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ミクロネシアの小さな島・ヤップより

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[ダイビング]ヤップカバーンズを彩るものたち&開戦の仕組み

[ダイビング]ヤップカバーンズを彩るものたち&開戦の仕組み_a0043520_0493892.jpgきのうに引き続き海の話。東側のサンゴが悲惨な状況なのに比べて、島のリーフの先端を少し西にかわしたヤップカバーンズから北では元気いっぱい、生き生きした海を感じられる。サンゴはサカナや他の生物にとっても「家」であり、シェルターであり、また「餌」でもある。サンゴは動物だけど、陸上でいうと森をつくる木々のようなものかな。

サンゴが元気いっぱいになると他の生物も元気よくなる。今回は普段は背景の色どりのひとつとしてしか意識されていない、小さくカラフルな生物をちょっと紹介してみよう。

[ダイビング]ヤップカバーンズを彩るものたち&開戦の仕組み_a0043520_050839.jpgこのオレンジ色のマシュマロみたいなのはMinabea aldersladeiという学名のついたソフトコーラルの仲間。手持の日本語の図鑑にも英語の図鑑にも通用名が出てないが、ヤップでは(特にヤップカバーンズでは)普通に見られる生物だ。大きさ5~6センチで海中の壁にくっついている。ソフトコーラルというのは、ハードコーラル(炭酸カルシウムの骨格をつくるサンゴ「硬い」サンゴ)に対して、炭酸カルシウムの骨格を作らず柔らかいサンゴのこと。昼間から触手を出しているのもいるけど、暗くなってから触手を出して「変身」する奴も多い。この種もそうだ。触手を出してないので、わたしは長い間カイメンかホヤの仲間だと思っていた。




[ダイビング]ヤップカバーンズを彩るものたち&開戦の仕組み_a0043520_0504861.jpgこれも正体不明さん。ホヤかカイメンか?カイメンはどの図鑑を見ても最初のページに陣取ってて、「最も原始的な多細胞動物である」となっている。一方ホヤは図鑑の一番後ろに載っていて、「脊椎動物と無脊椎動物をつなぐ存在=原索動物」なんだそうだ。要するに進化の過程の原始的な奴がカイメンで、脊椎みたいなのができかけてる高等化した奴がホヤってこと。もっとも下等/高等の分類って本人たちにとっては迷惑な話だけど。ところで、この進化の両極端にいる生物は、お互い似通った部分も多いとのこと。将来、進化のツリーじゃなくて、進化のサークルみたいなもので説明されるようになると面白いな。

[ダイビング]ヤップカバーンズを彩るものたち&開戦の仕組み_a0043520_052279.jpgそれで上の生物が載っている図鑑がないのだけど、もしかしたら、このカイメンのベイビーかもしれない。海の中でカラフルでふわっとしたものを見ると、わたしはすぐに「食べたらどんな味」って考える癖があって(笑)、これも食べてみたいもののひとつなのだけど、もちろん食べられるわけがない。カイメン類には(人間に)毒になる成分を持っている奴も多くて、生物化学者さんの中には新しい種を求めて研究している人も多い。カイメンから抽出した化学成分で新薬開発というわけだ。この種の通用名も図鑑には出ておらず、Leucetta chagosensisという学名だけ。

[ダイビング]ヤップカバーンズを彩るものたち&開戦の仕組み_a0043520_0512256.jpgこれも正体不明さんのひとつ。2~3センチくらいでニョキッと生えてる感じ。図鑑にも出てないから、これも誰かのベイビーかもしれない。


◆8月28日時分現在のヤップ気象データ
天候: 曇
風向: 変わりやすい風
風力: 5ノット
気圧: 1010hPa
湿度: 86%
気温: 27℃
過去24時間の最高気温: 31.1℃
過去24時間の最低気温: 22.2℃
(注)「天候」「気温」に関しては、観測時間によってデータに大きく差がでます。一般的に夜は雲が多く気温も低いです。

◆世界のニュース・ウォッチ
安倍壷(晋)三が総理になる前(まだ立候補さえしてない)からブチ上げている日本の再軍備化は何を意味するのだろうか?ここら辺でよ~く考えて手を打たないと(我々にできるのは戦争反対・憲法改悪反対の意思表示をはっきりすることと投票くらいだが)、日本はまた戦争を仕掛ける国になっていくだろう。

戦争/紛争は宗教や民族や文化の違いでは起きない、必ず金がらみ、どこかで戦争させれば金の儲かる奴らによって「戦争は起こされる」

20世紀の直前以降に起きた大きな戦争をひとつひとつ検証してみるのは、今を判断するのに大事なことだと思う。今日日本人が知らない恐るべき真実「戦争とアメリカの嘘」から引用させていただくのは、第一次世界大戦勃発の経緯。
第一次世界大戦
・1915年、第一次世界大戦中の1915年5月7日、アイルランド沖を航行していたイギリス船籍客船ルシタニア号がドイツのUボートから放たれた魚雷によって沈没。アメリカ人128人含む1198人が犠牲となった。

この、ドイツの“野蛮な”攻撃に対してアメリカの世論は沸騰。それまで中立であった米国議会でも反ドイツの雰囲気が強まっていき、第一次世界大戦に参戦。10万人以上の米兵を戦死させた。

ところが、積み荷の保険金請求裁判の目録には船倉に173トンの弾薬があることが記入されており、当時の国際法に照らし合わせるとルシタニア号は攻撃を受けても致しかたなかった。しかしウィルソン大統領は弾薬の積載を認めず、目録を「大統領以外は開封禁止」という命令書を添えて財務省の倉庫に保管させていた。

また、最近の海底調査で沈没したルシタニア号が発見され、その船内には違法の武器と火薬が積載されていたことが判明。やはりルシタニア号は当時の国際法に違反していたことが証明されたのである。
前回の米西戦争でもそうだけど、こうして沈んだ船に潜って真実が明らかにされてくる過程には、ダイバーの仕事もかかわっているんだなあ。サメ見たマンタ見ただけじゃなく、カイメンもホヤも世界史も、全部つながっているんだってことも考えよう。



最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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by suyap | 2006-08-28 21:35 | ヤップの自然・海
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