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ミクロネシアの小さな島・ヤップより

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タカセ貝買い付けデッドヒート

タカセ貝買い付けデッドヒート_a0043520_045977.jpg先日レポートしたタカセ貝漁のその後。海洋資源局に確認したところ、今朝(24日)の時点で収穫量は64トンに達したという。6年前の解禁のときには3日で75トンの上限に達しているから、漁に出ている人数が増加しているにもかかわらず、1週間経ってもまだ64トンというのは、やはり資源がそんなに多くないことを物語っている。

タカセ貝買い付けデッドヒート_a0043520_06747.jpgいまだにどの役所や会社も出てきている男は少ない(笑)。どうしてもはずせない仕事や責任のある連中だけが働いている感じ。そのうちのひとりCさんと今年のタカセ貝漁の話になった。

わたし: タカセ貝採りに行かないの?

Bさん: 週末には行ったよ。でも、もう嫌になった。今年はひどいよ。これじゃ、ヤップからタカセ貝がいなくなっちゃうだろう。それじゃなくても量が少なかったんだから、もうみんな必死で規格外の貝も取っている。

わたし: だって規格外は買ってくれないでしょう?

Bさん: ところが、そうじゃないんだよ。俺が売りにいったとき、(政府の)監視係はね、海を見てるんだよ、貝じゃなくて。それでバイヤーのAも貝なんか見ないで、監視係の方を見て、OK、OK?と言うんだ。そうしたら監視係も貝を見ないままOKと言うんだ。

わたし: えーっ?先週はそうじゃなかったみたいだよ。

Bさん: それに昨日からバイヤーが2人になった。それで買値が競りあがって、今日あたり多分1ポンド(454グラム)$1.45になっているはずだよ。
タカセ貝買い付けデッドヒート_a0043520_065626.jpg今までは過当な競争を避けるためか、政府が入札でバイヤーを1社に絞っていた。それが今日仕入れた情報では、「ヤップ州のタカセ貝資源管理条例にはバイヤーを1社に制限するという条項がない」ということが(なぜか突然)わかり、今年は入札をせず、所定の手続きをして登録料を払えば(ビジネス・ライセンス、輸出ライセンス、並びに外国人バイヤーの場合は外国資本投資許可の取得とタカセ貝バイヤー・フィーの納付)、誰でもバイヤーになれる、らしい。

タカセ貝買い付けデッドヒート_a0043520_072757.jpgそれで、昨日から新たに到着した韓国人バイヤーBが参入して、既に口開け初日から買い付けていたバイヤーAとの競争が始まったという。両人とも韓国人で、しかも苗字が同じなので、ローカル雀は面白がって観戦している。そうなったら、わたしも観戦に行かない手はない。再び買いつけ場に駆けつけた。

(写真の説明)
上から新しいバイヤーの買い付けテント >> 新しいバイヤーの処理場 >> 貝の身取り出し作業員 >> 黙々と作業する手元

タカセ貝買い付けデッドヒート_a0043520_081915.jpg買い付け場は港の先の埋立地なのだけど、後着のバイヤーはその突先に陣を構えていた。そこにたどり着くためには先着バイヤー◎◎Aさんの前を通って行かなければならない。なんだか、暇そう、あっ目があった(笑)。狭い島、みんな顔見知りだから、いちおうご挨拶。売ってないのをわかってて、「タカセ貝の身はまだ売ってないの?」 「ああ、俺の店で売ってるよ(彼はコリア商店も経営している)」 「あっ、じゃ後で買いに行くからね。でも、あっちも偵察してみるね」 ふうぅ~~。

タカセ貝買い付けデッドヒート_a0043520_084532.jpgようやくたどりついた突先テント。やばい、チーフ〇〇〇〇だ。あっ連邦裁判所主席判事△△△さんも居る!おお、なつかしの韓国人◎◎Bさんも。そうか、そうだったのね、今は島を離れているけどヤップ歴の長い◎◎Bさんが、島の有力者チーフ〇〇〇〇を動かして、その楽しい仲間の主席判事△△△さんが法的根拠のバックアップ?なんだか、こっちのテントのほうが活気があるなあ・・・

チーフ〇〇〇〇: おお、スーか。貝の身、買って行け!

