州知事＆州議会議員就任式 : ミクロネシアの小さな島・ヤップより

州知事＆州議会議員就任式

去年の11月に選ばれた、ヤップ州第7期州議会議員と、ヤップ州知事・副州知事の就任式が、本日、コロニアのコミュニティ・センターで行われた。

ここは、マリーナのうちの店から徒歩2分の距離なのだけど、わたしはスクーバ・タンクの内視検査に取りかかっていたし、元来、こういう「晴れ」の儀式は苦手な人間なので、行くのはパス。そのかわり、目と鼻の先で行われている式典をラジオの実況放送で聴きながら、店のスタッフと一緒に、あーだかーだ品定めして楽しんだ。「ミクロネシア連邦国歌」を、たったひとりの女の子が独唱したのは、爆笑もんだった。スタッフ曰く、「国歌をたったひとりに歌わせる式典なんて、初めて」－そうだわなあ。

右上の写真は、午前9時過ぎに始まった式典が、延延々と執り行われて、ようやく新州知事の施政方針演説にこぎつけた午後3時、ちょこっと偵察にでかけて撮って来たもの。あっはっは、会場の１/３も埋まってないや。スタッフ曰く、「ハイスクールの卒業式のほうが、この3倍は人が来るわ」（笑）。式典に出席してるのが、みな外国の来賓だから、国歌も歌えないだろうと慮って、独唱にしたのかな？だとしたら、就任式典の対象は「来賓のみ」って態度丸出しだね。まあ公立の高校でも国歌を練習するのは卒業式の前にチョコッと程度らしいから、歌えない国民のほうが多いという現実もあるけど。ニホンの式典でも、キミガヨは歌の上手い人の「独唱」にすると、良いかもね。

新知事就任式の前には、有志（たいてい新知事の派閥・親戚関係）が「移行委員会（トランジション・コミッティ）」を作って就任式次第を執り行う。これは州法での取り決めではなく、なんとなくアメリカの就任式を真似てやってる節がある。それにしても、金はどっから出てるんだろう？
＜追記＞調べたら、ちゃんと州予算がついていて、今回は「たったの1万5千ドル（約180万円）」ということで、「移行委員会」から文句が出ていたとか...

今回は、フライト・スケジュールのドタ変をやるわ（怒）、マリーナの施設を使うにあたって他の店子に何の挨拶もないわ（トイレ掃除は誰がする－怒）、就任式典を3日もかけて派手にやるのは良いけど、カソリック教会でミサまでするわ（他宗教の州民を無視かい？）、今日の就任式典では来賓席しか設けておらず、一般州民は、まわりに立つか土間に座りこむか、なんだか「無視」されてる感じだわ...、あげくに、明日は来賓のためにピクニックだと（爆）

「要するに、外面ばかりの政府になるのね」
「ああ、これからの4年間が思いやられる」
という声もチラホラあがっている様子は、なんとなく今のニホンを彷彿させるような...

まあ、それはともかく、ヤップの踊りが最後に見れたので、それを紹介しておこう。

踊り手はガギル地区の男たち。総勢60人以上はいただろう。夕暮れ時の午後6時半、コミュニティ・センターの前の道路にずらりと勢ぞろいして、踊りの前に気合を整えているところ。

わたしの位置は、いつもと同じく、端っこのチビッ子たちの前。写真で、白いハイビスカスの房飾りをつけているのは年長の男の子たち。左に下るほど年齢が下がるので、まだ房飾りは許されてない。

彼らの前のバスケットは、踊り手たちが持ってきたもの。ヤップでは手ぶらで歩くことは許されないので、踊りのときにもちゃんとバスケットを持ってくる。

あら、顔の向きが反対だよ（左）
腕の飾りがずれちゃった、あれ、頭飾りも下がってきたね（右）

ヤップの踊りは、小さいうちから見よう見まねで覚えさせていく。まだ端っこのチビッ子たちは、ちょっと込みいった所作になるとおぼつかなくなるし、列も乱れがち。だから、それを修正する役の大人が、ちゃんと後ろに控えている。

チビッ子たちが、それぞれの事情で忙しい間にも、列の中央では踊りがどんどん進行する。踊りを見るなら真ん中が見ごたえがあるのだけど、わたしは、いつも端っこのチビたちを見て楽しんでしまう。

「あれっ、次はどう動くんだっけ？」

こうして、ついつい列の真ん中あたりの「先輩」たちの動きをカンニング（笑）。

この踊りはヤップデイに向けて練習しているもので、まだ荒削りの出来だったのは仕方ないとして、こうしてたくさんの踊り手たちを見てると、今年のヤップデイをホストする、ガギル地区の気合が感じられたのだった。

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