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ミクロネシアの小さな島・ヤップより

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ヌーヌー(レイ)の作り方

天候: 曇
風向: 東北東
風力: 10ノット
気圧: 1010hPa
湿度: 85%
気温: 26.8℃
過去24時間の最高気温: 31.7℃
過去24時間の最低気温: 25.6℃
(4月3日午後9時56分現在のヤップ気象データ)

ヌーヌー(レイ)の作り方_a0043520_23505745.jpg長いことヤップに住んでいると、いつのまにか変わってしまった色々なことに、外から来た人の一言ではっと気づかされることがある。数年前にもヤップに来たことのあるお客さんに「今回見かけるレイと昔のレイは作りが違いますね。花が少ないからですか?」と聞かれた。わたしも薄々感じてはいたが、こうして言葉にされるといきなり現実化する。そう、今ではひと昔まえまでは主流だった手の込んだ四つ編みのレイを作る人がほんとうに少なくなっている。その理由は、花が少なくなったのではなくて、たぶんヤップの生活がそれだけ忙しくなったということだろう。

ヌーヌー(レイ)の作り方_a0043520_23513979.jpgヤップでは昔から、人を迎えたり送ったりするとき、祝福するとき、あるいは日常的な好意やおしゃれで、ヌーヌーと言われるレイを贈っていた。

ヌーヌー(レイ)の作り方_a0043520_23522371.jpg簡単なのは、「ラン」と呼ばれるターメリック(うこん)や「モン」といわれるシダの葉を首や頭にかけるだけというのもあるが、種々の香りの葉や花びらを丁寧に編みこんだものを、小さな女の子でも上手に作るのを昔はよく見かけたものだ。

ヌーヌー(レイ)の作り方_a0043520_2353718.jpg前夜に材料の花や葉を摘んでおいて朝早く起きて心を込めてヌーヌーを作り、仕事や学校に出かける亭主や彼氏にあげるっていうのが、「良い女」のたしなみだった。また鮮やかな花のレイを頭や首にかけて出勤するのは、男にとってもイカスおしゃれだった。

ヌーヌー(レイ)の作り方_a0043520_23535255.jpgそれが、最近ではリーチという草の葉に花を三つ編みで埋め込むだけの簡単なのがヌーヌーとして横行している。本式のヌーヌーを見なくなったなあ、と思ってた矢先、うちの店番のジーナが目の前でせっせと作り始めたので、思わずカメラを構えて記録係をやってみた。

ヌーヌー(レイ)の作り方_a0043520_23542943.jpgヌーヌーの命は香り。作り手の好みと工夫で種々の葉や花を組み合わせる。今日のジーナの材料は、ココリスというショウガ系の植物の葉、ピンクのプルメリアの花びら、同じくピンク系の小さな花が咲くレルッチ(Lruch:発音が難しい)、それらを編みこむのにパンダナスの繊維からとった紐4本。

ヌーヌー(レイ)の作り方_a0043520_23552628.jpg4本の紐をうまく片手でさばいて、ひとつひとつのアイテムを右手で処理して編みこんでいく。頭飾りひとつ仕上げるのにジーナの手で30分はかかっただろうか?わたしがやったら2時間以上はかかるので、手の温もりで花はしおれるし出来上がりはなぜかネジくれてしまう。ということで、わたしはいつも見る人、ヌーヌーをもらう人に徹しているのだった。



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by suyap | 2006-04-03 21:34 | ヤップの伝統文化
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