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ミクロネシアの小さな島・ヤップより

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電気代高騰

ほんとうに久しぶりに晴れたぞ~って感じのする日だった。そして北東の強風、貿易風が一段とパワーアップしていて、お陰で家に帰るとドアの前には落ち葉の吹きだまりができていた。

電気代高騰_a0043520_238439.jpg今日は電気水道公社(Yap State Public Service Corporation)に、2ヶ月滞納していたわたしの家の電気代を払いに行ってきた。明日までに支払わなかったら、マジで電気を止められる(笑)。一度止められたら復旧には確か$200の手数料を取られるはずなので、ヤバイところだった。

なぜ滞納してしまったかというと、先月の請求書がベラボーな額だったからだ。「そんなあ~~~」とびっくりしつつ、そのままにしていて支払い期限を過ぎてしまった。そこへ今月分も「そっそっそんなあ~~~」の請求書が届き、、、ヤップでも電気代は、世界的な石油代の高騰を理由に去年値上がりしたばかりなのに、また先月から値上げとなった。使用量(KW)X電気代に、今では油代にあわせて変動する燃料費というものが加算される。それにしても、いままで高くても月に80ドルくらいだったのが、110ドルとか140ドルとかになっているのは、あんまりだ。

はじめは電気代の値上げのせいだと思っていた。でも迫り来る支払期限を前に、おとといボーっと2通の請求書を見ていて、使用量の項目に目がいった。「?」 なんと今月の請求書では12月に688キロワットも使ったことになっているではないか、、、

実はわたしは去年7月に今の家に引っ越してきた。以前の住いより部屋数も広さも半分以下になったので、使う照明の数も減っている。また前の家では、調理用にアメリカ製のでっかい電気オーブンレンジが備わっていたが、今の家では主に石油コンロで煮炊きしている。以前は持っていた電子レンジも考えるところあって人にあげちゃったし、現在のわが家の電化製品といえば、冷蔵庫、小さな保存用冷凍庫、パソコンと周辺機器、パソコンルーム用のエアコン、照明の電灯数個、だけだ。テレビもビデオも扇風機もない(笑)。このうち一番電気を食うのは、常時つけっぱなしのエアコンと冷蔵庫だろう。でも、これは以前の家でも同様だったし、、、

電気代高騰_a0043520_2392854.jpg漏電?やばいので、すぐに大家さんに事情を説明しにいったが、あんまりマジでとりあってくれたとは思えない。それで、もうひとつの可能性に思い当たった。「メーターが怪しい?」という訳で、支払いだけなら銀行で済ませることもできたのだけど(ヤップでは自動引き落としなんてやってくれないのだ)、わざわざ公社のオフィスまで足を運んでわたしの疑問を訴えることにしたのだった。

90年代中ごろまで、電気と水の供給はヤップ州が直接やっている事業だった。いちおう毎月請求書がきて、州の出納課に支払うことになっていたのだが、滞納しても罰則もなく電気も水も止められることもなかったので、当然(?)滞納者続出で、なんだか慈善事業のようなものになっていた。そしてその見返りに、電気も水もしょちゅう止まった。1994年9月、当時3つあった発電機の2つまでが同時に故障して、ほぼ1ヶ月の間、島中が1日に8時間ずつの計画配電になったこともあった。

それが電気水道公社になって、料金は倍層以上になったけどサービスもすごく向上したので、わたし的にはまあまあ納得している。それに最近では顧客のコンピューター管理も進んでいて、わたしのように文句を言いに来たお客に対して、窓口の女の子がコンピューターの端末をチョンチョンといじっただけで、わたしの過去のデータがばっちり出てくる。まだ送られてきていない来月分の請求額も出てきた。それがなんと、いきなり256キロワット!今月分の半分以下ではないか。「同じ電気製品を使って同じように暮してて、どうしてこんな差が出るの?」 これには係の子も納得して、「そうだわね、メーターを調べるように手配するわ。係員の読み違いってこともあるし、、、」(爆)。

というわけで、ちょっとだけ良い気分になって帰ってきたのだけれど、それにしてもヤップの電気代は高いと思う。日本では4人家族でも1万円は超えないと聞いたことがある。まあ季節や使い方にもよるだろうけどネ。また、ヤップで売られたり使われている電化製品は、ホンモノのアメリカ製か、アメリカ仕様のアジア製が多いが、それらは日本のものに比べて省エネ度ではずいぶん劣っていると思う。そういったことも、電気の使用量を増やしている原因のひとつだろう。

電気代高騰_a0043520_2310252.jpgヤップの電気水道公社では100%ディーゼル発電だ。石油資源のない小さな島としては、とんでもない不経済な話だ。かといって豊富に降りそそぐ太陽光発電ではコストや環境負荷の面からあまりメリットはなさそうだけど、たとえば風力発電とか、潮位差発電とかは、誰かが本気で考えれば自給できるくらいは行くのではないだろうか。しかし、そういう方向には、行政も消費者も、まだまだ向いていないようだ。なんたって、ビールはバドワイザー、油はモービル、飛行機はコンチネンタル!3社が仲良く共存共栄して儲けているミクロネシアだもんね。写真はヤップの発電所。



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http://www.naturesway.fm/index2.html
by suyap | 2006-01-30 23:24 | ヤップな日々
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