ダイブログ・カマスにロブスター
ミクロネシア西部では、10月後半から11月前半にかけて「風の変わり目」で、北東貿易風が強まる前の「まったり」した日和が続くことが多い。数日前から、ヤップの天気もそんなモードに入ったようだ。
水温27-28度、北西の微風、島中が静かに凪いだ早朝の2ダイブ目は、ミル・コーナーに入ってみた。
満潮の潮どまりをちょっと過ぎた時間、水路の中からプランクトンが豊富な海水が出てくるのを待ち構えてか、魚影が濃い。透明度が落ちる直前の、まだクリアな流れに乗って、ゆっくりドリフトしてミル・コーナーに。そこでは、いつものホソカマスがお待ちかね(?)だ。ダイバー同士の協力で、上手くまわりを囲い込むと、まるで水族館の円筒水槽状態になる。そんなとき、「塩焼きにすると上旨そう」と連想してしまうのは、わたしだけ?
お次に登場は、ゴシキエビ(ロブスター)の若造くん。ニホン近海在住の兄弟分「イセエビ」より大味だけど、なんたってボディは大きくて迫力がある。写真はまだジュニアの、それも触覚だけが見えているけど、穴の中の体長25cmはあるだろう。ここでも生唾ゴクリ(笑)。
実際のところ、ヤップのゴシキエビの数は減っている。ある年配のヤップ人によると、「今の若い連中は、エビの家を壊して取るから、エビが減るのです」とのこと。
写真のように、エビは巣穴に入って触角だけ出していることが多い。ヤップ人がエビ・カニをわざわざ取ってくるのは、主にホテルやレストランに「売る」ためであって、高値で売るには、触覚など壊さずに取る必要がある。そのためには、エビの家(サンゴ)を壊してしまうほうが効率的だ、というわけだ。
「家を壊さずにおけば、エビをいくら取ってもすぐに次のエビが住みつきます。家を壊してしまうと、もうエビは2度と帰ってきません」
過度の商業主義が、地元の資源を荒らしていく。ロブスターもまた、その被害者のひとり(1匹)なのだった。
核武装?
衆議院補欠選挙の見通しがついた途端に、安倍晋三の盟友・金正日は「2度目の核実験はしない」と中国に伝え、まるで自分の実力で選挙を勝ち取ったかのように勘違いしている安倍は、早くも得意げに憲法改正(悪)論で気炎をあげている。
また、防衛庁はここぞとばかりに「ミサイル防衛(MD)システムの導入前倒し策」をぶち上げた。
Yomiuri Online「
海上配備型迎撃ミサイル、来年中に前倒し導入」
防衛庁は24日朝の自民党国防関係合同会議で、ミサイル防衛(MD)システムの導入前倒し策について、海上配備型迎撃ミサイルのスタンダード・ミサイル3(SM3)を搭載したイージス艦を、当初予定の2007年度末から3か月早めて07年中に配備する方針を明らかにした。
(中略)
MDシステムは、SM3が大気圏外で弾道ミサイルを迎撃し、撃ち漏らしたものを地対空誘導弾パトリオット・ミサイル3(PAC3)で迎撃する二層型。
ところで、日頃から、世界中の情報を精力的に収集・分析して、(単細胞のわたしには歯がゆく思えるほど)慎重な推論を展開されている田中宇(たなかさかい)氏の論調が、このところ、かなりストレートになっている。こういうのを読んだり見たりするにつけ、「
これは、マジでヤバイのかも」と、わたしの危機感はますます強まっていくのだ。
以下、「
田中宇の国際ニュース解説」から、気になる最近の記事を抜粋する。
多極化と日本(1) 2006年9月12日
http://tanakanews.com/g0912japan.htm
▼核抑止力の本質
戦後の日本が核武装しなかったのは、一般には、アメリカが日本の軍事的な再台頭を恐れて核武装させなかったからだとか、広島と長崎の被爆体験を持つ日本人が核兵器を嫌ったからだとか考えられているが、もっと別の軍事的な解釈もできる。
