小さなマーケットでマンゴーの実を見つけた。「えっ、今ごろマンゴー?」 ヤップのマンゴーのシーズンは6月から7月上旬なので、ちょっと驚いた。
マンゴー(
Mangifera indica L.)は、ウルシ科の植物で、原産地は、インドからインドシナ半島周辺と推定されている。ヤップ語では
マングァ、音からすると、あまり遠い過去にもたらされたものではないかもしれない。島のあちこちに植わっているが、おおむね樹高は高く、20~30mになるものもある。ただし、根が浅いので、大きな台風が来ると、根こそぎバタンと倒れるものが多い。ウドの大木とはこのことだ。
ところで、この季節はずれのマンゴーは、
マングァ コ サパンと呼ばれている。
サパンというのはニホンのことで、要するに「ニホンのマンゴー」という意味。ヤップのマンゴーより大きくて熟すと甘く、季節知らず(いつ実をつけるか判定しにくい)で、樹高はそんなに高くない。ヤップでは数が少ないので、けっこう珍重されている。マンゴーには500種以上の品種があるというから、これは、ニホンで最も多く栽培されている、通称アップル・マンゴーと呼ばれる、アーウィン種のマンゴーかもしれない。たぶん、ニホン統治時代にヤップにもたらされたから、
マングァ コ サパンなのだろう。
ヤップ人は、青くて超酸っぱい完熟前のマンゴーを、醤油をちょんとつけて食べるのが好きだ。わたしにはとてもじゃないが酸っぱすぎるので、少し待って、やや柔らかくなったところで食べることにした。このマンゴーは収穫が早すぎて、これ以上待っても完熟はしないだろうから。
それにしても、まだ酸っぱいので、ココナッツ・ミルクをかけてみると、う~ん、いける!マンゴーの甘酸っぱさと、ココナッツ・ミルクのちょっとオイリーでクリーミーな味が完全にマッチ。ニホンのマンゴーは甘いのしか売ってないだろうけど、機会があれば、お試しあれ。
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