。それにむけた「事前調査」のためと称して、
海上自衛隊の掃海母艦「ぶんご」が沖縄にむかっている。
ここまでの経緯は、
米軍再編ってどうよ?
に非常に詳しく説明されているので、ぜひ一読をお薦めしたい。
また、現地の緊迫した状況は、
ちゅら海をまもれ!沖縄・辺野古で座り込み中!
辺野古から緊急情報
にアップされているので、頻繁にこれらのサイトをチェックして気持ちだけでも辺野古に送りたい。
→は、
そいつは帽子ださん経由で
ゆうれい・くらやみ通信からお借りした
くじゅごんです。
ここでまず押さえておきたいのは、
いま防衛施設庁が強行しようとしている辺野古での「事前調査」は、1997年6月に公布、99年6月施行された環境影響評価法(略称:環境アセス法)に違反している。ということ。
こちらに、環境省が出しているフローチャートが載っている
「事前調査」は環境アセス法に違反している
去年の知事選で糸数さんを僅差で負かしたあの仲井真沖縄県知事でさえアセス方法書の「受理に難色」を示したところ、
施設庁は、県が方法書の受理に応じない場合、アセス前段の「事前調査」の位置づけで関連調査をすることも検討している。(沖縄タイムス07年2月14日の記事)
環境省のフローチャートあるいは環境アセス法のどこを見ても、
アセス前段の「事前調査」などは出ていない。
そもそもアセス法は、環境「調査」そのものが環境を改変するおそれもあるところから「方法書」の制度を導入したのであって、「事前調査」を行うことはアセス法を逸脱し、アセス法を骨抜きにする違法行為である。
辺野古では長年にわたって地元のおじい、おばあたちが新基地建設に反対して非暴力の座り込み運動を続けている。それを、軍艦まで使って威嚇(まさか自国民に手を出したりはしないでしょうね>海上自衛隊さん)しながら、法律違反の「事前調査」を押し切り、うやむやのうちに「環境調査をやった」ということにしてしまう魂胆がみえみえだ。
辺野古での新基地建設計画は、なぜいけないのか?
http://atsukoba.seesaa.net/article/39912507.html
事の流れを知るために大事なので、↑の記事ほぼ全文を引用する。
(文中の太字はsuyapによるもの、一部スペースも省きました。)■「普天間代替施設」という、まやかし
政府やマスメディアなどでは、辺野古(キャンプシュワブ沿岸)での新基地建設計画の事を「普天間代替施設」と呼んでいます。
「代替施設」というと、なにやら普天間基地を閉鎖する代わりに小さな基地を作るかのような錯覚を起こしてしまいそうです。
しかし、そもそもこの新基地は「普天間基地を返還する代わり」に計画されたものではないのです。
アメリカでは40年前の1960年代に辺野古に基地を作る計画が立てられています。しかし当時はアメリカ側が出す建設の費用がかかるために見送られたのです。
1995年、沖縄で米海兵隊員による少女暴行事件が明るみに出て沖縄の人達の怒りが爆発しました。それに付け込んだ日米両政府が普天間基地を返還して沖縄の負担を軽減すると見せかけて、新たな基地を沖縄に押しつけようとしたのです。
■巨額の税金を無駄にする
この事件をきっかけとする事により、米軍が40年前から作りたかった新基地建設計画は「沖縄の負担を軽減するため」という「日本側の都合」にすり替えられました。
つまり「日本側の都合」だから日本の税金で米軍基地を作る事になったのです。
閣議決定されながらも計画が撤回された「辺野古沖案」は、総額は1兆円かかるという説がありました。
その裏では政治家やゼネコンが巨額の利益を得る構造もあったでしょう。
「辺野古沖案」は撤回されましたが、これまでにかかった費用はまったく無駄です。ずさんで無謀な計画のために多額の税金を投入して、今、再び「キャンプシュワブ沿岸案」で巨額の税金を投入しようとしています。
■一大出撃拠点が作られる
現段階の「キャンプシュワブ沿岸案」では計画は出されていませんが、1966年に米海軍が作った計画では飛行場に隣接して、深い大浦湾に軍港を作る事になっています。
辺野古にはキャンプシュワブの北側に辺野古弾薬庫があります。この弾薬庫は核兵器や化学兵器の整備能力を持つ部隊も駐留しているといわれています。
「普天間代替施設」と言いながら、実は、弾薬庫と軍港を備えた巨大な要塞が作られようとしているのです。
■壊滅的な環境被害
辺野古の海には、絶滅危惧種に指定されているジュゴンが棲んでいるため、世界自然保護会議から保全を求める勧告が二度も出ています。
そして深い大浦湾にはジュゴン以外にも多様で貴重な生物が生息しています。
沖縄(本)島でも名護市辺野古がある北部は、まだ環境破壊されていない貴重な自然が残っています。
深い大浦湾を埋め立てて作られる巨大な要塞は、環境に壊滅的な打撃を与えてしまうのです。
こういう下心で着手と完成を急ぐため、環境調査なるものの計画もきわめて杜撰(ずさん)で、サンゴの専門家からも次のような意見書が出されている。
「第2回普天間飛行場の移設に係る措置に関する協議会概要議事録」に対する意見書
今回の強制「事前調査」の根拠として、沖縄のミドリイシ類の産卵期というのが挙げられているようなので、この意見書の内容は大きな意味を持つ。ようするに、サンゴの中でも大きな卵を比較的ゆっくり産むミドリイシは、産卵シーンを見やすいため知名度が高い(写真媒体になっているし、ダイバーの間ではサンゴの産卵ウォッチングツアーまであるほどだ)=だから今この時期に調査しないといけないんだ、という風、防衛施設庁側はもっていきたいのだろう。
沖縄には300種以上のサンゴがあり、それらは種によって産卵の仕方も、子孫の残し方も、成長の仕方も異なる。ほんとうに環境アセス法を遵守して環境調査をしようとするなら、サンゴのアセスメントひとつとっても、最低数年はかけないと調査といえる代物にはならないはずだ。
とにかく、ヤバイことこの上ない米軍+日本軍新基地計画、これから緊急な動きが出ることが予想される。だけど、遠く離れていても出来ることはたくさんあると思う。わたしの場合には、ともかくニホン以外の環境保護に関心の高い人たちに、辺野古で何が起きているかを伝えていくつもりだ。もちろん近くにいて駆けつけられるなら、それに越したことはないのだが。
(その他の参考サイト)
ジュゴン保護キャンペーンセンター
「2010年を国際ジュゴン年に」
WWFジュゴンの危機
ジュゴンという動物
きっこのブログ「ジュゴンとウミガメと米軍海兵隊」
キャンプシュワブ沿岸案は、もともとダメな案
辺野古での調査は適切に行われるのか?
辺野古での調査は環境アセス法にも違反
辺野古での非暴力の誓いは、なぜ生まれたのか?
自衛隊の出動は法律違反
基地建設の作業を強行させないために
自衛隊の掃海母艦「ぶんご」は沖縄で何をするのか?
ジュゴンの写真はこちらからお借りしました。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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