天候: 曇
風向: 東北東
風力: 10ノット
気圧: 1010hPa
湿度: 71%
気温: 27.4℃
過去24時間の最高気温: 32.2℃
過去24時間の最低気温: 22.8℃
(4月1日午後8時52分現在のヤップ気象データ)
久しぶりのダイブログ。いちおうダイビング屋の端くれをやっててブログにあまり海の中を載せないのは、写真がないと他の記事と釣り合わないと思うし、かといっていつもカメラを持ってガイドできるほど太っ腹でも暇でもない(笑)し、それに他にも書くことがいっぱいあるしで、海モノの割合が少なくなっているというわけ。でも今後も(ヘタだけど)頑張って写真を撮ってアップします。
で、今回のデータは3月31日の分(昨日はマイクロスピリットが出航したのでそれを優先して書いちゃった)。日中の天候はちょっと雲の多い晴れ、風は北東8~9ノットくらい、水温は27度。1ダイブ目はミルチャネルの上げ潮に乗ってルンルン・ダイビングで定番のギンガメアジ、カンムリブダイ、ナポレオン、マダラタルミ、グレイリーフシャーク、そっ、それに最後にやっとマンタ2匹を見た(汗)。最近のマンタはいてもあまりダイバーに近寄ってこない。それは追っかけ型のガイドスタイルが横行しているのも理由のひとつ。今回一回目の遭遇では、マンタがこっちに向かってくるのが遠くから見えたので、みんなで着底してじっと待ってると、マンタはゆったりとわたしたちの前まで接近して、「ダイバーウォッチング」しながら旋回してくれた。二回目はお客さん発見で、マンタは水路の真ん中をゆっくりと泳いでいた(一回目と同じ固体の可能性もあり)。わたしたちは既に安全停止の水深にいたので、水路の端の浅いところでそれを見守っていると、水路の真ん中をドリフトしてきたグループがそのマンタを追いかけ始めてしまって、マンタはクルッと向きを変えて泳ぎ去ってしまった。マンタを見てワーっと追いかけて「マンタ見ました」って言っても見たうちに入らないだろうし、それにマンタもダイバーにむかついていると思う。
お客様は全員マンタを見て満足されたし水路の透明度は下がる一方でダイバーは増えているので、2本目はミルチャネルからアウトリーフに出て5分くらいのところにあるノースファニフウォールで潜った。ここは他のサービスではバーティーゴともいっているけど、うちは出来るだけヤップの名前をつけたいので、ファニフという地域の北側の小さなドロップオフなので「ノースファニフウォール」と呼んでいる。他のポイントでは妥協しちゃった名前もあるけど、まだここはこの名前にこだわりたい。ヤップはアメリカじゃないんだぜ~~~!
なんだか記事が脱線気味だなあ。で、このポイントは最近サメで売り出されつつあって、それはなぜかというと、シャークフィーディング(サメの餌付けね)をやってるサービスがあるからだ。お蔭さまで、うちのように「ダイバーのエゴでサカナに餌付けするのは止めましょうね」って方針でやってる所のボートが来ても、サメさんやデブデブに太ったバラフエダイやアカヒメジといった連中まで「早くダイバーが餌持って降りてこないかなあ」って顔で待ち受けている。それでこの日も4匹のグレーリーフシャーク(オグロメジロザメ)がお待ちかね。といってもアタックしてくるわけじゃないからダイバーには全く問題ないけど、この地域の海の持ち主ファニフの男たちには、とんでもない脅威となっている。ヤップの男は家族のためにサカナを取ってくるという大切な役割があって素もぐりでサカナを突くのも手段のひとつだけど、「最近サメが人を見りゃ寄ってきて、突いたサカナを持っていると危なくてしょうがない」と憤懣やるかたない様子だ。きっと将来はサメの餌付けは禁止されるだろう。そして、それはサメや他の水中の住人にも良いことで、ほんとうに海の好きなダイバーにも良いことなのだ。
そんなわけで、4匹の大きなサメたちを始終お供に従えて、わたしたちはドリフトした。このダイビングも結構アタリで、途中ドロップオフの岩陰で大きなバラクーダ(オニカマス)がクリーニングを受けるためにじっとしてたし、タイマイ(かつては鼈甲の材料にされていたカメ)がのんびり2回もわたしたちの側を通り過ぎたし、オニカサゴも見つかったし、他にもウミウシ類2種や下に紹介する小さな生き物を見ることができた。
右のはマンジュウヒトデをひっくり返して見つけたヒトデヤドリエビ、サイズは1cmちょっと。このヒトデには合計4匹いた。全部のマンジュウヒトデに住んでいるわけではないらしく、ひっくり返しても見つからない場合も多い。あるいはヒトデの腹の中に隠れているのだろうか?そうそう、ヒトデをひっくり返して観察したら、ちゃんと元通りに返してあげておくのを忘れないように。ヒトデはお腹部分がウィークポイントで、とくにマンジュウヒトデは自力で元に戻るのは難しいだろうから、お腹が上向いてるとすぐに他のサカナにお腹をアタックされてしまうのだ。
左のはタマイタダキイソギンチャクの中に住んでいるカニ。手持の図鑑では名前が割り出せない、スミマセン。サンゴガニの仲間だろうか?カニに詳しい方々、コメントをヨロシク。
ヤップの旅の情報はこちらでどうぞ。
http://www.naturesway.fm/index2.html