天候: 曇り
風向: 北東
風力: 7ノット
気圧: 1012hPa
湿度: 84%
気温: 26.3℃
過去24時間の最高気温: 31.1℃
過去24時間の最低気温: 23.3℃
(3月10日午後10時56分現在のヤップ気象データ)
昨日は午後から夜中までインターネットの接続が不調だった。それにいま、ヤップの小さなダイビング業界はちょっとした事件でバタついている。ここで書くわけにはいかないけど(事故とかじゃないから、ご心配なく)、いや~いろいろありますなあ(笑)。ひとつ言えるのは、海に入ってるのが好き、ジャングルを歩くのが好きという個人的趣味とわがままでこの商売をやらせてもらっている我が身のシアワセ。金儲けのことだけ考えたら、こんなアホくさい商売やってられませんわ~。
で突然ですが、先週いらっしてたお客様提供のこんな写真。
ヒートウェーブのるうさん、ありがとー!それにしても、このハナミノカサゴ、何やっとるんかねえ?わたしはちょっと離れた位置で、なんだかハナミノカサゴたちがモゴモゴやっているのを見ていたのだけど、そのうち2匹がくっつきあいながらフラフラと水面へ。
安全停止中でボートはわたしたちの真上にいて、ボートオペレーターのチョメも、水面にポッカリ浮かんできたこの二匹をしっかり見てた。彼らが水面にいたのは一秒にも満たない時間だったと思う。ポイントはナマコヘブン#2、時刻は午後3時過ぎ、潮は下げ止まって上げにかかるちょい手前、まだゆっくり沖出し、大潮直後で午後の上げ幅は約1.2メートル。この2匹以外にも、この日はあと3~4匹(合計5~6匹)が数メートル以内の同じ場所にノサーっとたむろしていた。それから2日後の、もうちょっと遅い時間、もう潮が上げで入り始めていたときに同じ場所に潜って、やはりノサーっとたむろしている7匹を見たが、今度は目の前では何もやってくれなかった。
手持の図鑑、MyersのMicronesian Reef Fishes、山渓カラー図鑑・日本の海水魚、東海大学出版会・日本産魚類生態大図鑑、ちょっと古いけど東海大学出版会・日本産魚類大図鑑初版本、なんでミクロネシアなのに「日本産」って図鑑をずらずら挙げるかっていうと、ほんのわずかなミクロネシア固有種を除き、この辺のお魚はみ~んな日本の領海内で見られるから、「日本産」で調べて正解なのだ。それに日本の図鑑ほど正確かつ美しい生態写真と質の高い内容は他では期待できない。それらの全部をひっくり返して、じゃない、ひも解いて読んでみたけど、どれにもハナミノカサゴの交尾・産卵行動を記録したものは無かった。キリンミノカサゴに関しては、たいていの図鑑で詳しく触れているのだけどね。ちなみに、ハナミノカサゴとキリンミノカサゴでは、Pterois
volitansとDendrochirus
zebraというように、属名が違う。学名というのは便利に出来てて、見れば一発で血縁関係の遠近がわかるようになっている。わたし流の解釈では、彼らはイトコ関係ではあるけど、キョウダイではない、と。いや、違うってば。じゃ、アウストラロピテクス猿人(Australopithecus
africanus)とヒト(Homo
sapiens)の違いか?それじゃ、猿人とヒトのナニの仕方はどう違うのかってつっこまれると困ってしまうけど、これは本人(本魚)たちに聞くしかない。で、あんたたち、いったい何やってたのサ?
わたしの位置からは、水面付近で放出(放精・放卵)の噴煙は見えなかったのだけど、間近で見てたるーさん、何か見えましたかあ?キリンミノカサゴの場合は、「日中、大型の雄の生活域で番をつくり、日没後、沖出しの緩潮で粘液質の卵嚢を2個産む。中に数千個の卵を含む」(山渓・日本の海水魚205ページ)。またハナミノカサゴと同じ属のミノカサゴ(Pterois
lunulata)の場合は、「卵は寒天質の卵嚢に包まれて産み出される」(同201ページ)とシンプルな記述のみ。これはたぶん観察例の少なさによるもので、よーするに誰も自信をもって「やつらはこうしてナニをするんだ」って言いきれる研究者がまだ居ないってことね。
これだけ書くと、きっとこのブログの読者の中には一言も二言も書き込みたいヒトビトが出てくると思うのだけど、どーでしょーか?この写真のディープな検討を期待してマス。もしかして、これは世紀のツーショットになるかもよ>るうさん。
ところで、わたし的にはオス同士の(メス獲得のための)ガンのつけあい、あるいはメス同士の「あんヒトはワタシのもんよ!」というオトコをめぐる戦い、という線もまだ捨て切れないでいるのだけど。こりゃー誰かのラブラブを素直に受け取れないわたしの心のヒズミの現れだろーか?(爆)。
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