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ミクロネシアの小さな島・ヤップより

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「脅威」の正体-韓国と沖縄にステルス戦闘機配備考

「脅威」の正体-韓国と沖縄にステルス戦闘機配備考_a0043520_1129235.jpgきっこのブログで取り上げられたから、ご存知の方も多いと思うけど、米空軍は、最新鋭のステルス戦闘機、F-22Aラプターを12機、沖縄の嘉手納に配備すると発表した。
沖縄タイムス「F22A12機 嘉手納配備/来月上旬

沖縄の人たちの頭上に、もうすぐ、この(写真左)不気味な猛禽類(Raptor)がやってくる。参照:Wikipedia F-22 (戦闘機)

「脅威」の正体-韓国と沖縄にステルス戦闘機配備考_a0043520_11295971.jpg一方で米軍は、同じくステルス戦闘機、F-117ナイトホーク(よたか)の韓国配備も発表した(写真右)。

ステルス(stealth)というのは「こっそり/密かに」という意味で、敵のレーダーに発見されにくい仕様の戦闘機なども、ステルス〇〇と呼ぶ。F-117は、ステルス技術を全面的に取り入れた世界初の航空機で、1980年に公開された。参照:Wikipedia F-117 (攻撃機)

「ミクロネシアの平和な島、ヤップのことを知りたくてこのブログを訪れたのに、どうして、きな臭い戦闘機の写真や話題を見せられなきゃなんないの?」と思われる方へ:
ヤップは米軍基地の島グアムからたった1時間半の距離、しかもニホンからはグアム経由でないと来れない島です。2001年の911の後、コンチネンタル航空の旅客機が米戦闘機に両脇を挟まれて飛んだこともあったし、今でもたまにヤップの上空を、ドン(ほんとうに一瞬です、この手の戦闘機が肉眼に触れるのは)と米戦闘機が吹っ飛んでいったりする環境でもあるのです。

アジアが平和でないと、ヤップの平和もあり得ない。だからステルスF22Aの沖縄配備というニュースは、ヤップにいるわたしにとっても「他人事」ではないわけだ。




「脅威」の正体-韓国と沖縄にステルス戦闘機配備考_a0043520_1131227.jpg韓国へのF-117配備、沖縄へのF22Aというニュースは、いろいろな憶測を呼んでいる。

中でも、中央日報英語版Routine' arrival of U.S. fighters here also a signalは、なるほどと思わせる(わたしのパソコンでは、なぜだか中央日報日本語版の記事部分が出てこないので、英語版で拾った)。
米国の公式発表では、韓国へのF-117配備は「通常の展開」とされたが、
Bruce E. Bechtol Jr., a faculty member of the Marine Corps Command and Staff College, said Wednesday in an interview that the deployment and another one of F-22 Raptor fighter planes to Japan recently had motives beyond the official explanation.
In military terms, he said, the deployments were tests of what the U.S. military calls "flexible deterrent options."
Mr. Bechtol said the philosophy behind the term was at least partly to ensure that an attack on South Korea by the North could be repelled quickly.
水曜日のインタビューの中で、海兵隊指揮官養成学校教員のBruce E.Bechtol Jr.は、(F-117の韓国での)展開と日本へのF-22Raptor戦闘機配備には、公式の説明を超えた動機があったと述べた。
彼は、(これらの)展開は軍事用語的に、米軍で「フレキシブルな抑止的オプション」と呼ばれるものの、テストであると言った。
Bechtol氏は、用語の背景にあるのは、北朝鮮の韓国攻撃があっても、それを迅速に退けられることを、(この展開によって)少なくとも部分的に保証することであると言った。(翻訳ならびに括弧挿入suyap)
「脅威」の正体-韓国と沖縄にステルス戦闘機配備考_a0043520_1135064.jpg一方、沖縄タイムスでは、
外務省によると、配備理由は「イラク派遣に伴う東アジア地域の抑止力低下を補うため」という。
と、ストレートに認めちゃってるね。北朝鮮と陸続きの韓国での発表との温度差が感じられる。が、グアムにさえ配備されたことのない最新鋭のF-22Aを、「米国外での運用は初」として沖縄配備するとは...?

緊張を高めるのは対北朝鮮ばかりではないだろう。中国、ロシアも心穏やかではないはずだ。

そこへ、こんなニュース
YOMIURI ONLINE「EUの武器禁輸解除、中国が日本に協力求める
2007年1月11日(木)22:44
 【北京=末続哲也】中国外務省の劉建超・報道局長は11日の定例会見で、安倍首相が欧州歴訪中に欧州連合(EU)の対中武器禁輸措置の解除に反対を表明したことに関し、「理屈に合わない」と反論した。
 さらに、「いま、中日関係は新たな出発点にある。中日関係発展のため、ともに努力できるよう望む」と述べ、間接的表現で日本に禁輸措置解除への協力を求めた。
うーむ。これをどう読むか...

