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ミクロネシアの小さな島・ヤップより

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バージ出航

天候: 晴
風向: 北東
風力: 7ノット
気圧: 1010hPa
湿度: 82%
気温: 27.2℃
過去24時間の最高気温: 30.6℃
過去24時間の最低気温: 23.9℃
(5月22日午後9時54分現在のヤップ気象データ)

昨日ヤップを通過した雨雲は幸い熱低に発達する恐れもなさそうで、風は東だけど良い天気と海況がもどってきた。この調子なら明日のダイビングも期待できそうだ。

バージ出航_a0043520_0231521.jpgところで今朝うちのボートが桟橋を離れるとき、バージの出航にかち合った。バージ(Barge)というのは、平底の箱船のような運搬船のことで、通常は推進力を持たずタグボートに引かれて航行する。このバージは2週間くらい前に台湾から山砂利をヤップに運んできて、商業港の先の埋立地に舳先をつけて接岸していた。山砂利はヤップの建設会社が輸入したもので、その積み下ろしがやっと終了したのだろう、今朝の出航となったのだった。

バージ出航_a0043520_02603.jpgところが風に押されたかタグボートで引きすぎたのか、わたし達が通りかかったときには、反対側のリーフ(浅瀬)に超接近していて、あわや座礁か?とヒヤッとした。かといって「お取り込み中」の相手に「座礁しましたか?」って聞くわけにもいかず、写真を数枚撮っただけで、その場を離れたのだった。ダイビングを終えて帰ってみると幸い船の影もなく、陸番のスタッフによると、難なく出航していったそうだ。

ヤップにもこの手のバージはたまに来るし、実際リーフの上に古いバージも転がっていて、ダイビングのポイント名にも「The Barge」というのがあるくらいだ。でも、なんたって自力航行できないし、船形も機動性とは正反対の代物なので、狭いエリアや島の近くの航行には、余程の注意が必要とされるはずだ。

マレーシアのサバ州にシパダンという小島があって、ダイバーの間では超人気の場所のひとつなのだけど、かつて島にあった数軒のダイブ・リゾートを、マレーシア政府は小さな島のエコシステムを守るという名目ですべて立ち退かせ、近隣からデイトリップで潜りに来るダイバーのエントリー数も制限するようになった。島の環境と自然を大事に思うダイバーやダイビングサービスは、それでも素直にルールに従って潜っていたところ、なんと砂利やコンクリートの瓦礫を満載したバージが、ある日突然シパダンの有名なドロップオフのポイントにアンカーを入れ、挙句の果てに、風に流されてビーチに座礁してしまったという。

http://www.finsonline.com/blog/fins/?p=39#more-39

日本でこのニュースがどれくらい取り上げられているか知らないが、近隣のダイバーの間では大変な心配を呼んでいる。わたしの経験からいうと、幸い物理的なダメージだけなので、環境さえ整っていると、サンゴの回復は意外に速いと思う。だけど、問題は「いったい全体、どうしてこのバージはシパダンにやってきたのだろう?」ということだ。ダイバーたちを追い出して、いったいシパダンに何が始まっているのか、ダイバーの端くれとしては気になるところだ。


◆ヤップの旅の情報はこちらでどうぞ
http://www.naturesway.fm/index2.html

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by suyap | 2006-05-22 21:33 | ヤップな日々
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