きょうは、ヤップの野原でよく見かける小さなラン、コウトウシラン(
Spathoglottis plicata Blume)の花を紹介します。
この地生のランは、あまり高い木のない草地や道ばたの明るいところで自生していて、高さは50~80cmというところ。葉は根元から数枚出ていて、その真ん中からすっと伸びた茎(?)のてっぺんに、直径2.5cmくらいの花のつぼみがたくさんついて、順々に花を咲かせていく。
和名を漢字で書くと「紅頭紫蘭」となるそうだから、ピンクや紫系の色が主流なのかもしれないが、ヤップでは、このように白い花もよく見かける。
右の写真では、花が終わって種になったものも見える。
わたしはランというと株(根?)から増えると思っていたけど、コウトウシランは種子でも盛んに繁殖するらしい。
同じピンクでも、この花はかなり濃いピンクだ。
クサトベラの葉に隠れて見えにくいけど、つぼみの色を比べてみてください。
ちなみに、コウトウシランは沖縄の石垣島や西表島などにも自生しているらしいが、園芸のための採取などによって激減し、ニホンでは
「絶滅危急種」に指定されているという。こちらでガイドをしていても、ときどき、「持って帰りたい」というお客さんがいる。しかし、
ヤップから無断で生物を持ち出すのは違法です。どんな生物とも、「それが生息する場所でそっと見るだけ」という態度で接したいものだ。
ところで、こうして何かを書こうとして、いつもガックリきてしまうのは、撮りおきの写真の貧弱さ(笑)。
コウトウシランの花も葉も茎(?)も入った全体写真をしっかり撮ってあると思っていたのに、使えるのは結局こんなのしかなく...
葉が出てる部分と花の咲いてる部分が、うんと離れているので、写真にしにくいのは確かだけど、現場でいかに自分がボーッと対象を見てるだけなのか、こんなことからもワカリマス、反省...
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