天候: 曇り
風向: 東北東
風力: 10ノット
気圧: 1012hPa
湿度: 96%
気温: 25.7℃
過去24時間の最高気温: 31.7℃
過去24時間の最低気温: 23.9℃
(ヤップ気象台午後8時54分発表のデータ)
ヤップではダイビングをはじめボートでの移動は潮の高さが大きく影響する。それで小潮まわりの今日は、日中の干満の差が20センチくらいしかなかった。だからボートはいつでも水路を抜けられるかわり、海水が入れ替わらないので水路の中の透明度は落ちる。
そんな日のダイビング、わたしは今日は海の仕事じゃなくて陸にいたのだけど、隣のダイビングサービス(同じビルにうちともう一軒ダイビング屋さんが入っていて、お互い仲良くやってます)Beyond The Reefのスタッフがダイビングから帰ってきて報告してくれたところによると、今日の1ダイブ目のマンタは久々のヒットだったそうだ。20匹くらいのオスが先頭を行く1匹のメスを追いかけまわす「前交尾行動」が見られたとのこと。いったんマンタたちがこうなっちゃうと水路中を駆けずり回るので、運良く目の前を通れば興奮の渦に便乗できるけど、ちょっとはずれると総スカにもなりやすい。案の上、2ダイブ目ではノーマンタだったとのこと。
昔のことを持ち出すのはなんだけど、わたしがヤップで潜りつづけてきた17年間のうち、いちばんマンタを見ることができたのは90年代初頭から97年くらいまでだったような気がする。とくに95年から96年はほんとうに楽だった。とにかくクリーニングステーションの近くにダイバーを案内するだけで、マンタがとっかえひっかえ舞台を演じてくれるといった感じ。ガイドは暇なので(笑)、お客様ダイバーのうしろで寒くて震えてた。そう、あの頃は水温も27度平均だったかなあ。
それが、ことしは水温だけは低めに戻ったが、マンタはこの数年の傾向を継続していて下降線。それとは裏腹にダイバーとボートの数が大幅アップ。マンタを見るには、着底して待つか、マンタが来たらすぐに着底できる体制で「そおっと」泳ぐかのどっちかなのだけど、今では水路のど真ん中の中層をドリフトしてマンタを追いかけるという、昔では考えられなかったようなダイビングスタイルが堂々と行われている。「追えば逃げるけど、じっと待てば向こうから寄ってくる」というのは、人間に限らずマンタやサカナの世界も一緒だ。それじゃなくてもボコボコ大きな音を立ててやってくるダイバーは、マンタには相当なストレスを与えているはず、そのうえ追いかけたれたりしたら、これはもう脅威だろう。
どうやらヤップでもマンタウォッチングのルールを早く作らないとならなくなっているようだ。昔はルールなんか無くても「暗黙の了解」というものが各サービス同士で働いていたが、もうそういう時代ではなくなってしまった。それに宣伝の仕方も、それを見て来る方も、どんどん「単一大物狙い」になっている。海もサカナも生もの、人間の思い通りにはいかないのが当たり前で、「あるときのあるがままを丸ごと楽しむ」というスタンスで望めばもっと見えてくるものがあるのに、マンタしか目がいかないと、こうしてなりふりかまわず追いかけてしまうのだろう。お客さんがそういう傾向だと、ガイドもそれに流されて追いかけガイドとなり、悪循環に陥る。そしてマナーを守って潜っているダイバーが割りを食うという不条理に陥ってしまうこともある、トホホ、、、(写真は以前に撮ったものです)。
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