①イラク兵力増強とともに、米国のイラン攻撃が迫っている(3月から5月頃か?)
②それで手隙になる東アジアを、最新鋭ステルスで監視
③将来的に、インド~オーストラリア~台湾~ニホンの軍事&ショッピング・ネットワークで、中国~ロシア包囲するプランのテスト
④上記はとりもなおさず、ユーロ、アジア基軸通貨などで経済的に多極化することを否定し、没落するドルと心中してくれる「お供」を求めるプラン
⑤もっと飛躍した想像も...山拓が運んできた金で、北朝鮮に2回目の核実験をやらせ、米議会やニホンの世論を一気にパトリオットやF-22Aの購入に向かわせるプラン

航空自衛隊は次期主力戦闘機F-Xを選定する作業を進めており、F-22Aに強い関心を持つ防衛省はF-X選定の延期も視野に入れている-という。それは、価格の問題や、米連邦議会で主要同盟国(日本、オーストラリア、イギリス)に対するF-22Aの輸出解禁法案が下院を通過するも上院で否決され、実際に輸出される見通しはまだ立っていないかららしい。Wikipedia F-22 (戦闘機)

また、F-22は、当初予定されていた生産予定数750機から大幅に削減され、2006年現在では183機が生産される予定だという。生産数が少ないとコストも嵩む。
現在、米空軍のF-22Aの1機あたりの調達価格は、F-15戦闘機(約4000万ドル、1ドル120円として約48億円)の3倍にあたる1億2000万から3000万ドル(同じく1ドル120円として約156億円) と言われており、これがF-22Aが「とにかく高い」とされる所以であるが、一部報道によれば、空自のF-22A導入に際して、米側とほぼ同様の価格が提示されているとも言われており、事実とすればF-15J/DJを一機あたり100億から120億円で調達していると言われる日本にとっては、決して手が出ないとは言えない。Wikipedia F-22 (戦闘機)
ぬあ~んとまあ、ニホンはアメリカ様の戦闘機を、定価の2倍以上の「言い値」で買ってあげてたんだ!それを今回は、「お安くしますよ」と揉み手で言い寄られてるんだと!?
それにしても、こんな高価なお買い物をホイッと買ってくれるのは安倍やコイズミのニホンしかいないだろうから、ここぞとばかりに、使用感お試し特典つき商品ディスプレー

沖縄は米武器商人の常設商品展示場にされている!

と同時に、きっこの日記「劣化ウラン弾の恐怖」にあるように、使用前の劣化ウラン弾の危険性(生産、保管、移動だけでも、ガンの発病率や奇形児の出現など、人体への恒常的な影響を及ぼす)が、米軍の準機関紙で公表されているというのに、なんと、沖縄には40万発もの劣化ウラン弾がこっそり運び込まれており、アベシンゾーは、それをあっさり認めちゃってるのだ。

劣化ウラン弾の危険性はこちらでも:
ぬぬぬ?http://interceptor.blog13.fc2.com/blog-entry-647.html

沖縄は米軍の危険物保管庫にされている!

中国の脅威やロシアの脅威、北朝鮮の脅威をあげて、ニホンの再軍備や沖縄の基地化を正当化する人に聞きたい。あなたはニホンが、中国やロシアや北朝鮮にとって、そんなに魅力的な「美しい国」だと、本気で思えるのかと?

ニホンの国土からは、もちろん、かの国々が征服してまで欲しがる資源は出ない。軍事的に見ても、ニホンを侵略するメリットは何もないということに、どうして気がつかないのか?ニホンの先は太平洋で行き止まり!そんな資源的にも軍事的にも魅力のない、おまけに海に隔てられた国を、わざわざ責め滅ぼす近隣国があるだろうか?

軍事的にニホンを「便利に使いまわせ」たのは、極東に目を光らせていたアメリカであって、極東の国々ではない。

台湾問題では、歴史的にも、文化的にも、民族的にも離れているニホンが、台湾の将来について介入すべきではないし、東シナ海資源を言うなら、外交で十分解決する余地があるはずだ。そういう努力を一切しようともせず、うーんと離れたところの「ご主人様」から遠隔操作され、ご近所さんをやたら仮想敵国にして脅威をあおる奴らの、ほんとうのネライを考えてみてほしい。

ニホンがアメリカの傘から出た(追い出された)あとも楽しく生きていける道は、ご近所さんと仲良く平和共存することでしかあり得ない。日頃のお付きあいもせず、バリバリの砦で固めて窓の隙間から銃口を覗かせてるような家が、どうやってご近所さんと仲良くやっていけるだろうか?

こんな単純なことが解らなくなるほど、今のニホンは、武器商人とその手先=アメリカ政権に情報支配されてしまっててて、口を開けば「脅威」「脅威」とガナリたてる売国奴どもだらけになってしまってる。でも、もう時間がない。一刻もはやく、少しでも多くの人に、この当たり前のことに気づいてもらわねばならない。



最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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by suyap | 2007-01-13 13:42 | 戦争はビジネス(怒)
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