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ミクロネシアの小さな島・ヤップより

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ヤップ州政庁

このブログでは、その日のお天気のこともできるだけ書くことにしているのだけど、こう曇や雨の日が続くと真実を書くのがつらくなる。そう、今日も曇りと雨が半々の不安定なお天気だった。なんだか、今年に入ってから曇りベースの日のほうが晴れた日より多いのではないかという気がする。赤道から北緯10度あたりまで、いつも雲がかかっている感じなのだ。お天気の悪い日は、貿易風はあまり強く吹かない。それと渇水の心配がないのは良いことだ。

a0043520_23234465.jpg今日の写真はヤップ州政庁。日本でいうと都道府県庁みたいなものだ。実はうちの店のすぐ向かいにあるのだが、午後4時半の役所や会社の退け時を過ぎると、このとおり人っ子ひとりいなくなる。いまヤップには車がどんどん増えているので、平日の昼間は、このあたりも車だらけになるのだけれど。

a0043520_23243218.jpg実は、この建物が建っている土台にご注目いただきたい。これは19世紀後半にスペインがドイツと争ってミクロネシアの領有を主張したとき、当時の蒸気船でたくさんのレンガや石を持ってきて建物の土台にした名残なのだ。太平洋戦争中の爆撃にも難をのがれ、いまでもしっかり土台をやっている。


a0043520_232581.jpgご覧のように、表面をセメントと石で補強してあるが、中身は正真正銘の赤レンガ。それも、とっても目が細かくて品質が良さそう。スペイン時代の建物の跡は他の場所にもあるけれど、ジャングルの中で廃墟になっているところなどは、割れていないレンガのほとんどが持っていかれている。これらの時代物のレンガは竈(かまど)を作るのに最適なのだそうだ。そりゃ、そうだろう。ちなみに、たいていのヤップの家では、いまだに母屋の外に竈場を作っている。竈で薪を使って炊いたご飯が最高においしいように、大鍋を竈にかけてヤシ殻の直火で炊いたイモのほうが、灯油やガス・電気で炊くよりも、数段おいしいのだ。

a0043520_2325476.jpgこれはレンガのクローズアップ。まさか州政庁の土台を持っていくわけにはいかないから、ここはむき出しになっていてもしっかり残っている。日本だったら重要文化財に指定されてもおかしくないほどのものでも、こうして成り行きのままに放っておかれているのが、ミクロネシア的だ。

日本時代には「南洋庁ヤップ支庁」がここに置かれていた。南洋庁というのは、日本がミクロネシアを占領した後、民政を敷くにあたって創設した行政府で、本庁はパラオに置かれ、各島の首島に支庁が置かれていた。戦後アメリカの時代になって、しばらく病院として使われていたそうだが、80年代に新しい病院施設ができて以来、ヤップ州政庁ビルとなった。箱物はアメリカ製のプレハブだと思うが、もうかなりボロボロで、いまどきのおしゃれな日本の県庁や都庁を見慣れた方々には絶句されるような状況だけど、州政府職員はみんなちゃんと働いてくれている。数年前オフィスのOA化にともない、それまで大部屋だったのが部署ごとに仕切られエアコンが入ったのは、画期的な進化だった。



ヤップの旅の情報はこちらでどうぞ。
http://www.naturesway.fm/index2.html
by suyap | 2006-02-14 23:41 | ヤップの近代史
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