今日から2月、「元旦の誓い」がとりあえず一月守れたので(笑)、ここでもう一度「誓い」を新たにしておこうと思う。今月も頑張って書いてみます! さて事情があって(その事情は明日の投稿のお楽しみ)、今日は早めにこれを書いている。今のお天気はどんよりした今にも降りだしそうな曇り空、いったい今年の乾期はどーなっちゃったんだろう?とは思うが、数年前にもこういうことはあったし、それを「地球の天候異変」なんてことに短絡したくはない。でもヤップのお天気と日本のお天気には相関関係があって、こっちが降ってりゃ日本は晴れてるような気が、、、最近、日本は晴れて寒くはありませんか?
さて今回はゴミの話題。左の写真はお恥ずかしながらも我が家の10日分のゴミです。ヤップでは分別収集はまだまだ先の話で、いまの日本人が見たり聞いたりしたら卒倒しそうなものが何でもいっしょくたでゴミになる。
このゴミ袋は、大家さん(ヤップ人)が用意してくれたドラム缶に入れておくと、定期的に島のゴミ捨て場に投棄される。先代のおじいちゃんが大家さんだった頃は、ゴミはこのドラム缶の置いてある場所の左側の崖に店子が勝手に投棄することになっていた。先代いわく「どんどん捨てていいよ、そうするとワタシの土地が増えるから」(爆)。
それで崖もちょっとだけ広くなって、いまの若旦那になってから、そこは山の土を入れて整地され、われわれ店子のためにドラム缶を置いてちゃんと管理してくれるようになったので、とっても助かっている。
ヤップのゴミ処理は、島のゴミ捨て場(左の写真)に各自で捨てに行くか、州政府のゴミ係(とはいわないけれど)にドラム缶1本につき2ドル払って捨ててきてもらうかだったのだが、民間でゴミの回収をやる業者が最近あらわれた。月ぎめ契約を交わすとドラム缶を置いてくれ、そのゴミを週一回ずつ島のゴミ捨て場に投棄してくれるという。
わたしの会社で出るゴミはたいした量じゃないし、会社の入っているマリーナ・ビルのテナント同士で分担して掃除やゴミ処理代を払っているのでゴミの契約はしていないが、電池類を1個につき種別・サイズ別いくら(こっちが払う)で回収もすると業務案内にあったので嬉しくなった。「ホントならバッテリーだけでも頼もう」と思って、それからはバッテリーを他のゴミとは別にして貯めいる。
わたしがここで「ホントなら」と疑心暗鬼なのは、バッテリーを集めてもペイしない、という話を何度も聞いているからだ。ヤップでは当然バッテリーなどの処理はできないから、島の外に輸出することになり、そのコストに比べて使用済みバッテリーの値段が見合わないのだそうだ。民間であるからには利潤を出さねばならず、コンテナいっぱいになるまで待ってフィリピンかどこかの回収業者に輸出しても、ペイしないのではビジネスは成り立たない。そうなると、せっかく分別してお金を払って回収してもらったわたしのバッテリーも、将来、他のゴミと一緒に島のゴミ捨て場にいくことになる恐れも、ないとはいえないのだ。
それでも、少しでも「分別」という意識が出てきたのは良いことだ。実は数年前まで州政府から補助が出てアルミ缶の回収をやっていた。委託業者が1缶3セントで「買って」くれたので、どこの家でも飲んだビールの空き缶が山のように積まれていて、車いっぱい分くらいたまったら売りにいく。子供たちが小遣い稼ぎに道のアルミ缶を拾ったりもしていた。それらのアルミ缶は日本に運ばれてリサイクルにまわされていたのだけれど、アルミ缶の値段が安くなったのと船賃が高くなったので、立ち行かなくなってしまった。それでもまたアルミ缶の回収事業を始めたい、と言っている友人がいる。彼はフィリピンに運ぶことを考えて、大きな缶つぶし機をオーダーしたという。どうか彼の事業が成功しますように!
ところでドラム缶ゴミの回収サービスがあるのはコロニア近辺だけで、その他の地域のゴミはどう処理されているのだろう?いままで多くの家庭では、自宅の裏に掘った浅い穴に、なんでもかんでも一緒くたに埋めて、いっぱいになったらそこに土をかけて、次の場所に穴を掘る、という伝統的な処理をしていた。けっこう海岸の近くにそういうゴミの穴があったりして、波が高くなると簡単に海に流れ出すので、美観や安全面でも大きな問題になる。ヤップ州政府もゴミ問題にはかなり関心を持っていて、各家庭や村単位でゴミ捨て場の穴の掘り方について指導もしているが、まだ海岸近くのゴミ穴を見かけることも多いし、どこのゴミ穴も、何でもかんでも一緒くた、という状況は変わらない。でも、これはヤップの人達の無知を責めるばかりでは、どうしようもない問題なのだ。
昔は簡単に土に還るゴミばかりで、左の写真のような古くなったヤシ篭(これは
主食で食べるバナナで紹介したバスケットです)をゴミ箱にして使い、それも古くなったらゴミごと木の根元に置いておく、という処理で、素晴らしいリサイクルができていた。人間の習慣はなかなか変わらないけれど、アメリカ時代になってからのヤップの物流はすごい勢いで変化している。サカナを取ってきて食べるよりも簡単な缶詰がメインのおかずになってるし、ビールやコーラなどの飲料やペットボトルも、ガンガン入ってくる。それに使い捨ての皿やフォークやスプーン、こっちの人はパーティ好きだから、どんどんそれらを使い捨てている。わたしがパーティでもらった皿やスプーンを洗って使いまわしたら、「スーはケチ」と思われるし、ケチというのは島では格好の悪い評価なのだ。(注:ただし日本時代に育ったお年寄りは、うちのおばあちゃんと一緒で、レジ袋もくたくたになるまで使いまわしているし、それを思うと、いまのヤップ人の使い捨て突入は、そんなに前のことではないような気がしてきた、、、)
それでもメゲずに、わたしはケチをできるだけ実行するようにしている。買物には自前の袋を持っていったり、自分で主催するパーティでは使い捨てグッズは使わないようにしたり、、、それで、最初は「うちのレジ袋を使わんとは何事ぞや?」と不興をかっていた買物袋持参も、今では「あっ、スーはレジ袋いらんのだったね、ありがとう」と向こうから言ってくれるようになり(そういうときに限ってわたしの方が買物袋持参してなかったりー汗)、こうしてひとりでもふたりでも、わたしの行為の意味を考えてくれる人が増えることに、「やっててよかったね」と、ささやかな幸福を感じている今日このごろなのだ。
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