スノーケリングでマンタ9匹！ : ミクロネシアの小さな島・ヤップより

スノーケリングでマンタ9匹！

ヤップのお天気は4日前から下り坂になって、2日前の木曜日はどこのサービスもツアーをキャンセルするほどの大荒れとなっていた。それでも嵐はヤップの北を速足で通過してくれたので、昨日は風も緩まり朝から日も差して、雲の切れ間にこんな虹も...

今回の嵐は大雨をもたらしたので、内湾や水路の中はニゴニゴの透明度となったけれど、「満月の数日後」という、ヤップの海遊びには最高の潮まわりが幸いして、今日あたりから透明度も期待できるはずだ。でもわたしは法螺吹きと思われたくないから、お客さんには「マンタは生き物ですから、『絶対に見れる』というお約束はしませんが、いちおう出てきてくれるように電話をしておきます（笑）」というふうに言って、早朝スノーケリング・ツアーに添乗した。

満潮の3時間前に到着したミル・チャネルの入り口の透明度はクリスタル・クリア、浅いところならテーブル・サンゴやカラフルなサカナが水面から見えた。そこでサカナがたくさん集まる水路の際を、ゆっくり流れに乗ってスノーケリング開始。マンタが出てきてくれたらイイナと思ってたら、ナナナナナント（笑）、いきなり4匹が水路の内側から列をなしてお出ましだ。

ライフ・ジャケットをつけて水面から見ているお客様を差しおいて潜っていくわけにもいかず、とりあえず20mの真下にシャッターを切ったら、かろうじて影が（笑）

「ああ～ヤレヤレ、これで仕事の半分は終わった」←お気楽なガイド（笑）、あとはマンタ以外の見所にも目をやって、と思ったのもツカノマ、第2弾「マンタ、マンタァー！」　またもや水路の内側から2匹登場。

写真が小さくて見にくいが、マンタの背中の模様も個体によって様々だ。右の写真左下の背中はけっこう白っぽい。でも背中の白いマンタは白髪の生えた年寄りというわけじゃないよ。サイズからしても、このマンタはまだ若いオスのようだ。

その後も、2匹、1匹と続いて、全部で9匹の違うマンタが、各ダイビング・サービスのボートが到着したのと同じタイミングで、続々と水路の内側から外に連れ立って出て行ったのだった。こんな状況を水面から俯瞰していると、やっぱり、マンタもダイバーをうざったく思ってるのかなあ？とマンタに同情してしまう。

それにしても、ちょっとタイミングがずれたら、わたしたちもこんなにたくさんのマンタを水面から見ることもなかったわけで、ニンゲンの意志（この場合は「マンタを見たい」という気持ち）よりも、運やタイミングや偶然が、自然界を大きく左右するんだなあ...という思いを強くする。特に、「絶対に〇〇を見たい！」という強固な意志をプンプン発散しちゃうと、生き物は警戒して避けていくような気がする。

そんな思いから、わたしは「マンタを見せます」なんて絶対に言わないし、せっかくヤップに来ておられるのだから、素直に現実のヤップを丸ごと味わっていただきたいと願っている。スノーケリングで（スクーバでさえも）マンタを見ることについては、潮まわりや天候や時間帯など色々な自然の要素とマンタの気分が合わさってチャンスが生じるわけで、わたしがここにレポートしたからといって、「どんなときでも100%マンタが見られる」とお約束しているわけではない。どうか誤解されませんように。

こんなこと書くと、「あのガイドは100%マンタを保証してくれないから、100％見せると言ってくれるガイドのほうが良いや」と思われちゃうことが多いらしい、最近は（笑）。でも嘘をつかないのがわたしのポリシーだし、せめてヤップのことぐらい偽装なしであってほしいから、わたしの言い方を今後とも変えるつもりはない。

まっ、小難しいことはこれくらいにして、マンタのほかにもタイマイ（鼈甲にされてたカメさん）ものんびり泳いでいたし、
＃＃←←この写真も苦しい～～、かろうじて影（笑）

ロブスターもしっかりつきあってくれたし、
＃＃食用にするには小さすぎたが.....

マンタリッジという場所に到着すると、ギンガメアジの大群がぎっしりと水面下に敷きつめられていて、
今朝は寝坊して朝ごはん抜きだったわたしのお腹は、思わずぐ～という音をたてたのだった（笑）

もうひとつ、あらためて感じたことは、水面下で限られた範囲しか見ることしかできないスクーバ・ダイビングばかりじゃなくて、広範囲な海の変化を見わたせるスノーケリングもイイナということだ。

今日はこの数週間でちょっと進んでしまったミル・チャネルのサンゴの白化の状態に気づくことができた。写真は中央から白化してきたコユビミドリイシ？

こちらのタチハナガサミドリイシは右側から白化が進行中。

これらのすぐ近くにはまったく白化の兆候のない元気そうな同属もたくさんいて、この現象が増えすぎちゃったサンゴ人口の調節（淘汰）機能であるのか、何らかの原因でこれからどんどん白化が進行していくのか、注意して観察をつづけていく必要がある。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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