わたし: あっ、ハイ。でも入れるもの持ってきてないんで、今日は・・・

韓国人◎◎Bさん: ある、ある、あるよ、ほらっ(彼の私物の入っていたビニール袋を空けてくれる)

タカセ貝買い付けデッドヒート_a0043520_091457.jpgそれでもって仕方なく(笑)、約1キロの貝の身を3ドルで買ってあげたので、ちょっと胸張ってチーフに写真撮影の許可をお願い。「ああ、良いとも良いとも、ちゃんとワシの名前も書いてくれよ!」

との仰せだったのだけど、インターネットという媒体の性格上、あまり個人情報を流すのはよろしくないかと思いますんで(笑)、チーフ〇〇〇〇さんがどなたかは、ヤップな方々にはguess whoといたしましょう。

それにしても、この突先でチーフ〇〇〇〇さんが陣取って、通りかかるボートを呼び止めてたんじゃ、奥に店構えしたバイヤー◎◎Aさんのところはやりにくいだろうな・・・こっちが順番待ちで混んでるとか余程の理由がない限り、ヤップ人のボートがここの関所を抜けるのは難しいだろう(笑)

で、肝心の水揚げされた貝のサイズのことだけど、確かにサイズを測る係り員はどちらのテントでも見かけなかったが、これだけの「大物」がそろったこちらのテントでズルするのは無理だろうし、「大物」さんたちにもそれくらいの見識はあると思うので、こっちは安心か。新参者で大物のバックアップのないバイヤー◎◎Aさんが、あせらずズルしないでコツコツ実績をつくっていくことを祈ろうと思いながら、貝の身がいっぱい詰まったビニール袋を隠すようにして、コソコソと彼のテントの前を足早に通り過ぎたのだった。

(写真の説明)
上から金具を入れて貝の身を引っ掛け >> くるりとまわして >> 取り出した身はこちらにポイあまりの手早さに写真ブレブレ。


◆7月24日20時57分現在のヤップ気象データ
天候: 雨
風向: 北
風力: 8ノット
気圧: 1010hPa
湿度: 96%
気温: 24.4℃
過去24時間の最高気温: 30.0℃
過去24時間の最低気温: 22.8℃
(注)「天候」「気温」に関しては、観測時間によってデータに大きく差がでます。一般的に夜は雲が多く気温も低いです。

◆世界のニュース・ウォッチ
タカセ貝買い付けデッドヒート_a0043520_010316.jpg★ボイコットイスラエル729★
イスラエル軍の非戦闘員を対象にした見境のない攻撃(さまざまなインフラ施設、病院さえ)に抗議して、イスラエル商品をボイコットしようという運動が起きています。日本で売られているイスラエル産の商品には、バーコードの最初の番号(国番号)が729ということです。

ニホンやアメリカの大手メディアでは極力小さく扱っていますが、イスラエルの挑発的攻撃はどんどんエスカレートしています。第2次世界大戦がヨーロッパ→太平洋と進展したように、この攻撃がこれからどこまでエスカレートしていくのか、今後も予断を許しません。ニホンが第2次世界大戦参戦に「誘導された」経緯が、こちらにわかりやすく説明されています。

日本人が知らない恐るべき事実ー研究メモ「真珠湾の謀略

巷では例の「昭和天皇の発言メモ」の信憑性が騒がれているようですが、この時期に大事なのは、問題の本質を知るということ。

カナダde日本語さん「昭和天皇のメモ、その後の雑感
問題は、日本の国民が靖国問題についてほとんど無知であるということだ。それを知らなければ、なぜ首相が参拝することが問題になるのかも理解できないし、それに対する自分の意見を持つこともできないだろう。


◆ヤップの旅の情報はこちらでどうぞ
http://www.naturesway.fm/index2.html


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by suyap | 2006-07-24 23:07 | ヤップの自然・海
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