日本が核武装するとしたら、その場合の仮想敵は、中国やロシアであるが、いずれも国土が日本よりはるかに広大である。中国と日本が核戦争して互いに5発ずつの核ミサイルを相手に撃ち込んだ場合、中国は、首都圏に3発、関西に2発を落とせば、日本を国家として機能停止させられるが、日本が北京や上海などの主要都市に5発を落としても、無傷の大都市がいくつも残り、中国は国家として生き延びられる。
ロシアとの核戦争の場合、1981年の自衛隊の研究によると、日本では2500万人が死ぬが、ロシアは人口の希薄な極東で100万人が死ぬだけである。国土が狭い日本は、広大な中国やロシアと核戦争しても不利になる。核兵器を持つことが戦争を防ぐことにつながるという「核の抑止力」の考え方は、アメリカとロシアなど、国土の広い国どうしが対峙している時にのみ有効である。だから、日本は自前の核兵器を持つより、アメリカという強くて広大な国の核の傘の下に入っていた方が有効なのだ、という分析が最近、アジアタイムスに出ていた。(関連記事)
この理論で考えると、アメリカが孤立主義に陥ったり、覇権を衰退させた結果、日本がアメリカの核の傘に入れなくなったとしても、それなら自前の核兵器を持てばよい、という話には直結しないことが分かる。
むしろ、核兵器を持たない方が道徳的には「良い国」であり、核兵器を持たないことは、その分だけ外交的な力を持つことができるとも考えられる。
日本の核武装とアメリカ 2006年10月24日 http://tanakanews.com/g1024japan.htm
昨年2月に北朝鮮が核兵器の保有を宣言した後、アメリカではチェイニー副大統領を筆頭とするタカ派・ネオコン筋から「日本を核武装させ、北朝鮮や中国に対抗させるべきだ」という主張が断続的に出ている。昨年5月には、タカ派が大半を占める米上院で「中国が北朝鮮の核実験を阻止できない場合、中国に対する懲罰として、日本を核武装させるのが良い」という考え方を盛り込んだ政策提案が発表されている。(関連記事)
同時にアメリカからは「北朝鮮が核武装したら、日本も核武装するのはやむを得ない」という意見が多く発せられている。「日本は3カ月で核武装できる」という指摘も出ている。アメリカのタカ派が「日本を核武装させろ」と言い、現実派が「やむを得ない」と言うという、アメリカお得意の「ぼけと突っ込み」を組み合わせた言論を受け、日本は核武装の方向に少しずつ押しやられている。(関連記事その1、その2)
~~中略~~
軍事費も兵力も足りないアメリカでは、日本が核武装したら「もはや日本はアメリカの核の傘の下にいないので、アメリカに頼らず自分で防衛した方が、アメリカにとってもコスト安になる」という議論が出てきかねない。すでに韓国では、韓国側がアメリカ側に「韓国はアメリカの核の傘の下にあると言ってほしい」と求めているのに対し、米側は「前向きに検討する」としか答えない状態になっている。(関連記事)
日本には「韓国は反米だが、日本は親米なので、アメリカは韓国を見捨てても日本は見捨てない」という見方が多いが、私から見ると、ブッシュ政権を握る「隠れ多極主義者」たちは、アメリカの世界に対する影響力の全体を減退させようとしており、相手が反米でも親米でも、目指すところは同じである。反米の韓国は素早く荒々しく切り捨て、親米の日本はゆっくりひそかに切り捨てる、というプロセスの違いがあるだけである。
▼パトリオットは詐欺かも
軍のハイテク化の中でも、飛んできたミサイルを迎撃ミサイルで撃ち落とそうとする「ミサイル防衛計画」は、北朝鮮のミサイルの脅威に対応できると考える読者が多いだろう。日本は最近、巨額の金をかけてアメリカから迎撃ミサイル「パトリオット」を導入している。
だが、迎撃ミサイルが飛んできた北のミサイルを撃ち落とせる確率がどの程度なのか、多いに疑問がある。「パトリオット」は1991年の湾岸戦争で使われ、当初は100発100中のように報じられたが、実はほとんど迎撃できていなかったことが、戦争後に明らかになっている。(関連記事)
その後、米軍は大陸間弾道ミサイルを撃ち落とす迎撃実験を繰り返しているが、これまで数回の実験はすべて失敗で、今年9月初めに行われた最も最近の実験だけ「成功」と発表された。(関連記事)
従来の失敗を見ると、迎撃システムはまだ実戦使用には耐えない初期の実験段階でしかないことが分かる。実際のミサイルは、いつどこからどのくらいの重さのものが飛んでくるか分からないが、実験では、発射場所と発射日時とミサイルの重さや大きさをすべて事前に迎撃システムに入力し、それでも迎撃できない確率の方が高かった。(関連記事)
9月の実験が「成功」と発表されたのは、7月の北朝鮮のミサイル試射後、アメリカや日本で「迎撃ミサイルは北朝鮮のミサイルを撃ち落とせないのではないか」という懸念が広がったことへの対策であり、アメリカから日本に迎撃ミサイルをスムーズに売り込むためにも「成功」が宣伝される必要があったのではないかと勘ぐれる。
本当は迎撃ミサイルが使いものにならないのだとすれば、日本政府はアメリカに騙されているのか、と思う人もいるかもしれないが、もしかすると日本政府は、迎撃ミサイルが使いものにならないかもしれないと知りつつ、巨額の金をアメリカに払っているのかもしれない。巨額の迎撃ミサイル購入費は、日米関係の「潤滑油」としてうってつけである。
~~中略~~
▼核抑止力が失われた後に核武装したがる愚
日本と北朝鮮が核戦争に近づくことは、金正日だけに得をさせる。金正日政権は事態が戦争に近づくほど、国内を結束させ、政権転覆を防げる。一方、日本は、北朝鮮が「東京に核ミサイルを落としてやる」と宣言しただけで経済が打撃を受け、混乱する。日本がミサイル防衛や核兵器でいくら武装しても、この状況は変わらない。
ブッシュ政権は、核兵器が従来持っていた「抑止力」という政治機能を壊した。日本人は、これまで核兵器が「抑止力」だった時代には核兵器を持たず、日本人が核兵器に反対する運動を展開しても、抑止力を重視する核保有国に無視されていた。ところが日本人は、核兵器が抑止力を失いつつある今ごろになって、核武装したがっている。本当は「核兵器は抑止力が失われたので、もう全世界で核廃絶した方が良いのではないか」と主張した方が外交的に得策なのに、世界の変化が見えていない。対米従属の気楽さが、日本人を浅い考えしかできない人々にしてしまった。
以前の記事に書いたように、日本のように国土が狭く人口が密集している国は、従来から核抑止力は薄く、もともと核武装する意味が少ない。中国と日本が5発ずつ核兵器を撃ち合ったら、国家全体に占める被害は、日本の方がはるかに大きい。
この件で「中国が5発撃つなら、日本は100発撃てばいいのだ」と言う人がいたが、それは「1人殺されたら10人殺し返す」と言って戦い続けて自滅に向かっているイスラエルのようになることを意味している。倍返しの報復を表明することは、敵を増やし、最後には自分たちの破滅にしかつながらない。
神代の時代から、中国がくしゃみをすれば島国ニホンは風邪を引くような間柄。明治以降の神がかり的新興宗教「天皇神道」の呪文によって、ニホンが「大国」であるかのような集団催眠にかかり、あげくに世界の状況が読めない「お子様」軍国主義に邁進し、ついに1945年敗戦で、やっと夢から覚めたと思いきや、今度は大国アメリカに腹を見せてゴロニャンニャン。いまだに
国内的にはニホンが大国であると主張する、世界が見えない内弁慶が跋扈する「美しい国=憎いし苦痛」の行方は何処なりや?
これからは心して、来るべきときに備えよう。まずは亡国の安倍政権にNOを!
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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